麻豆伝媒とは? わかりやすく解説

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麻豆伝媒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/07 04:12 UTC 版)

麻豆传媒
種類 非公開会社
言語 簡体字中国語
本国 中国[1]
業種 性産業
開始 2019
現在の状態 運営中

麻豆伝媒(マードウチゥァンメェィ、簡体字中国語: 麻豆传媒)は、中国語で映画を制作しているポルノサイト[2][3]

中国大陸台湾でポルノ俳優や女優を募集している[1]。作品の内容は、主に日本のアダルトビデオや有名な東アジアの映画のストーリーにインスパイアされている[4][5]。俳優・女優の多くは台湾人だが、中国大陸のアクセントや語法で話すことを要求され、表紙や字幕、広告もすべて簡体字で表記される[6]。全作品無補正[7]

概略

2019年にヌード撮影プロダクションとして開始され、同年に初のAV作品を発表[8]。コロナ禍に急成長を見せた[8]。ライターの広瀬大介によると、2023年時点で制作チーム20以上、作品数1500以上。40以上の配信サイトやアプリと連携し、観閲環境を増やしているという[8]。公式サイト会員数は2000万人以上。公式サイト再生数は1億以上。提携先での視聴や無断転載を含めればより膨大な数になる[8]。前述のように日本のAV作品を模倣しており、企画に関してもマジックミラーなど二番煎じが多い。制作費の回収は広告で賄っており、セットの背景に不自然なほど大きくオンラインカジノなどの広告がある、女優の体に配信サイトの広告シールが貼ってあるなどが特徴。

ルポライターの安田峰俊は「中国はネット規制のイメージが強いが、政府への言論が中心でエロは建前」と説明。もともとは中国・河南省で設立されたが、2020年に拠点を台湾に移った。しかし実態は中国資本であるとしている。

台湾のAV評論家・一劍浣春秋は、台湾で制作されているが、台湾での需要は日本作品が圧倒的に高く「主な視聴者は中国語のAVが見たいという大陸の中国人」と述べている[9]。このため前述のように台湾なまりのない大陸式の中国語で会話、表記される[9]

X-VIDEOなどの動画共有サイトへの大々的なバラマキ政策により、日本が覇権を握ってきたアジアのポルノジャンルに大きな影響を与えた[8]。女優への支払いは日本円に直すと約月収200万円。SNSやライブチャットなどでセクシー活動する女性をスカウトしているという。中国メディアによるとコロナ禍で仕事の減ったネットアイドルが出演するケースもある[8]。日本のプロダクション関係者によると、日本のAV女優や元AV女優にもSNSを通じてオファーをかけているとのことで、日本人と思われる出演者も確認できる。しかし中国国内では厳密には違法、もしくはグレーな状態であり、労働ともみなされないためビザなしの違法労働となり、日本人の出演は逮捕拘留される可能性があると指摘している[8]

2020年末、中国サイバースペース管理局が発表した浄化・削除対象リストに同社のアプリが掲載された[10]。2022年1月、上海市の警察が広東省四川省に駆けつけ、麻豆伝媒のメンバー24人を逮捕した[11][12]。上海警察の発表は、中国のネット社会で大きな話題を呼んだ[13]。ジャーナリストの周来友は「将来性という意味では懐疑的」との見解を示している[8]

脚注

  1. ^ a b 宋原彰. “國道見成人平台粉色貨車 老司機嗨翻求上車:台版魔鏡號” (中国語). 中時新聞網. 2022年7月10日閲覧。
  2. ^ 傅紀鋼 (2022年2月11日). “「全球華語AV成人大賞」象徵本土情色產業蓬勃發展,但台灣社會準備好了嗎?” (中国語). The News Lens 關鍵評論網. 2022年7月10日閲覧。
  3. ^ 「麻豆傳媒」被抄家 拍50部片狂賺2250萬” (中国語). 東森新聞. 2022年7月10日閲覧。
  4. ^ 黃麗亭. “寄生下流3/25麻豆傳媒麻豆官方網站獨家上映” (中国語). 經濟日報. 2022年7月10日閲覧。
  5. ^ 劉建偉 (2022年1月11日). “男歌手轉行拍AV!公開「窒息式性愛」內幕:每日真槍實彈” (中国語). 三立新聞網. 2022年7月10日閲覧。
  6. ^ 國產AV|麻豆傳媒團隊內地被捕 台妹親述面試經歷一事令她卻步” (中国語). 香港01 (2022年3月23日). 2022年7月10日閲覧。
  7. ^ 謝文哲 (2022年3月23日). “麻豆傳媒主打講國語不打碼 AV團隊上海被捕「F級紅牌女優曝光」” (中国語). 鏡週刊 Mirror Media. 2022年7月10日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h SPA!中華系AV取材班 扶桑社『週刊SPA!』2023年2月21日/28日合併号 22‐25頁
  9. ^ a b 日本メディア初公開! "全裸監督"ばりに激アツな「台湾のAV」の世界《撮影現場を直撃取材》 - ライフ・文化 - ニュース”. 週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト] (2023年5月7日). 2023年5月17日閲覧。
  10. ^ 国家网信办:下架猫途鹰、麻豆传媒等105款违法违规移动应用程序”. 新浪财经 (2020年12月8日). 2022年7月10日閲覧。
  11. ^ 上海扫黄打非. “上海警方打掉一制贩传播淫秽物品团伙 抓获24人”. 光明日報. 2022年7月10日閲覧。
  12. ^ 上海嚴查拍AV 中國網友自慰:「關鍵性產業」要被台灣超越了” (中国語). 自由時報 (2022年3月24日). 2022年7月10日閲覧。
  13. ^ 黃順祥 (2022年3月23日). “麻豆傳媒AV供片團隊驚傳中國被捕 被查獲50多部片牟利2000萬元” (中国語). Newtalk新聞. 2022年7月10日閲覧。

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