鎮碇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/15 23:37 UTC 版)
鎮碇(ちんてい[1]、ちんじょう[2])は、大日本帝国陸軍が各地の飛行場に設置した着陸訓練設備。現地に残存している例は日本国内で数例しかないとされる[3]。
旧知覧飛行場
旧陸軍知覧飛行場着陸訓練施設鎮碇は鹿児島県南九州市知覧町にあった旧知覧飛行場(現知覧平和公園)の西方にあった飛行訓練施設である[2]。1941年(昭和16年)に建設[2]。RC造[2]。床部は南北に10メートル、東西に6メートルで、脚部を2つ置いて梁を渡し、梁に着陸訓練用のロープを固定したものである[2]。
2007年(平成19年)7月31日に「旧陸軍知覧飛行場着陸訓練施設鎮碇一棟」として国登録有形文化財(建造物)に登録されている[4]。
旧金丸原飛行場
栃木県大田原市にあった金丸原飛行場跡付近にも疑似飛行機の着陸訓練に使用された鎮錠が設けられていた[3]。那須与一伝承館の調査によるとコンクリート製で、高さ約2.3メートル、横約3.8メートル、奥行き約2.4メートルである[3]。両脚に梁を渡したコの字形で、離れた塔から疑似飛行機をワイヤーで吊るし、着陸時の操縦感覚を得る訓練をしたとされる[3]。
旧太田飛行場
栃木県太田市の新田飛行場跡にあった鎮碇は敷地が払い下げられ、ネギ畑となった現在も畑の片隅に残されている[1]。
脚注
- ^ a b “[活写]終戦78年…忘れ形見と今日も耕す(動画あり) / 日本農業新聞公式ウェブサイト”. 日本農業新聞公式ウェブサイト (2023年8月15日). 2025年10月15日閲覧。
- ^ a b c d e “旧陸軍知覧飛行場着陸訓練施設鎮碇”. 文化遺産オンライン. 2025年10月16日閲覧。
- ^ a b c d “戦時下の着陸訓練設備残る 全国に数例「貴重な発見」”. 共同通信. 2025年10月16日閲覧。
- ^ “南薩地区の国及び県指定文化財一覧表”. 鹿児島県. 2025年10月16日閲覧。
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