糸取り狢とは? わかりやすく解説

糸取り狢

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/15 22:09 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
糸取り狢が現れたといわれる鳳凰山

糸取り狢(いととりむじな)は、山梨県鳳凰山に伝わる妖怪

概要

老いたムジナが化けたもの。行灯を携えて糸取り車を回している老婆の姿で現れるが、本体は老婆ではなくこの行灯の方である[1]

鳳凰山の山小屋を訪れた猟師がこの妖怪に遭遇した際、老婆の方を猟銃で撃ったが手ごたえが無く、行灯の方を撃ったところ、悲鳴と共にムジナが飛び出したという[1]

岩手県にも以下のような類似の説話がある。昔、沢内村(現・西和賀町)に入る街道の橋の袂にいつしか一軒の家が現れ、そこに化物が出るという噂が立った。ある弓の得意な侍が退治に行ったところ、白髪の老婆が行灯を携えて針仕事をしていた。侍が矢を放つと老婆はやすやすと矢を手で掴んだ。何本矢を放っても同じで、それきり侍の行方はわからなくなった[2]

それを聞いた弓の達人たちが次々に化物退治に向かったが、誰1人帰ることはなく、残るは弓には自信がないものの日頃から書に親しんでいる侍だった。気が進まないまま件の家へ向かう途中、ふと「将を射んとすればまず馬を射よ」の言葉が頭に浮かんだ。化物の老婆と対峙した侍は、老婆に矢を放ち、老婆が矢を掴むやいなや、続け様に行灯を矢で射抜いた。悲鳴と共に行灯が倒れ、灯りが消えた[2]

次の日に侍がその場所へ行くと、家はなく、老いたが矢に貫かれて死んでいたという[2]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 村上健司編著『妖怪事典』 毎日新聞社、2000年、341頁。ISBN 4-620-31428-5
  2. ^ a b c 藤沢美雄 『岩手の妖怪物語 岩手妖怪譚-炉端ばなし』 トリョーコム、1986年、80-83頁。ISBN 4-924-65347-0

関連項目





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「糸取り狢」の関連用語

糸取り狢のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



糸取り狢のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの糸取り狢 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS