第十五福栄丸とは？わかりやすく解説

第十五福栄丸（第十五福榮丸、だいじゅうごふくえいまる）は、第二次世界大戦中に大日本帝国海軍に徴用され、特設捕獲網艇に改造された日本の貨物船である^[1]^[2]。船舶番号46382、信号符字JYJN。

歴史

この船は1939年に三原造船鉄工所で満鮮運輸株式会社の委託を受けて起工した。 1939年8月9日に進水、同年12月8日に完成し、神戸に登録された。 1941年5月10日に大日本帝国海軍に徴用されるまで、貨物船として運航した。

徴用後は補助網敷設船に指定され、1941年6月10日に杤木汽船株式会社の造船所で改装が完了した。第三艦隊佐世保鎮守府に配属され、第52駆潜隊（駆潜艇第17昭南丸、第5拓南丸と共に）に所属した。この部隊は台湾の高雄に拠点を置く第一基地部隊に所属した。艇長は海軍豫備中尉　田代鷹次であった。（1941年5月15日–1942年８月25日）^[2]^[3]

バタン島攻略

真珠湾攻撃と同時に始まったバタン島上陸に従事し、ルソン島攻略作戦を支援するため航空基地（英語版）を設立する任務を負った。1941年12月7日、第52駆潜隊は第53駆潜隊（高麗丸、京丸2号、京丸11号）および第54駆潜隊（長良丸、昭南丸1号、昭南丸2号）と共に第24飛行大隊の一部を乗せた大日本帝国陸軍輸送船帝雲丸とともに高雄を出発した。 1941年12月8日、バタン島沖で占領軍の残存部隊と遭遇した。部隊は輸送船「球磨川丸」、駆逐艦「山雲」、千鳥型魚雷艇4隻（「千鳥」、「真鶴」、「友鶴」、「はつかり」）、W-13型掃海艇2隻（「W-13」、「W-14」）、巡視艇2隻（巡視艇1号、「巡視艇2号」）、つばめ型機雷敷設艦2隻（「かもめ」、「つばめ」）、改造砲艦3隻（「麻生丸」、「高祖丸」、「南峰丸」）、および水上機母艦「讃岐丸」と護衛艦「たちかぜ」であった。^[4]

ラモン湾攻略

フィリピン攻略戦では、本船は昭和16年12月のラモン湾占領のため、第14軍の兵士7,000人を乗せた陸軍輸送船20隻、海軍輸送船白山丸（第1港渠補給隊、第1海軍通信隊搭載）、君島丸（第1海軍警備隊搭載）、仙光丸（第1海軍測量隊搭載）、妙高丸（第1、第2佐世保特別海軍上陸部隊搭載）の護衛を務めた。船団の護衛は、第十五福栄丸、軽巡洋艦長良、重巡洋艦足柄、駆逐艦6隻（時津風、雪風、江風、涼風、海風、山風）、機雷網敷設艦蒼鷹、掃海艇2隻（7号、8号）、補助砲艦・機雷敷設生久島丸、補助砲艦4隻（武将丸、景行丸、観光丸、妙見丸）、特設駆潜艇2隻（第17昭南丸、第5拓南丸）。

終末

1942年8月10日、ティモール島沿岸で対潜水艦掃討作戦中に、オーストラリア空軍第13飛行隊の爆撃機ロッキード・ハドソンの攻撃を受け、ベコ市（英語版）沖で沈没した。 1942年8月25日、徴用解除及び除籍された。

諸元

総重量：847-876 トン
大きさ：185.0' (Lpp) × 30.8' × 16.7'
動力：ディーゼルエンジン　1軸　5500bhp
速度：巡航時 9 ノット、最大 11 ノット
武装：8cm/40口径 deck guns 1門、93式13mm機関銃 1丁、7.7mm機関銃 1丁、60cm探照灯 1基、2 Type 95 DCs racks、1 DC thrower、24 DCs、4 Type 14