福岡 (映画)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/25 03:58 UTC 版)
福岡 | |
---|---|
후쿠오카 | |
監督 | チャン・リュル |
脚本 | チャン・リュル |
製作 | チャン・リュル ヤンジン |
出演者 | クォン・ヘヒョ ユン・ジェムン パク・ソダム |
撮影 | パク・ジョンフン |
編集 | イ・ハクミン |
製作会社 | リュル・フィルム |
配給 | インディ・ストーリー、リュル・フィルム |
公開 | |
上映時間 | 85分 |
製作国 | ![]() |
言語 | 韓国語、日本語、普通話 |
『福岡』(ふくおか、原題:후쿠오카)は、2019年に公開された韓国映画。監督・脚本はチャン・リュル。
概要
2007年9月14日から24日にかけて第17回アジアフォーカス福岡国際映画祭が開催され、チャン・リュルの2006年の作品『風と砂の女』が出品された[2]。以後、2017年までにチャンの作品は計5本、同映画祭に出品された。繰り返し訪れるうちに、チャンと地元の映画人たちとの関わりが深まり、福岡市を舞台とした映画製作プロジェクトが本格化。2018年3月25日から市内で撮影が開始された[3][4]。
主要キャストはクォン・ヘヒョ、ユン・ジェムン、パク・ソダムの3人と福岡市を拠点に活動する山本由貴。役名は全員、本人たちの下の名前があてられている。中国人の女性も出演する。
2019年2月11日にベルリン国際映画祭で上映され、4月18日に北京国際映画祭で上映された。同年9月13日、アジアフォーカス福岡国際映画祭で上映され、この日が日本初公開となった[1]。
韓国では2019年11月28日にソウル独立映画祭で上映された。そして2020年3月に一般公開される予定だったが[5]、コロナウイルスの爆発的な流行により、同年8月27日に延期して公開された[1]。
2022年12月23日、日本で一般公開され、公開にあわせチャン・リュルが来日した[6]。
キャスト
備考
- クォン・ヘヒョとユン・ジェムンが扮する男たちは大学時代に演劇のサークルでともに活動していたという設定だが、実際にクォンとユンは若い頃から、演劇の舞台を数々一緒こなしていた仲間同士だった。クォンは「私たち二人はいつもあんな感じなんですよ」とインタビューに対し答えている[7]。
- パク・ソダムと中国人の女性が公園のベンチで話をするシーンで、中国人の女性がバッグから出す本は、クランクイン直前の2018年3月9日に出版されたばかりの村上春樹の『騎士団長殺し』の中国語(簡体字)版である。それを受けてソダムは『金瓶梅』をバッグから出し、相手から「若い娘さんが、中国で一番官能的な古典小説を?」と言って笑われる。
- クォン・ヘヒョの居酒屋の壁に掲げてある詩をユン・ジェムンは読み上げる。その詩は尹東柱の「自画像」。また別のシーンで、居酒屋の客が尹東柱の「愛の殿堂」を口ずさむ[8]。尹は福岡刑務所で獄死している[注 1]。
- 尹東柱の「雪降る地図」「少年」という二つの詩に「順伊(スニ)」という女性が登場する[10]。ヘヒョとジェムンが大学時代に愛した女性の名「スニ」は、ここからとられている。
- 撮影は、福岡フィルムコミッションの協力のもと行われた。大名エリアの「入江書店」「喫茶花坂」をはじめ、居酒屋「酒房野菊」、カフェ「屋根裏貘」、うどん店「みやけうどん」、水鏡天満宮横のうまかもん通り、水車橋など地元ならではのスポットが登場する[3]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f g Fukuoka - IMDb
- ^ “2007年(第17回)”. アジアフォーカス. 2025年8月21日閲覧。
- ^ a b 三好剛平 (2021年1月26日). “韓国映画「福岡 Fukuoka」にまつわる、すべてのこと。 福岡映画#09『福岡 Fukuoka』”. フクリパ. 2025年8月21日閲覧。
- ^ “映画『福岡』公開。地元・福岡を拠点に活動する女優・山本由貴インタビュー”. 1st Generation (2022年12月12日). 2025年8月21日閲覧。
- ^ “クォン・ヘヒョ&ユン・ジェムン&パク・ソダム主演、映画「福岡」韓国で3月に公開決定!”. Kstyle (2020年2月4日). 2025年8月21日閲覧。
- ^ 松沢拓樹 (2022年12月25日). “韓国映画「福岡」が日本初公開 なぜ舞台に?きっかけは天神のイカ”. 朝日新聞. 2025年8月21日閲覧。
- ^ 石津文子 (2023年2月25日). “『冬のソナタ』キム次長でお馴染みの クォン・ヘヒョがソン・ガンら若い 世代との共演で意識していることとは?”. CREA. 2025年8月21日閲覧。
- ^ “'후쿠오카' 장률 감독 "현실은 영화보다 애매모호 하잖아요"”. 조선일보 (2020年8月26日). 2025年8月21日閲覧。
- ^ 佐々木亮 (2021年2月16日). “獄死から76年 韓国詩人尹東柱を悼む 「精神を継承」”. 朝日新聞. 2025年8月21日閲覧。
- ^ 熊本勉「尹東柱の詩とその根底にあるもの」、福岡大学、2018年。
外部リンク
- 福岡_(映画)のページへのリンク