片岡大右
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/16 09:40 UTC 版)
片岡 大右(かたおか だいすけ、1974年 - )は、日本の批評家、社会思想史・フランス文学研究者[1]。 東京大学、早稲田大学ほか非常勤講師[2]。
フランス革命後19世紀前半までのフランス文学・思想を専門としながらも、加藤周一研究やデヴィッド・グレーバーの翻訳紹介、幅広い分野での批評活動を行う[3][4][5][6][7][8]。
評論集『批評と生きること──「十番目のミューズ」の未来』(2023年)は、グレーバー、『ゲーム・オブ・スローンズ』、『鬼滅の刃』、リュック・ボルタンスキー、ベルナルド・ベルトルッチ、小沢健二[9]、クリスチャン・ボルタンスキー[10]などをめぐる論考をまとめたもの[11]。序文において[12]、グレーバー、加藤周一、L・ボルタンスキー等を論じながら、「批判という営みの再定義」を行っている[13]。また、長編論考「アジアの複数性をめぐる問い──加藤周一、ホー・ツーニェン、ユク・ホイの仕事をめぐって」において、現代アジアの諸現象と諸問題に注目している。
経歴
主な著書
単著
- 『隠遁者,野生人,蛮人──反文明的形象の系譜と近代』(知泉書館、2012年)
- 『小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか──現代の災い「インフォデミック」を考える』(集英社新書、2023年)
- 『批評と生きること──「十番目のミューズ」の未来』(晶文社、2023年)
共著
- 『共和国か宗教か、それとも──十九世紀フランスの光と闇』(白水社、2015年)
- 『古井由吉 文学の奇蹟』(河出書房新社、2020年)
- 『加藤周一を21世紀に引き継ぐために──加藤周一生誕百年記念国際シンポジウム講演録』(水声社、2020年)
訳書
- ポール・ベニシュー『作家の聖別 フランス・ロマン主義1』(共訳、水声社、2015年)
- デヴィッド・グレーバー『民主主義の非西洋起源について──「あいだ」の空間の民主主義』(以文社、2020年)
脚注
- ^ “#Asian Talk 036 批判は今日においてどのような意義を持っているか――アジアとヨーロッパの視点から”. One Way Street Tokyo. 2025年3月16日閲覧。
- ^ “批評家 片岡 大右”. MACC(メディア芸術カレントコンテンツ). 文化庁. 2025年3月16日閲覧。
- ^ 藤生京子「いま加藤周一を読み直す」朝日新聞 社説余滴、2019年12月22日。
- ^ “世界の複雑さと向き合うための、シンプルな方法。『小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか』著者・片岡大右氏インタビュー”. BEST T!MES. KKベストセラーズ (2023年3月7日). 2025年3月16日閲覧。
- ^ “人類学者デヴィッド・グレーバーさんを悼む 人間の本性、対立超えると信じた 批評家・片岡大右さん寄稿”. 好書好日. 朝日新聞社 (2020年9月19日). 2025年3月16日閲覧。
- ^ “暗黒×IDW×海賊…「啓蒙」の後で何を信じるのか?”. 講談社現代新書. 講談社 (2020年7月10日). 2025年3月16日閲覧。
- ^ “コロナ下に死んだ人類学者が残したもの デヴィッド・グレーバーの死後の生(上)|片岡大右”. コロナの時代の想像力. 岩波書店 (2022年10月21日). 2025年3月16日閲覧。
- ^ “コロナ下に死んだ人類学者が残したもの デヴィッド・グレーバーの死後の生(下)|片岡大右”. コロナの時代の想像力. 岩波書店 (2022年10月28日). 2025年3月16日閲覧。
- ^ “「世の中の裂け目」はいつだって開く──小沢健二が帰ってきた”. 以文社 (2019年1月5日). 2025年3月16日閲覧。
- ^ “人生の時間とその後──展覧会「クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime」に寄せて”. 以文社 (2019年10月29日). 2025年3月16日閲覧。
- ^ a b “批評と生きること――「十番目のミューズ」の未来”. 晶文社. 2025年3月16日閲覧。
- ^ “批評は生きることとどうかかわるのか? 『批評と生きること』より 片岡大右”. じんぶん堂. 朝日新聞社 (2024年1月16日). 2025年3月16日閲覧。
- ^ “「啓蒙の脱植民地化」はいかに可能か? 片岡大右×三牧聖子対談(前編)”. じんぶん堂. 朝日新聞社 (2024年4月16日). 2025年3月16日閲覧。
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