Kuwahara filterとは? わかりやすく解説

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Kuwahara filter

(桑原フィルター から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/19 01:52 UTC 版)

桑原フィルタ(Kuwahara filter)は、画像処理において適応的なノイズ除去を目的とした非線形平滑化フィルタである。画像の平滑化に一般的に用いられるフィルタの多くは線形のローパスフィルタであり、ノイズを除去する一方でエッジもぼかしてしまう。一方、桑原フィルタはエッジを保持したまま平滑化を施すことが可能である。

カラー画像に対応した修正版桑原フィルタによって、エッジをぼかすことなくノイズが効果的に除去されている。

このフィルタは日本の京都大学および大阪産業大学にて心筋の動的画像診断法の開発に従事していた博士・桑原道義にちなんで名付けられた。

桑原演算子

桑原フィルタで使用されるウィンドウ。中央の行と列の画素は複数の領域に属するため、領域間に重なりがある。

灰度画像

桑原フィルタによって生じるブロックアーティファクト。
画像の高テクスチャ領域ではブロックアーティファクトが発生し、画質に悪影響を及ぼす。これはウィンドウが正方領域に分割されていることに起因する。これに対処するため、円形ウィンドウや非矩形領域による拡張手法が提案されている。

拡張手法

桑原フィルタの成功により、エッジを強調しつつ平滑化を行う各種の拡張フィルタが提案されている。

  • P. Bakker による「一般化桑原フィルタ」は、各ウィンドウに信頼度を割り当て、信頼度が最大のウィンドウの推定値を使用することでノイズへの耐性とブロックアーティファクトの解消を実現する。
  • M.A. Schulze による「最小分散平均(MLV)フィルタ」は、すべての 領域( 個)から最小分散のものを選ぶ点で、桑原フィルタの4領域選択とは異なる。
  • K. Bartyzel による「適応的桑原フィルタ」は、局所的画像特性に応じて各領域のウィンドウサイズを動的に変更し、最適な平滑化を実現する。
  • J. E. Kyprianidis によるフィルタは、より均質な領域に高い重みを与えた局所平均の加重和を出力とする手法であり、滑らかな抽象化が可能である。

脚注

参考文献

  • Umbaugh, Scott E. (November 2011). Digital Image Processing and Analysis: Human and Computer Vision Applications with CVIPtools, Second Edition. CRC Press. ISBN 978-1-4398-0205-2 

関連項目

  • エッジ保持フィルタ

外部リンク




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