擬フェルミ準位とは? わかりやすく解説

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擬フェルミ準位

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/06 14:43 UTC 版)

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擬フェルミ準位(quasi Fermi level、fermiを逆読みしたimrefとも呼ばれる)は量子力学とくに固体物理学において、電子の集団が平衡状態からずれた際の伝導帯価電子帯におけるその集団を別々に記述するフェルミ準位(電子の化学ポテンシャル)に対する用語である。この変位は外部電圧の印加、伝導帯および価電子帯の電子の集団を変化させるエネルギー

順方向バイアスモードにおけるPN接合の動作は空乏層幅の現象を示す。p接合とn接合の両方が1e15/cm3のドーピングレベルでドープされ、約0.59Vのビルトインポテンシャルが得られる。n領域とp領域(赤い曲線)の伝導帯と価電子帯の擬フェルミ準位が観察できる。

応用

この単純化は多くの分野で助けとなる。例えば、熱平衡で使われる電子・正孔密度については同じ方程式を使うことができるが、擬フェルミ準位および温度で代用することができる。すなわち、 を伝導帯電子の空間密度、 を試料中の正孔の空間密度とすると、ボルツマン近似が成り立つ場合、すなわち、電子密度および正孔密度があまり高くないと仮定すると、

ここで、 はフェルミ準位がである場合に熱平衡状態で存在するであろう伝導帯電子の空間密度、 はフェルミ準位がである場合に熱平衡状態で存在するであろう正孔密度である。

フェルミまたは擬フェルミ準位にばらつきがある場合のみ電流(ドリフトと拡散の組み合わさった効果による)が現れる。電子流の電流密度は電子擬フェルミ準位の勾配に比例することが示される。 を電子移動度 を空間点  の擬フェルミエネルギーとすると以下のようになる。

 正孔についても同様であり

参考文献

Nelson, Jenny. The Physics of Solar Cells. Imperial College Press, 2003.




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