係船浮標とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 交通 > 船舶 > 浮標 > 係船浮標の意味・解説 

けいせん‐ふひょう〔‐フヘウ〕【係船浮標】

読み方:けいせんふひょう

船舶係留するために港湾内に設けられ浮標


係船浮標

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/02 03:24 UTC 版)

係船浮標

係船浮標(けいせんふひょう、: Mooring Buoy)とは、港湾の水域において船舶が停泊するために設けられる係留施設浮標)で、これにロープなどをかけることで船舶を固定させる[1]。この方式で停泊することを「浮標係留」という(対して船舶が港湾内の泊地に停泊する際を用いて船舶を固定することを「錨泊」と呼ぶ)。

港湾の都合によっては岸壁に着岸(係岸)せず、沖に設置された係船浮標に船舶を繋いで停泊する場合もある。

構造

全体図 ※地鎖や錨が無い形態のもの

係船浮標は、浮標部分に金属製の環が取り付けられている。これを係船環といい、船舶から伸びてきた鎖・ロープを接続するための部品である。

浮標下部からは鎖が垂直方向に伸びている。浮標から直接伸びている鎖を浮体鎖(メインチェーン)といい、浮体鎖の先から伸びている鎖を沈錘鎖(シンカーチェーン)という。浮標が風浪で動き回らないよう、浮体鎖は短くなっており、その下の沈錘鎖は水深に合わせた長さを持っている。 沈錘鎖の先端には沈錘(重し、シンカー)が取り付けられている。

浮体鎖の先からは、沈錘鎖の他に地鎖(グラウンドチェーン)が数本伸びており、地鎖の先端には錨(アンカー)もしくはスクリュー錘が取り付けられている。地鎖は長めのものが取り付けられ、幾分か水底をはっている。そしてその先端の錨やスクリュー錘によって浮標を固定している。

係留方法

大型船を係留する様子

係船浮標への係留を行うには、船舶の錨鎖を途中で切り離して浮標の係船環に接続する方法と、錨鎖の代わりにロープを用いる方法とがある。

また、浮標を用いた係船には2種類ある。船首だけを浮標に接続する単浮標泊(または単係留)は、浮標にかかる力は小さくてすむが、風浪によって船舶が振れ回るため、広い水域が必要である。船首・船尾を浮標に接続する双浮標泊(または前後係留)は、船舶を固定でき停泊のための水域が狭くても十分である反面、横風や横潮を受けたときに浮標へかかる力が大きくなるという欠点がある。

脚注

  1. ^ 港湾技研資料”. 運輸省. 2023年2月22日閲覧。

関連項目

参考文献

  • 小林義久監修・池田宗雄著、『港湾知識のABC』、成山堂書店、1994年、ISBN 4425391241

「係船浮標」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



係船浮標と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「係船浮標」の関連用語

係船浮標のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



係船浮標のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの係船浮標 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS