人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/12 07:54 UTC 版)
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人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律 | |
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![]() 日本の法令 |
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効力 | 現行法 |
成立 | 2025年5月28日 |
主な内容 | 人工知能 (AI) の研究・活用推進 |
条文リンク | 人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律 - e-Gov法令検索 |
人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律 (じんこうちのうかんれんぎじゅつのけんきゅうかいはつおよびかつようのすいしんにかんするほうりつ) とは、2025年5月28日に成立した法律[1][2]。人工知能 (AI) の開発促進や規制に関して日本が初めて整備した国内法である[1][3]。
なお、本法は「AI法」「AI推進法」「AI関連技術の研究開発・活用推進法」「人工知能技術研究・活用推進法」などと表記されることもある[1][3][4][5]。
内容
AIの開発促進と安全確保の両立をめざす法律[1]。全閣僚で構成される「AI戦略本部」の新設と、研究開発・活用の推進に向けた基本計画の策定を定める[3]。一方で、AIが国民の権利や利益を侵害する重大事案が起きた場合に、国が開発事業者らを調査できるようにする[5]。また、衆議院、参議院ともに、AIで生成したディープフェイクポルノへの対策強化などを求める付帯決議がついた[5]。
評価
村井七緒子は2025年5月29日の『朝日新聞』上で、本法について「罰則のないAI法の実効性に対する国民の懸念を払拭し、開発や利用を広げられるかが課題となる」と指摘している[5]。また、定塚遼も2025年7月14日の同紙上で「AI法が成立し、ディープフェイクポルノへの対策を求める付帯決議も入った。だが、罰則規定はない。結局、AIを想定していない現行法で対応せざるを得ず、法の専門家からは、実効性を疑問視する声も上がる」と指摘した[6]。
施行
2025年9月1日、全面施行[7]。これに基づき、政府は同月12日、AIの開発や活用方針を議論する「AI戦略本部」(本部長:石破茂総理大臣)の初会合を開き、「信頼できる国産AI」の開発支援や規制見直しなどを盛り込んだ「AI基本計画」の骨子を提示した[7]。
脚注
- ^ a b c d 「AI技術の開発・活用を推進、悪用事業者は国に調査権 初の法整備」『日本経済新聞』2025年5月25日。
- ^ “人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律案が参議院で可決、成立”. カレントアウェアネス・ポータル (2025年5月30日). 2025年8月25日閲覧。
- ^ a b c “「AI法案」が参院本会議で可決・成立へ…生成AI開発やリスク管理に関する法整備は初めて”. 読売新聞オンライン (2025年5月28日). 2025年8月25日閲覧。
- ^ ““AI推進法”成立 参院本会議で可決”. ITmedia AI+. 2025年8月25日閲覧。
- ^ a b c d 村井七緒子「AI法、成立 罰則なく残る懸念」『朝日新聞』2025年5月29日、朝刊。
- ^ 定塚遼「(取材考記)AI競争の裏 フェイクポルノ、進まぬ規制 定塚遼」『朝日新聞』2025年7月14日、夕刊。
- ^ a b Inc, Nikkei (2025年9月12日). “国産AI開発支援、年内に基本計画策定へ 政府本部が初会合開催”. 日本経済新聞. 2025年9月12日閲覧。
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