交響曲第3番 (グラス)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2021/12/05 15:14 UTC 版)
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交響曲第3番は、アメリカの作曲家フィリップ・グラスが1995年に作曲した弦楽合奏のための交響曲である。
作曲の経緯と初演
作品はヴュルト財団からの委嘱によって制作され、その際にシュトゥットガルト室内管弦楽団の弦楽セクションの19人の奏者をそれぞれソリストとして扱うよう課題が課せられた[1]。特に第3楽章では、ほぼすべての奏者にそれぞれのラインが与えられ、ヴァイオリン・セクションのメンバーが順番に主旋律を演奏しているのが特徴である。
作品は1995年2月5日、デニス・ラッセル・デイヴィスの指揮により、ドイツのキュンツェルスアウで初演された。
編成
楽曲構成
交響曲は全4楽章からなる。演奏時間は約25分。
第1楽章は、最初はCsの脈動に基づいているが、やがて対照的な音階へと変化していく。この楽章は作曲者の初期の弦楽四重奏曲を彷彿とさせるソフトで簡潔なもので、より速く、より活発な第2楽章への前奏曲として機能している。
第2楽章では、突然のメタリックな変化を繰り返しながら進行し、ピチカートの対位法を用いた新しい終結テーマに移行するところで終わる。
第3楽章は作品の核となる部分で、チェロとヴィオラの中低音で始まる暗くてゆっくりとしたシャコンヌの形をしており、他のオーケストラが繰り返しこのパターンに加わることで、層状の効果が得られる。その後、ソロ・ヴァイオリンが、蓄積されたリズム組織の上に、高らかなカンタービレの旋律を導入します。旋律は繰り返しごとにヴァイオリン・セクションの別のメンバーに渡され、他の楽器が基礎構造を構築し続ける。旋律はやがて、他のヴァイオリン・セクションのコントラプンクト・フィリグリーやトリルの下に潜り込み、テクスチャーの中にほとんど消えてしまう。
エネルギッシュな第4楽章は、第2楽章の終わりの素材を再現・発展させたもので、短い半音の動きが交差する爽やかな和音が特徴的である。楽章が進むにつれて、この半音の連なりが支配的になり、それまでの和音の連なりに代わって、楽章は最後のテーマへと導かれていく。
脚注
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