ロバート・リストン
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ロバート・リストン(Robert Liston、1794年10月28日 - 1847年12月7日)は、スコットランドの外科医である。当時その技術で有名であった。アメリカ合衆国で行われたエーテルを使った手術の情報を受けて、1846年12月21日にロンドンでエーテル麻酔を使って公開で、足の切断手術を行ったことなどで知られる[1]。ヨーロッパで最初の麻酔を使った外科手術であった。
経歴
父親は長老教会の牧師で発明家でもあったヘンリー・リストンの息子として、エディンバラの西に位置するウェスト・ロージアンのエクレスマチャンに生まれた。彼の祖父ロバート・リストンもまた、スコットランド国教会総会の務めた。
エディンバラ大学で医者の資格を得て、エディンバラの王立診療所で外科医となった。1835年からユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの附属病院の臨床外科の教授となった。すばやい手術で有名であった[2]。1841年に王立協会フェローに選ばれた。
1846年10月16日にアメリカのボストンでウィリアム・T・G・モートンによって麻酔を施され、ウォーレンが執刀した公開手術の成功を受けて、12月21日にエーテルによる全身麻酔による足の切断手術を行った[1]。エーテルによる無痛手術は翌年の1月にはフランスでジョセフ=フランソワ・マルゲーニュが手術に成功するなどヨーロッパ各地に広まった[3]。
手術器具の改良
リストンの名前は外科用のリストン骨剪刀に残されている。1847年には、捻転、反転復元用のピンセットの改良をおこなった[4]。
脚注・参考文献
脚注
- ^ a b エリザベス・ベニヨン『西洋医療器具文化史 上』1982年、63頁 。
- ^ “「誤って患者の睾丸やアシスタントの指を切り落とした」一度の手術で3人の命を奪った有名外科医が、それでも人気だったワケ――医療の世界史”. 文春オンライン. 文藝春秋 (2023年9月5日). 2023年9月5日閲覧。
- ^ 『近代医学のあけぼの』トールヴァルド著、小川道雄訳 へるす出版(2007年)
- ^ エリザベス・ベニヨン『西洋医療器具文化史 上』1982年、82頁 。
参考文献
- エリザベス・ベニヨン 著、児玉博英 訳『西洋医療器具文化史 上』東京書房社、1982年 。
- ユールゲン・ソールワルド 著、塩月正雄 訳『外科の夜明け』東京メディカル・センター出版部、1966年 。
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