レーザートラッカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/19 01:49 UTC 版)
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レーザートラッカー(英: Laser_tracker(英語版))は、レーザーを応用した、3Dの寸法測定器である[1]。
アメリカやヨーロッパで、航空機や大型構造物の精密寸法計測を目的として、開発発展してきた。
主要な計測項目として、測定範囲が測定器を中心に50mくらいまで、測定精度は測定器からの距離に比例して落ちるが、0.01mm程度となる。
歴史
最初のレーザートラッカーは、1987年に API (Automated Precision, Inc.) の CEO である Dr. Kam Lau によって NIST[2]で発明された。 そして、1988年にAPI Metrology[3]によって商業的に利用可能になり、最初の生産ユニットは9か月のリース契約の下でBoeingに提供された。 テネシー工科大学は、1989年に "API 6-D" レーザートラッカーを受け取った。 その後、1991年に API との技術契約に基づき、Kern によって計測器が製造された。 2020年代に於いて、レーザートラッカーの有名なメーカーは3社(FARO、API、ライカ)有る。
日本においては、1974年に石井優と長田正が「レーザトラッカーによる三次元物体の特徴抽出」という論文を発表した[4]。この論文は、「計測自動制御学会論文集,第10巻5号,pp.599-605, 1974」に掲載され、レーザを利用した3D測定の基礎を築いたとされている[4]。実験では、5種類のブロックを用いた特徴抽出を行っており、現代のレーザトラッカー技術の前段階を示す重要な情報である[5]。
動作原理
レーザトラッカーは対象物に接触させたターゲット(リフレクターなど)にレーザ光を照射し、反射光を追跡する[6]。発光部と受光部が反射光を追いながら動くため「トラッカー」と呼ばれ、三次元座標を演算ソフトに転送し、寸法値や幾何公差を算出する[6]。
応用例
レーザトラッカーは航空機の組立、大型機械の検査、自動車製造、重機械生産などに使用される[7]。また、ロボット工学では、手先システム(hand-eye system[8]、Hand–eye_calibration_problem(英語版))での並列操作や視覚フィードバックに活用されている(1976年測定自動制御学会論文賞受賞)[4][7][8]。
脚注
- ^ “Bob Bridges."How Laser Trackers Work"”. Quality Digest (2009年6月25日). 2022年11月14日閲覧。
- ^ “National Institute of Standards and Technology” (2010年6月4日). 2022年11月14日閲覧。
- ^ API Metrology
- ^ a b c “レーザトラッカーによる3次元物体の特徴抽出”. ロボ学(RSJ). 2025年7月18日閲覧。
- ^ 石井優、長田正「レーザトラッカーによる3次元物体の特徴抽出」『J-STAGE』。2025年7月18日閲覧。
- ^ a b “CHAPTER 3測定機の種類と特徴 レーザートラッカー”. 測定器ナビ(キーエンス). 2025年7月18日閲覧。
- ^ a b “レーザートラッカーとは?仕組みやメリット・測定の種類などを徹底解説”. ヤマイチテクノ (2023年5月4日). 2025年7月18日閲覧。
- ^ a b 石井 優, 長田 正, 三上 芳夫「Hand Eyeシステムの研究」『J-STAGE』。2025年7月18日閲覧。
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