レ・ディ・ポルトガッロ (装甲艦)とは? わかりやすく解説

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レ・ディ・ポルトガッロ (装甲艦)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/13 14:22 UTC 版)

リッサ島攻撃に向かう前の頃の「レ・ディ・ポルトガッロ」、右側に見えるのは蒸気フリゲイト「パルテノーペ」[1]

レ・ディ・ポルトガッロ (Re di Portogallo) はイタリア海軍の舷側砲門艦[2]。一等装甲スクリュー・フリゲイト[1]レ・ディタリア級。艦名のポルトガル王とはルイス1世のことである[3]

1861年、ニューヨークウィリアム・ウェッブ造船所に発注[4]。同年12月起工[1]。1863年8月29日進水[1]。1864年3月12日就役[1]。または1864年8月23日竣工[2]

常備排水量5610トン、満載排水量6082トン、全長326フィート9と1/2インチ (99.61m)、垂線間長275フィート (83.82m)、幅55フィート (16.76m)[2]。または常備排水量5700トン、満載排水量6180トン、全長99.6m、垂線間長84.3m、幅16.6m、吃水6.7m[1]。蒸気往復動機関1基、角缶4基搭載[5]、1軸推進で速力10.6から10.8ノット[2]。船体は木製で、舷側の装甲は厚さ120mm[1]、または最大4フィート4と3/4インチ[2]。帆装は三檣バーク[1]衝角を有する[5]

兵装は10インチ砲2門と164mm砲26門[2]。または250mm施条砲2門、164mm32ポンド施条砲32門[4]。もしくは252mm施条砲2門、164mm施条砲28門[1]

1866年6月20日、イタリアはオーストリアに宣戦布告し第3次イタリア独立戦争が始まる。7月16日、ペルサーノ提督率いるイタリア艦隊はアンコーナからリッサ島へ向け出撃した[6]。7月18日、艦隊はリッサ島に到着し、攻撃を開始[7]。「レ・ディ・ポルトガッロ」は「レ・ディタリア」などとともにPort San Giorgioを攻撃した[8]

7月20日、オーストリア艦隊が現れ、リッサ海戦が生起する。通報艦「Esploratore」が不審な船群発見を報告してきたとき「レ・ディ・ポルトガッロ」は機関に問題が起きていたが、修理を行い戦列に加わった[9]。「レ・ディ・ポルトガッロ」はオーストリアの非装甲艦部隊と交戦[10]。小型の「Elisabeth」と「Friedrich」を攻撃した「レ・ディ・ポルトガッロ」に対し、両艦を救うべくオーストリア戦列艦「Kaiser」が突入したが、衝突による「レ・ディ・ポルトガッロ」の被害は大きくはなかった[11]。「レ・ディ・ポルトガッロ」のブルワークには「Kaiser」の船首像が突き刺さった状態で残された[12]

1870年、兵装が10インチ砲2門、8インチ砲6門、164mm砲12門[2]、または250mm砲2門、200mm砲6門、164mm砲12門となる[4]。1871年には砲術練習艦となり、兵装は8インチ砲20門、4.7インチ砲2門、80mm砲8門[2]、または200mm砲12門、120mm砲2門、80mm砲8門となった[4]

乾燥していない木材が使用されていたことで「レ・ディ・ポルトガッロ」の寿命は短いものとなった[13]。1875年3月31日に除籍され[1]、その後解体された[2]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j 『イタリア戦艦史』、11ページ
  2. ^ a b c d e f g h i Conway's All the World's Fighting Ships 1860-1905, p. 338
  3. ^ 『イタリア戦艦史』、11ページ、"Capital Ships of the Royal Italian Navy", p. 338
  4. ^ a b c d "Capital Ships of the Royal Italian Navy", p. 338
  5. ^ a b 『イタリア戦艦史』、105ページ
  6. ^ Ironclads at War, p. 223, Batlleships in Action Vol.1, p. 48
  7. ^ "Capital Ships of the Royal Italian Navy", p. 325
  8. ^ Ironclads at War, p. 225
  9. ^ Ironclads at War, pp. 227-230, Ironclads in Action, p. 232
  10. ^ Ironclads in Action, p. 238
  11. ^ Ironclads in Action, pp. 238-239
  12. ^ Ironclads in Action, p. 239
  13. ^ Conway's All the World's Fighting Ships 1860-1905, p. 338, "Capital Ships of the Royal Italian Navy", p. 338

参考文献

  • 『イタリア戦艦史』世界の艦船1994年8月号増刊、増刊第41集、海人社、1994年
  • Conway's All the World's Fighting Ships 1860-1905, Conway Maritime Press. 1979, ISBN 0-8317-0302-4
  • Aldo F. Ordovini, Fulvio Petronio, David M. Sullivan, "Capital Ships of the Royal Italian Navy, 1860-1918: Part I: The "Formidabile, Principe di Carignano, Re d'Italia, Regina Maria Pia, Affondatore, Roma", and "Principe Amedeo" Classes", Warship International, Vol. 51, No. 4, 2014, pp. 323-360
  • Jack Greene, Alessandro Massignani, Ironclads at War: The Origin and Development of the Armored Warship, 1854-1891, Combined Publishing, 1998, ISBN 0-938289-58-6
  • H. W. Wilson, Batlleships in Action Vol.1, Ryerson Press, 1926
  • H. W. Wilson, Ironclads in Action: A Sketch of Naval Warfare from 1855 to 1895 vol. 1 Fifth Edition, Sampson Low, Marston and Company, 1897



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