リフレクション (計算機科学)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > リフレクション (計算機科学)の意味・解説 

自己反映計算 (計算機科学)

(リフレクション (計算機科学) から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/28 00:51 UTC 版)

計算機科学における自己反映計算(reflection、リフレクション)とは、計算機システムにおいて対象レベルとメタレベルを分離し、データとしてシステム自身を因果結合 (causally connect) することで対象レベルの推論や計算に関するメタな情報を、メタレベルで明示的に記述して操作することをいう。因果結合を実現する方法は複数存在する。

概要

計算機システムの一般論

一般に計算機システムにおいて、なにかしら意味を持つ計算はその計算の対象というべき問題領域を持つ。計算に係るデータや手続き、オブジェクトとはその問題領域における具体的・概念的実体を表現したものであり、計算機システムの本質とはそれらデータなどで表現した問題領域における実体の振る舞いをシミュレートすることにある。

自己反映計算の実現方法

自己反映計算の実現方法には少なくとも直接法、間接法[1]と呼ばれる2つの方法が知られている。

直接法

直接法とは、言語 L のインタプリタを言語 L で記述する メタサーキュラー (meta-circular) と呼ばれる言語の実装方法を応用するもので、言語 L のデータオブジェクトとして言語 L 自身を構成することで実現される。

このとき、データオブジェクトとしての言語 L は対象レベル、データオブジェクトを記述している言語 L はその対象レベルに対するメタレベルと見立てられる。

このデータオブジェクトである言語 L に環境 (environment) と継続 (continuation) を渡すことで因果結合が成され、メタレベルの情報を反映したデータオブジェクトとなる。一般的には、インタプリタの状態はその時点における環境およびその時点以降のプログラム(継続)によって決定される。自己反映計算は、この情報反映されたデータオブジェクトについての情報取得および操作を行うことで実現される。

なお、この対象とメタレベルの見立てはデータオブジェクトとしての言語 L 内部でも同様に実行することができ、この見立てを無限に繰り返した言語 L の無限の階層はリフレクティブタワー (reflective tower) と呼ばれる。

関連項目

脚注

  1. ^ ここでは、(栗原ら(1994)) の分類による。
  2. ^ 山岡(2001), p. 50-54.

参考文献


「リフレクション (計算機科学)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「リフレクション (計算機科学)」の関連用語

リフレクション (計算機科学)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



リフレクション (計算機科学)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの自己反映計算 (計算機科学) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS