ミドルグロン洋上風力発電
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/05/08 08:33 UTC 版)
ミドルグロン洋上風力発電所(デンマーク語:Middelgrundens Vindmøllepark、英語:Middelgrunden offshore wind park)は、デンマークの首都コペンハーゲンから3.5km沖合いのエーレスンド海峡(デンマーク語:Øresund)にある。1基あたり2MWの風力発電タービンを20基持ち、その最大出力40MW、建設された2000年当時において、世界最大の洋上風力発電であった。同発電所は、コペンハーゲンの総電力の4%を供給する。
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沿革
1996年、ミドルグロンがデンマークにおける潜在的な箇所として海洋風力アクションプラン上に記載されたことで、建設プロジェクトがコペンハーゲン環境エネルギー事務所(Copenhagen Environment and Energy Office(以下:CEEO))によって主導された。地元住民は、CEEOとともに「ミドルグロン風力タービン事業体」を組成し、地元の電力会社であるコペンハーゲン・エネルギーと共同して会社を設立した。当初、建設予定地に対する反対がデンマーク自然保護協会によってなされたが、後に撤回されている。
民間の関与
本プロジェクトは、地域風力発電の典型な例である。権益の50%がミドルグロン風力タービン事業体の10,000人の投資者によって保有され、残りの50%が公的企業によって保有されている。投資されたデンマーク資本から、風力発電がデンマークにおける重要なものとされていることが、明確に見て取れる。
特徴
- 風力タービンが弧を描いて並べられているが、これは景観を考慮し、コペンハーゲンの港湾のカーブに沿って設置したもの。
- 建設地は浅瀬で、かつ廃棄物を投棄する場所であったため、原則として航路とならないエリアになっている。
- 最も近い陸地は、火力発電所・工場等のある工業地帯であることから、景観上の問題はないとされている。
- 火力発電所に近いことで、系統電源への接続に必要なコストが抑制できたことも、本プロジェクトの成功要因である。
- 風力発電によって得た電力は、環境税制等を財源とした資金によって売電することができ、優遇価格によって事業採算性が取れている。
出典
- “Environmental Capital of Europe”. Copenhagen, Environmental Capital of Europe. 2007年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年1月5日閲覧。
- Hans Christian Sørensen, Lars Kjeld Hansen, Jens H. Mølgaard Larsen (2002年). “Middelgrunden 40 MW offshore wind farm Denmark: Lessons Learned (PDF)”. SPOK Consult. 2007年6月21日閲覧。
関連
外部リンク
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