マールデーヴとは? わかりやすく解説

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マールデーヴ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/27 22:52 UTC 版)

マールデーヴ
Maldev
マールワール王
マールデーヴ
在位 1532年 - 1562年
戴冠 1532年
別号 マハーラージャ
出生 1511年5月9日
ジョードプル
死去 1562年11月7日
ジョードプルメヘラーンガル城
子女 ウダイ・シング
チャンドラセーン
王朝 ラートール朝
父親 ガーンガー
宗教 ヒンドゥー教
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マールデーヴ(Maldev, 1511年5月9日 - 1562年11月7日)は、北インドラージャスターン地方マールワール王国の君主(在位:1532年 - 1562年)。マールデーオ(Maldeo)、マール・デーオ(Mal Deo)とも呼ばれる。

生涯

マールデーヴ

1511年5月9日マールワール王国の君主ガーンガーの息子として誕生した[1]

1532年5月9日、父ガーンガーが死亡したことにより、マールデーヴが王位を継承した[2]

マールデーヴは王となると、西部及び北部ラージャスターン地方を王国の版図として、急速に支配下に入れた[3]。また、1530年代にムガル帝国の皇帝フマーユーンスール族の指導者シェール・ハーンと戦っているときも、さらに領土を拡大し続け、アジュメールをも征服した[4]

このマールデーヴの領土拡大政策は周辺の他国とも戦争を引き起こし、メーワール王国ビーカーネール王国などとの争いに発展した。だが、その勢いは止まらず、ビーカーネール王国の君主を戦いで殺害した[5]。 マールデーヴはラージャスターンを中心に中央集権化された大帝国の建設を試みていた[6]。マールデーヴの軍勢は実に5万人だったとされる[7]

そして、1539年にシェール・シャーがスール朝を創始し、1540年に皇帝フマーユーンを北インドから放逐すると、彼はマールデーヴを脅威と見なした[8]。また、殺害されたビーカーネール王の息子カリヤーン・ダースとビーム、マールデーヴによって放逐された親族ビーラム・デーヴといった敵対者がシェール・シャーの宮廷に赴いていたことも、マールデーヴにとっては見過ごしがたかった[9]。それはおよそ10年前のバーブルサングラーム・シングとの対立にも似ていた[10]

こうして、マールワール王国とスール朝の争いは避けられなくなった。だが、マールデーヴはデリーとアーグラを狙ってはいなかったともされる。彼らの争いは主として、戦略的に重要なラージャスターン東部の支配をめぐるものであった[11]

1544年、マールデーヴとシェール・シャーはアジュメールとジョードプルの間、サンメールで衝突した(サンメールの戦い)。だが、シェール・シャーの巧みな策略により、マールデーヴの軍勢に疑心暗鬼が生じた[12]。一か月後、マールデーヴは退却し、残った1万の軍勢がシェール・シャーの軍勢に相手したが撃破され、敗北した[13]

その後、敗北したマールデーヴはジョードプルに戻ったが、そこも包囲され、砂漠をさまよったのち、結局メーワール王国へと逃げた[14]。だが、メーワール王に対抗する力もなく、チットールガル城の鍵をシェール・シャーへと送った[15]

1562年11月7日、マールデーヴはジョードプルで死亡した[16]。その死後、マールデーヴの寵愛した妃の息子チャンドラセーンが王位を継承した[17]

脚注

  1. ^ Jodhpur 4
  2. ^ Jodhpur 4
  3. ^ チャンドラ『中世インドの歴史』、p.227
  4. ^ チャンドラ『中世インドの歴史』、p.227
  5. ^ チャンドラ『中世インドの歴史』、p.227
  6. ^ チャンドラ『中世インドの歴史』、p.227
  7. ^ チャンドラ『中世インドの歴史』、p.227
  8. ^ チャンドラ『中世インドの歴史』、p.227
  9. ^ チャンドラ『中世インドの歴史』、p.227
  10. ^ チャンドラ『中世インドの歴史』、p.227
  11. ^ チャンドラ『中世インドの歴史』、pp.227-228
  12. ^ チャンドラ『中世インドの歴史』、p.228
  13. ^ チャンドラ『中世インドの歴史』、p.228
  14. ^ チャンドラ『中世インドの歴史』、p.228
  15. ^ チャンドラ『中世インドの歴史』、p.228
  16. ^ Jodhpur 4
  17. ^ チャンドラ『中世インドの歴史』、p.255

参考文献

  • サティーシュ・チャンドラ; 小名康之、長島弘訳 『中世インドの歴史』 山川出版社、2001年 

関連項目

Template:マールワール王国の君主




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