マディソン・カニングハムとは? わかりやすく解説

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マディソン・カニングハム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/06 01:27 UTC 版)

マディソン・カニングハム
Madison Cunningham
演奏中のカニングハム、2017年
基本情報
生誕 (1996-10-14) 1996年10月14日(28歳)
アメリカ合衆国カリフォルニア州エスコンディード[1]
出身地 アメリカ合衆国カリフォルニア州コスタメサ
ジャンル
職業
  • シンガー・ソングライター
  • ギタリスト
担当楽器
  • ヴォーカル
  • ギター
  • ピアノ
活動期間 2014年 - 現在
レーベル ヴァーヴ・フォアキャスト
配偶者 オースティン・ラック (2018年結婚、2024年離婚)
公式サイト madisoncunningham.com

マディソン・カニングハム(Madison Cunningham 1996年10月14日 - )[2]はアメリカのシンガー・ソングライター、ギター奏者である。ローリング・ストーン誌はその音楽を「西海岸フォーク・ロックの新たな解釈であり、一つ屋根の下にクラシック音楽の素養とエレキギターのサウンドとジャズ流派のコードチェンジと確固としたオルタナティブ・ロック・スタイルのすべてが同居している」と形容している[3]。カニングハムの2枚目のスタジオ・アルバム『フー・アー・ユー・ナウ(Who Are You Now)』(2019年)は第62回グラミー賞において、最優秀アメリカーナ・アルバムにノミネートされた[4]。3枚目のスタジオ・アルバム『リヴィーラー(Revealer)』(2022年)は2023年の第65回グラミー賞英語版において最優秀フォーク・アルバムを受賞した[5]

なお、ウェブ上では「カニンガム」の表記が散見されるが、実際の発音に倣えば「カニングハム」と表記する方が妥当である[1][6][7]

生い立ちとキャリア

マディソン・カニングハムはカリフォルニア州エスコンディードで生まれたあと、コスタメサに移り、そこで育った[8]。カニングハムは地元の教会の牧師の娘であり、5人姉妹の長女であった[9]。父と祖母からの影響で、7歳のときにはギターを弾き始め、教会で歌った[10]。10代後半にプロデューサーのタイラー・チェスターと知り合い、ともに自主流通のスタジオ・アルバム『オーセンティシティ(Authenticity)』(2014年)を制作した。

カニングハムは『オーセンティシティ』を2021年にストリーミングサービスから引き上げた。もはや自らとの繋がりが感じられない作品だと思われたからである[11]。カニングハムは自らの信仰について「キリスト教は私にとっていつも違った顔をして現れてくる。『日に日に増して不可知論者になっていってる』というのが夫にいつも言っている決まり文句なの。」と語っている[10]

高校を卒業後、カニングハムはビートルズジョニ・ミッチェルボブ・ディランなど多くのミュージシャンから影響を受けた[7]。他に影響を受けたのはレディオヘッドフィオナ・アップルフアナ・モリーナジェフ・バックリィなどである[12][10]

2017年、カニングハムはクリス・シーリが司会する、アメリカン・パブリック・メディアのショー「ライヴ・フロム・ヒア」の出演者となった。シーリとはその後もしばしばコラボすることになった[12]。またマルチ楽器奏者アンドルー・バードの12枚目のソロ・スタジオ・アルバム『マイ・ファイネスト・ワーク・イェット(My Finest Work Yet)』(2019年)にヴォーカリストとしてクレジットされて、バードとともにツアーも行なった。

2019年8月16日にリリースされた『フー・アー・ユー・ナウ』はその翌年、グラミー賞の最優秀アメリカーナ・アルバムにノミネートされた[4]。2020年、カニングハムは3枚目のEPウェンズデイ(Wednesday)』をリリースした。同EPはトム・ウェイツ、レディオヘッド、ジョン・メイヤーおよびビートルズの楽曲をカバーしている。カニングハムは現在ロサンゼルスを拠点として活動している[9]

2022年8月3日にカニングハムはNPRのタイニー・デスク・コンサートに出演し、リリース直前のスタジオ・アルバム『リヴィーラー』から4曲を披露した。NPRミュージックの寄稿者ジューリー・ハイトはマディソンについて「大胆な道先案内人であり、4曲の間に持ち替えた3本のギターによって演奏された手練れのギターパートによって我々を探求の旅へと導いた」と述べている[13]

2022年9月9日、カニングハムは3枚目のスタジオ・アルバム『リヴィーラー』をリリースした。コンシクウェンス誌の編集コーディネーター、パオロ・ラグーザは同アルバムについて「『リヴィーラー』のどの曲をとっても、カニングハムは自身の聴衆を満足させると同時に驚嘆させることができることを証明している。そして2022年において今のところリリースされたうちで最も愉悦に満ちたアルバムの一つである。」と書いている[14]

2024年10月18日に、カニングハムとアンドルー・バードは新たなスタジオ・アルバム『カニングハム・バード(Cunningham Bird)』をリリースした。アルバム『バッキンガム・ニックス』(1973年)をまるごとカバーしているのを特色としている。後者のアルバムはアメリカのロック・ギタリスト、リンジー・バッキンガムと歌手のスティーヴィー・ニックスのデュオによる唯一のスタジオ・アルバムであり、2人はその後フリートウッド・マックのメンバーとなった[15]

ディスコグラフィー

ウィネッカ音楽フェスティバルで演奏中のカニングハム、2023年
英国マンチェスターのデフ・インスティテュートで演奏中のカニングハム、2022年

スタジオ・アルバム

  • オーセンティシティ』(2014年)
  • フー・アー・ユー・ナウ』(2019年)
  • リヴィーラー』(2022年)
  • カニングハム・バード』(2024年)、アンドルー・バードとの共演

EP

  • ラヴ、ルーズ、リメンバー(Love, Lose, Remember)』 (2017年)
  • フォー・ザ・セイク・オブ・ザ・ライム(For the Sake of the Rhyme)』(2019年)
  • ウェンズデイ』 (2020年)

シングル

マディソン・カニングハム・シングル・ディスコグラフィー
タイトル 収録盤
2018 Beauty into Clichés フォー・ザ・セイク・オブ・ザ・ライム
All at Once
Last Boat to Freedom
Last Boat to Freedom (ピアノ・バージョン) アルバム未収録シングル
All at Once (ソロ・バージョン)
Location フォー・ザ・セイク・オブ・ザ・ライム
Location (ソロ・バージョン) アルバム未収録シングル
2019 Pin It Down フー・アー・ユー・ナウ
Something to Believe In
Trouble Found Me
2020 No One Else to Blame アルバム未収録シングル
Giraffe
Coming Back
イン・マイ・ライフ ウェンズデイ
ノー・サプライゼズ
The Age of Worry
2021 Broken Harvest アルバム未収録シングル
Song in My Head (reimagined)
Plain Letters (reimagined)
Poses ウェンズデイ (エクスパンデッド・エディション)
2022 Anywhere リヴィーラー
Hospital
In from Japan
Life According to Raechel
2023 Hospital (One Man Down) (feat. レミー・ウルフ) リヴィーラー (デラックス・エディション)
Inventing the Wheel
Live in Studio アルバム未収録シングル
Subtitles

受賞とノミネート

団体 作品 結果
2020 グラミー賞[4] 最優秀アメリカーナ・アルバム フー・アー・ユー・ナウ ノミネート
2022 グラミー賞[16] 最優秀フォーク・アルバム ウェンズデイ(エクステンデッド・バージョン) ノミネート
2023 グラミー賞[17] リヴィーラー 受賞
最優秀アメリカン・ルーツ・パフォーマンス Life According to Raechel ノミネート
2024 グラミー賞[18] Inventing The Wheel ノミネート

脚注

  1. ^ a b Episode 29: Madison Cunningham” (2020年4月27日). 2025年5月16日閲覧。
  2. ^ Mini Masterclass Featuring: Madison Cunningham”. YouTube (2020年4月27日). 2020年4月27日閲覧。
  3. ^ Beaugez, Jim; McKenna, Brittney; Gage, Jeff; Moss, Marissa R.; Menconi, David; Crawford, Robert; Parton, Chris (2018-07-25). “10 New Country Artists You Need to Know: July 2018” (英語). Rolling Stone. https://www.rollingstone.com/music/music-country/10-new-country-artists-you-need-to-know-july-2018-703148/ 2020年4月13日閲覧。. 
  4. ^ a b c Winners & Nominees” (英語). GRAMMY.com. 2020年4月13日閲覧。
  5. ^ 2022 GRAMMYs Awards: Complete Nominations List” (英語). GRAMMY.com (2021年11月23日). 2021年11月26日閲覧。
  6. ^ Madison Cunningham - Anywhere”. YouTube. 2025年5月19日閲覧。
  7. ^ a b Eric Krasno (3 May 2021). "Madison Cunningham". Plus One (Podcast). 2021年5月3日閲覧
  8. ^ Inside the Musician's Brain: Episode 29: Madison Cunningham on Apple Podcasts” (英語). Apple Podcasts. 2022年6月15日閲覧。
  9. ^ a b Madison Cunningham ‒ Biography & History”. AllMusic. 2020年4月13日閲覧。
  10. ^ a b c Scherman, Tony (2022年9月9日). “Madison Cunningham Interview: "To Feel Irreplaceable"”. Tidal. 2023年11月17日閲覧。
  11. ^ SINGING TO YOURSELF: AN INTERVIEW WITH MADISON CUNNINGHAM”. Atwood Magazine (2019年8月27日). 2022年7月8日閲覧。
  12. ^ a b Borders, Lindsey (2019年8月21日). “Madison Cunningham talks about falling in love with guitar, her latest album 'Who Are You Now,' collaborating with the Punch Brothers, and heading out on the road”. Guitar Girl Magazine. 2020年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月4日閲覧。
  13. ^ Hight, Jewly (2022年8月3日). “Madison Cunningham: Tiny Desk Concert” (英語). NPR. https://www.npr.org/2022/08/03/1113524273/madison-cunningham-tiny-desk-concert 2022年10月19日閲覧。 
  14. ^ Ragusa, Paolo (2022年9月7日). “No One Is Holding Madison Cunningham Back” (英語). Consequence. 2022年10月19日閲覧。
  15. ^ Cunningham Bird, by Andrew Bird” (英語). Andrew Bird. 2024年11月1日閲覧。
  16. ^ Grammys 2022 Nominees: See the Full List Here” (英語). Pitchfork (2021年11月23日). 2022年11月15日閲覧。
  17. ^ Grammy Nominations 2023: See the Full List Here” (英語). Pitchfork (2022年11月15日). 2022年11月15日閲覧。
  18. ^ 2024 GRAMMYs: Meet The Nominees For Songwriter Of The Year | GRAMMY.com”. www.grammy.com. 2023年11月10日閲覧。

外部リンク




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