ピーター・ヴィーチとは? わかりやすく解説

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ピーター・ヴィーチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 10:30 UTC 版)

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ピーター・ヴィーチ

ピーター・ヴィーチ(Peter Christian Massyn Veitch、1850年2月 – 1929年)はイギリスの園芸商、ヴィーチ商会を運営したビーチ家の一族で、南太平洋、東南アジアで植物採取を行った後、エクセターで園芸ビジネスに従事した。

生涯

南アフリカの喜望峰で生まれた。父親は南アフリカで農業をしていたが、イギリスに戻り、園芸ビジネスに加わったロバート・ヴィーチである。ピーター・ビーチも叔父のジェームズ・ヴィーチの経営するビーチ商会のロンドン支社に1867年に雇われ、樹木部門の栽培係を務めた後、チェルシーの「新植物」部門に配属され、1869年までその職にあった。ドイツの育種施設やフランスの種子店で6ヶ月働いた後、チェルシーに戻った。

いとこのハリー・ヴィーチの経営するJames Veitch & Sons によってオーストラリアの顧客の訪問営業と、オーストラリアの園芸植物をイギリスに送る目的でオーストラリアに派遣され、1875年にイギリスを出発し、シドニーに渡った。その後、フィジーなどの島で植物を採集するが、最初の植物をイギリスに送る船は嵐にあい、植物は失われるが、1877年までに南洋の島の植物はイギリスに届けられた。オーストラリアの各地の入植地を訪れ、Blechnum discolorなどの珍しいシダをイギリスに送った。

1877年の初め、ニュージーランドを訪れ、クック山も訪れ、キンポウゲ科Ranunculus lyalliの種を採取し、チェルシーに送り、イギリスでの栽培に成功した。その他にもキク科のセルミシア(Celmisia)やゴマノハグサ科のヴェロニカなどニュージーランドの種をヨーロッパにもたらした。

1877年にニューギニアにニューギニアでの採集を行うが船が難破し再び、ニューギニアの採取の成果は失われた。

1877年から1878年に、フレデリック・ウィリアム・バービッジとともにボルネオのキナバル山域を探査し、珍奇な食虫植物などを採取した。その中には、1858年に植民地監督官で博物学者のヒュー・ローが発見した、パフィオペディラム・ダイアナム (Paphiopedilum dayanum)も含まれた。多くのボルネオの採取品とともにバービッジとイギリスに帰国した。

1880年から、エクセターの支社Robert Veitch & Sonsを運営する父親のもとで、ヨーロッパ各地で得た経験を生かして働き、栽培園は樹木の栽培で評価を高めた。父親の没後、1885年にエクセター栽培園の園長となった。王立デヴォンエクセター病院の理事などの公的な職務も勤めた。

1907年にモクレン属Magnolia campbelliiMagnolia denudataの交配に成功し交配種Magnolia x veitchiiをつくった。これは後に園芸名「ピーターヴィーチ」が与えられた。

1917年にイギリスの王立園芸協会 (RHS) からヴィクトリア名誉メダルを受賞した。ピーター・ヴィーチの没後、エクセターの支社の経営は娘のアンナ・ミルドレッドが引き継いだ。

参考文献

  • "Correspondence with Robert Toswill Veitch, 1823–1885". www.darwinproject.ac.uk. Retrieved 3 October 2008.
  • James Herbert Veitch (2006). Hortus Veitchii (reprint ed.). Caradoc Doy. pp. 67–69. ISBN 0-9553515-0-2.
  • "Paphiopedilum dayanum". Paphiopedilum Culture Guide. 8 December 1999.
  • "Plant of the month: March 2002 – Magnolia x veitchii ‘Peter Veitch’". www.st-andrews.ac.uk.
  • "Casualty Details – Major John Leonard Veitch". Commonwealth War Graves Commission.



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