トラディション・レコードとは? わかりやすく解説

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トラディション・レコード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/30 20:35 UTC 版)

トラディション・レコード
Tradition Records
設立 1955年 (1955)
設立者 ダイアン・ハミルトン
解散 1966年 (1966)
現況 エベレスト・レコードが買収
ジャンル フォーク・ミュージック
アメリカ合衆国
本社所在地 ニューヨーク

トラディション・レコード (Tradition Records) は、かつて1955年から1966年まで存在していた、アメリカ合衆国フォーク・ミュージック専門のレコードレーベル

このレーベルを1956年に設立し、資金的に支えていたのはグッゲンハイム家の遺産を継承したダイアン・ハミルトン英語版であった。社長として経営に当たっていたパトリック・"パディ"・クランシー英語版は、その後ほどなくして、弟たちリアム英語版トム英語版トミー・メイケム英語版とともに、クランシー・ブラザーズ&トミー・メイケム英語版という新しいアイリッシュ・フォーク・グループを結成した。リアム・クランシーは、トラディション・レコードのカエデの葉をあしらったロゴタイプをデザインした。コロンビア大学の教授であったケネス・ゴールドステイン (Kenneth Goldstein) も、もともとはニューヨークグリニッジ・ヴィレッジで始まった会社の立ち上げの動きの初期に関わりがあった[1]

クランシー・ブラザーズをはじめ、オデッタジーン・リッチー英語版などの人気がアメリカン・フォーク・ミュージック・リバイバル英語版の動きの中で高まると、レーベルは大きな利益を生み出すようになった。1961年にクランシー・ブラザーズがコロムビア・レコードと契約を結ぶと、パディ・クランシーは会社の日常業務からは離れることになった。1966年、レーベルの所有者となっていたクランシー・ブラザーズ&トミー・メイケムは、トラディション・レコードのカタログを、エベレスト・レコード英語版に売却した。エベレストは、トラディションの音源を、何の注釈もないまま、でたらめに並べ替えて再発売した。後に、ライコディスクが権利を買い入れて、一部の音源をトラディションのロゴを用いて再発売した。しかし、そのうちのいくつかは、もともとトラディションの音源ではなく、実はエベレストのカタログから抜き出されたものであった。ディジー・ガレスピーや、エロル・ガーナーコールマン・ホーキンスジミー・ウィザースプーン英語版は、トラディションでは録音を行なっていないが、彼らのアルバムの後年の再発盤は、あたかも彼らがトラディションで録音を行なっていたかのように示唆している。

トラディションのカタログの大部分は、CDやデジタル・ダウンロードで再発売されている。ジョン・ジェイコブ・ナイルズ英語版は、長い間、ほとんど忘れられた存在となっていたが、ボブ・ディランドキュメンタリー『ノー・ディレクション・ホーム (No Direction Home)』が放送されたのを機にナイルズのアルバムを求める声が殺到した。トラディションに残されていたナイルズの2枚のアルバムは、その後、再発売された。

おもなディスコグラフィ

TLPシリーズ

脚注

  1. ^ Clancy, Liam (2002). The Mountain of the Women: Memoirs of an Irish Troubadour. New York: Doubleday. pp. 143. ISBN 0-385-50204-4 

関連項目

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