ザ・レジェンダリー・A&M・セッションズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/15 18:24 UTC 版)
『ザ・レジェンダリー・A&M・セッションズ』 | ||||
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キャプテン・ビーフハート・アンド・ヒズ・マジック・バンド の コンピレーション・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
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ジャンル | ブルース・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル |
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プロデュース | デヴィッド・ゲイツ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
AllMusic Rating ![]() |
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キャプテン・ビーフハート・アンド・ヒズ・マジック・バンド アルバム 年表 | ||||
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『ザ・レジェンダリー・A&M・セッションズ』(The Legendary A&M Sessions)は、アメリカ合衆国のロック・バンドのキャプテン・ビーフハート・アンド・ヒズ・マジック・バンド[注釈 1]の5曲入りの12インチEPである。
彼等が1966年にA&Mレコードから発表したデビュー・シングル[1]と2作目のシングル[2]を中心に編集され、1984年に発表された。
解説
経緯
ドン・ヴリートは1965年の初頭にカリフォルニア州ランカスターで、旧友でR&Bのギタリストであるアレックス・スノウフェー[注釈 2]から一緒にバンドを結成しようと誘われた。その結果、ドン・ヴリート改めドン・ヴァン・ヴリート(ボーカル)、アレックス・スノウフェー改めアレックス・セント・クレア(ギター)、ダグ・ムーン[3][4][注釈 3](ギター)、ジェリー・ハンドレー[5](ベース・ギター)、P. G. ブレイクリー[6](ドラムス)が集合した。ブレイクリーは演奏技術に問題があったのでヴィック・モーテンセン[7][8][注釈 4]に交代させられて、ここにキャプテン・ビーフハート・アンド・ヒズ・マジック・バンドが結成された[9]。しかしモーテンセンがベトナム戦争に徴兵されたので、セント・クレアはリチャード・ヘプナー(ギター)を加入させて自分はドラムスを担当した[10]。
彼等は同年4月にロサンゼルスのハリウッド・パラディアムで催された第4回ハリウッド・ティーンエイジ・フェアーに出場して注目を集めて、A&Mレコードと契約を結んた[10]。翌1966年1月、ハリウッドのサンセット・サウンド・レコーダーズでプロデューサーにデヴィッド・ゲイツ[注釈 5]を迎えて、ボ・ディドリーの1956年のヒット曲「ディディ・ワ・ディディ」[注釈 6]を録音して、4月にデビュー・シングル[1]として発表。さらに同年6月にはゲイツ作の「ムーンチャイルド」を2作目のシングル[2]として発表した。
内容
本作には、デビュー・シングル『ディディ・ワ・ディディ』と2作目のシングル『ムーンチャイルド』からの4曲と、未発表曲「ヒア・アイ・アム・アイ・オールウェイズ・アム」の計5曲が収録された。
シングルB面収録曲の「フー・ドゥー・ユー・シンク・ユア・フーリング」「フライング・パン」と「ヒア・アイ・アム・アイ・オールウェイズ・アム」はヴァン・ヴリート作である。「ヒア・アイ・アム・アイ・オールウェイズ・アム」は『ムーンチャイルド』のB面収録曲として録音されたが、A&Mレコードが「フライング・パン」を選んだので、お蔵入りになった[11]。同曲を録音する直前にヘプナーが脱退したので、 セント・クレアはブレイクリーを再加入させて自分は再びギターを担当した[12]。
収録曲
12インチEP
CD
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
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1. | 「ディディ・ワ・ディディ Diddy Wah Diddy」 | Willie Dixon, Ellas McDaniel | |
2. | 「フー・ドゥー・ユー・シンク・ユア・フーリング Who Do You Think You're Fooling?」 | Don Van Vliet | |
3. | 「ムーンチャイルド Moonchild」 | David Gates | |
4. | 「フライング・パン Frying Pan」 | Van Vliet | |
5. | 「ヒア・アイ・アム・アイ・オールウエイズ・アム Here I Am I Always Am」 | Van Vliet | |
合計時間:
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参加ミュージシャン
※番号はCDのトラック・ナンバーを示す。
- ドン・ヴァン・ヴリート Don Van Vliet – ヴォーカル、ハーモニカ
- ダグ・ムーン Doug Moon – ギター
- リチャード・ヘプナー Richard Hepner – ギター
- ジェリー・ハンドレー Jerry Handley – ベース・ギター
- アレックス・セント・クレア Alex St. Clair – ドラムス (1-4)
- P. G. ブレイクリー P. G. Blakely – ドラムス (5)
脚注
注釈
- ^ 1970年にキャプテン・ビーフハート・アンド・ザ・マジック・バンドと改名。
- ^ アンテロープ・バレー・ハイ・スクールの卒業生でヴァン・ヴリートやフランク・ザッパの同級生。
- ^ 1963年にヴァン・ヴリートやフランク・ザッパと録音した音源が、ザッパの未発表音源集『ミステリー・ディスク』(1998年)に収録された。
- ^ 1964年にヴァン・ヴリートやザッパと録音した音源が、ザッパの未発表音源集『ロスト・エピソード』(1996年)と『ミステリー・ディスク』に収録された。
- ^ 1970年代にソフト・ロック・バンドとして名を馳せたブレッドのリーダーである。
- ^ Willie DixonとEllas McDanielの共作で1956年に録音された。Ellas McDanielとはディドリーの本名である。
出典
- ^ a b “Discogs”. 2025年2月23日閲覧。
- ^ a b “Discogs”. 2025年2月23日閲覧。
- ^ Ulrich (2018), pp. 355–367.
- ^ “Discogs”. 2025年3月2日閲覧。
- ^ “Discogs”. 2025年3月2日閲覧。
- ^ “Discogs”. 2025年3月2日閲覧。
- ^ Ulrich (2018), pp. 296-305、355-367.
- ^ “Discogs”. 2025年3月2日閲覧。
- ^ Barnes (2011), p. 17.
- ^ a b Barnes (2011), p. 22.
- ^ Barnes (2011), p. 26.
- ^ Barnes (2011), p. 25.
引用文献
- Barnes, Mike (2011). Captain Beefheart: The Biography. London: Omnibus Press. ISBN 978-1-78038-076-6
- Ulrich, Charles (2018). The Big Note: A Guide To The Recordings Of Frank Zappa. Vancouver: New Star. ISBN 978-1-55420-146-4
関連項目
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