ゴムロープの上のアリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/26 07:10 UTC 版)
ゴムロープの上のアリ(ゴムロープのうえのアリ、英: ant on a rubber rope)は数学パズルの一つ。その解答は一見すると直観に反したパラドックス的なものにも見える。アリがイモムシやシャクトリムシに、ゴムロープがゴム紐になっている場合もある。
細かい内容にはばらつきがあるが[1][2]、典型的には次のような問題である:
- 1匹のアリがピンと張った長さ 1km のゴムロープの上をロープに対し毎秒 1cm の速度で這い始めた。同時に、ロープ自体も毎秒 1km の速度で伸び始めた(よって1秒後には全長が 2km 、2秒後には 3km になっている)。アリはロープの端まで到達できるだろうか。
見たところ、アリは永遠に端に辿り着けないようにも思えるが、実は辿り着ける(この例では 8.9×1043421 年ほどかかる)。ロープの長さ、アリの相対速度、ロープの伸びる速度がいくらであっても(速度が一定であるならば)、アリは十分な時間をかければ必ずロープの端に到達できる。アリが這うのと同時にロープはアリの前方と後方に伸びるが、その伸長によってアリが既に歩いた距離とロープの全長との比は変わらないから、アリは継続的に前進することができる。この話はアキレスと亀とも似たところがある。

問題の定式化
上述した問題にはいくつかの前提を付け加えなければならない。それらをきちんと述べると次のようになる。
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細くて無限に伸びるゴムロープが
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