カントレル五徴症とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > カントレル五徴症の意味・解説 

カントレル五徴症

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/15 14:21 UTC 版)

Pentalogy of Cantrell
MRI in pregnancy in a case of pentalogy of Cantrell, showing ectopia cordis (*), partial herniation of the liver (arrow), and a small thoracic cavity (t)
概要
分類および外部参照情報

カントレル五徴症(カントレルごちょうしょう、英:Pentalogy of Cantrell)は非常に稀な先天性症候群であり[1]横隔膜、腹壁、心膜心臓、および胸骨下部に異常を引き起こす。

症状

カントレル五徴症には、以下の5つの特徴的な所見がある[2]

  1. 腹壁の欠損
  2. 胸骨下部の欠損
  3. 先天性心疾患
  4. 心膜の欠損
  5. 前部横隔膜の欠損

カントレル五徴候群における腹壁欠損は臍上部および正中線に発生し、多様な臨床像を示す。腹直筋離開や臍帯ヘルニアは、カントレル五徴症と関連して報告されている[2]

胸骨欠損も多様な臨床像を呈し、剣状突起の欠如や胸骨短縮、胸骨披裂が含まれる。胸骨欠損が大きい場合、心臓が胸腔外に位置する場合もある[2]

多くの先天性心疾患がカントレル五徴症と関連して報告されており、最多の心室中隔欠損症は72%にみられるとされる。心房中隔欠損症、心臓憩室、肺動脈狭窄症、両大血管右室起始症ファロー四徴症右胸心大血管転位症も報告されている[2]

原因

カントレル五徴候のほとんどの症例は特発性(原因不明)だが、Xq25-q26.1の遺伝子座との遺伝的関連も報告されている[3]

疫学

カントレル五徴症は6.5万〜20万出生に1件とされる[2]

歴史

1958年に初めて報告された[4]

脚注

  1. ^ Katranci AO; Görk AS; Rizalar R; Günaydin, M; Qritürk, E; Bernay, F; Gürses, N (1998). “Pentalogy of Cantrell”. Indian J Pediatr 65 (1): 149–53. doi:10.1007/BF02849710. PMID 107719593 
  2. ^ a b c d e Orphanet: Pentalogy of Cantrell” (英語). www.orpha.net. 2017年7月29日閲覧。
  3. ^ OMIM Entry - % 313850 - THORACOABDOMINAL SYNDROME; THAS” (英語). www.omim.org. 2018年10月31日閲覧。
  4. ^ “A syndrome of congenital defects involving the abdominal wall, sternum, diaphragm, pericardium, and heart”. Surg Gynecol Obstet 107 (5): 602–14. (November 1958). PMID 13592660. 

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  カントレル五徴症のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

カントレル五徴症のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



カントレル五徴症のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのカントレル五徴症 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS