オルファト・フィシャ (海防戦艦)とは? わかりやすく解説

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オルファト・フィシャ (海防戦艦)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/01 01:11 UTC 版)

「オルファト・フィシャ」(1913年)

オルファト・フィシャ (Olfert Fischer) はデンマーク海軍海防戦艦ヘアロフ・トロレ級。艦名となっているのは、1801年のコペンハーゲン沖海戦でデンマーク・ノルウェー艦隊を率いた人物である[1]

コペンハーゲン海軍工廠で建造[2]。1900年10月20日起工[2]。1903年5月9日進水[2]。1905年5月31日竣工[2]。建造費は5057000クローネであった[3]

常備排水量3650トン、満載排水量3700トン、全長86.47メートル、水線間長82.86メートル、幅15.38メートル、吃水5.0メートル[2]

主砲は24cm砲2門で、「オルファト・フィシャ」のものはボフォース43口径M/01型であった[2]。射程は10キロメートルで、後に13.7キロメートルに伸びている[4]。発射速度は毎分1.5から2発であった[4]。副砲はボフォース43口径15cm砲4門[5]。射程は8.5キロメートルで、後に10.4キロメートルに伸びている[6]。発射速度は毎分7発[6]。他に、ホチキス44口径57mm速射砲10門とマキシム37mm機砲8門を搭載した[6]。57mm砲の内4門は半自動砲(薬莢砲)で、残り6門も1906年に半自動砲に換えられた[7]。また、45cm水中魚雷発射管を艦首に1門と両舷に1門ずつ搭載した[8]。1905年にホチキス50口径47mm薬莢砲が6門搭載されたが、1910年に撤去されて代わりに44口径57mm砲が両主砲天蓋上に搭載された[9]。同砲は1916年に高角砲に換装された[9]。また同年、他の57mm砲が55口径75mm砲6門に換えられた[9]。1933年、マドセン60口径20mm M/31型連装機銃1基を試験搭載[9]

機関は共にコペンハーゲン海軍工廠製の直立3気筒3段膨張式蒸気往復動機関2基とソーニクロフト式水管缶6基で、出力4600指示馬力[10]。2軸推進で速力15.8ノット[2]。航続距離は9ノットで2500浬であった[10]

「オルファト・フィシャ」の水線装甲帯、砲塔、ケイスメイト外壁の装甲鈑はであった[11]。水線装甲帯は艦全体にわたっており、厚さ150ミリメートルから190ミリメートルで、下部では厚さは半減していた[11]。主砲塔は前190ミリメートル、横175ミリメートル、後ろ160ミリメートルで、バーベットは185ミリメートル[2]。ケイスメイト側面は140ミリメートルであった[2]。上甲板はニッケル鋼で、厚さは64ミリメートル[11]。司令塔の装甲が190ミリメートルで、煙突基部が75ミリメートルであった[10]

1905年、ノルウェーへ向かうカール王子を乗せた王室ヨット「ダネブロー」を護衛[12]。1906年、「ヘアロフ・トロレ」などとともにキールを訪問[12]。1911年、スピットヘッドでジョージ5世戴冠記念観艦式に参加[12]。1912年、ハンブルクで死去した国王フレズレク8世の棺引き取りのため、「ピーザ・スクラム」、王室ヨットと共にトラフェミュンデへ向かう[13]。同年、アムステルダム訪問[13]。1913年、テルヌーゼンヘントを訪問[13]。1920年、ボーンホルム島との間で旅客輸送に従事[13]。同年、北シュレスヴィヒ再統一の際に軍部隊輸送に従事[14]。1922年、「ピーザ・スクラム」とともにストックホルムダンツィヒを訪問[14]。1936年、爆撃標的艦にされ、爆撃実験に使用された[15]。その後、数社に売却され、1937年から1938年にかけて解体された[15]

脚注

  1. ^ 『海防戦艦』65ページ
  2. ^ a b c d e f g h i 『海防戦艦』83ページ
  3. ^ 『海防戦艦』73ページ
  4. ^ a b 『海防戦艦』67ページ
  5. ^ 『海防戦艦』68-69ページ
  6. ^ a b c 『海防戦艦』69ページ
  7. ^ 『海防戦艦』69、79ページ
  8. ^ 『海防戦艦』69-70ページ
  9. ^ a b c d 『海防戦艦』79ページ
  10. ^ a b c 『海防戦艦』71ページ
  11. ^ a b c 『海防戦艦』70ページ
  12. ^ a b c 『海防戦艦』74ページ
  13. ^ a b c d 『海防戦艦』75ページ
  14. ^ a b 『海防戦艦』76ページ
  15. ^ a b 『海防戦艦』82ページ

参考文献

  • 橋本若路『海防戦艦 設計・建造・運用 1872~1938』イカロス出版、2022年、ISBN 978-4-8022-1172-7



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