エヴドキヤ・ユスポヴァとは? わかりやすく解説

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エヴドキヤ・ユスポヴァ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/10 04:49 UTC 版)

エヴドキヤ・ユスポヴァ、グリゴリー・ノヴィコフ画、エルミタージュ美術館
エヴドキヤ、フョードル・ロコトフ英語版画、ロシア美術館

エヴドキヤ・ボリソヴナ・ユスポヴァЕвдокия Борисовна Юсупова, 1743年5月5日 モスクワ - 1780年7月21日 サンクトペテルブルク)は、帝政ロシアの大貴族ユスポフ家の公爵令嬢。クールラント公爵夫人。

生涯

モスクワ総督・サンクトペテルブルク総督の要職にあったボリス・グリゴリエーヴィチ・ユスポフ英語版公爵と妻イリナ・ミハイロヴナ・ジノヴィエヴァの間の長女。弟ニコライ・ボリソヴィチ・ユスポフ英語版は、美術品収集家としてオールド・マスターの傑作を数多くロシアにもたらしたことで名高い。

女帝エカテリーナ2世の女官となり、聖エカテリーナ勲章英語版を授与されている。1774年3月6日、クールラント・ゼムガレン公国の元首ペーター・フォン・ビロンと結婚[1]。クールラントを自身の影響下に置こうとするエカテリーナ女帝の婚姻政策の一環だった[2]。エヴドキヤは婚資として夫から1万5000ルーブルを贈られた。ユスポフ家は成り上がり者で離婚経験者のビロンとの縁組に不満があったため、ビロンはユスポフ家に補償として数多くの宝飾品を譲渡した[3]

公爵夫人エヴドキヤは美しく聡明で、クールラント貴族層の人心を掴み、彼らを親ロシア派になびかせるのに貢献した[4]。また彼女は結婚当初、夫ビロンに対してすら一定の影響力を及ぼしていた[5]。しかしビロンは前妻カロリーネ・ツー・ヴァルデック=ピルモントの時と同様、妻を虐待したため、結婚生活は形だけのものとなり、当然子供にも恵まれなかった。

1776年9月26日、サンクトペテルブルクで行われたパーヴェル・パヴロヴィチ皇太子とゾフィー・ドロテア・フォン・ヴュルテンベルクの結婚式・披露宴に出席した際、エヴドキヤは夫と一緒にミタウに帰るのを拒否し、そのまま帝都に留まった。彼女とビロンの離婚は1778年4月26日に成立した[6]

ビロンは1779年に40歳近く年下のドロテア・フォン・メデムを3度目の妻に迎えた。エヴドキヤはその翌年の1780年にペテルブルクで亡くなり、アレクサンドル・ネフスキー大修道院に葬られた。

引用・脚注

  1. ^ Friedrich Buelau: Geheime Geschichten und räthselhafte Menschen, Sammlung verborgener oder vergessener Merkwürdigkeiten. 1856, S. 326.
  2. ^ Юсупова, Евдокия Борисовна // Русский биографический словарь : в 25 томах. — СПб.—М., 1896—1918.
  3. ^ Alexander von Andreevsky: Russisches Rokoko: die Prunkzeit der Zarinnen. Verlag Reimar Hobbing, 1937, S. 120.
  4. ^ Юсупова, Евдокия Борисовна // Русский биографический словарь : в 25 томах. — СПб.—М., 1896—1918.
  5. ^ Юсупова, Евдокия Борисовна // Русский биографический словарь : в 25 томах. — СПб.—М., 1896—1918.
  6. ^ Elisabeth Feckes: Dorothea, Herzogin von Dino und Sagan, ihr Leben mit besonderer Berücksichtigung ihrer Beziehungen zum preussischen Königshause und zu deutschen Politikern. Klein, 1917.

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