アレクシオス・アンゲロス・フィランソロピノスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > アレクシオス・アンゲロス・フィランソロピノスの意味・解説 

アレクシオス・アンゲロス・フィランソロピノス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/01/26 02:55 UTC 版)

アレクシオス・アンゲロス・フィランソロピノスΑλέξιος Άγγελος Φιλανθρωπηνός, ラテン文字転写: Alexios Angelos Philanthropinos, ? - 1389年12月?)は、東ローマギリシアセサリア君主国テッサリア君主国)支配者(1381年 - 1389年12月?)、副帝(ケサル)。

家系

フィランソロピノス家は後期東ローマ帝国有数の名門で、ミハイル8世パレオロゴス帝の血縁者として何人かの著名な人物を輩出している。しかし、一族の家系に関する記録はそれほど多くはなく、アレクシオスもその父祖は明確ではない。妻マリア・ラドスラヴァはバルカン半島西部を制圧したセルビア皇帝ステファン・ウロシュ4世ドゥシャンの姉妹イェレナとセルビア貴族ラドスラヴ・フラペンの娘で、ドゥシャンの姪、またイピロス専制公トマ・プレリュボヴィチの異母妹にあたる。

生涯と事績

アレクシオス・アンゲロス・フィランソロピノスはセサリアの有力者の一人であり、セルビア人君主・「皇帝」ヨヴァン・ウロシュ・パレオロゴスメテオラ修道院群の一つメタモルフォシス修道院に引退するにあたって、彼にその支配権を移譲した。

アレクシオスがセサリアの支配権を掌握した翌1382年、東ローマ共治帝マヌイル2世パレオロゴスが近隣のセサロニキを中心とするマケドニア沿岸一帯に自治的な政府を樹立し、伸長著しいオスマン朝との対決姿勢を打ち出した。アレクシオスはイピロス専制公トマ・プレリュボヴィチと共にマヌイルの同盟者としてその宗主権下に入り、彼からケサルの称号を授与された。アレクシオスはセサリアにおいては半独立的な君主であったが、一方でセサロニキ市内に居所と財産を有していたことが知られており、その点では東ローマ帝国の市民、皇帝の臣下でもあった。

マヌイル帝との同盟関係は実質的な効果をほとんどもたらさなかった。マヌイル帝が孤立無援のままにセサロニキを去り、同市がオスマン朝に併合されると(1387年)、アレクシオスは転じてオスマン朝への臣従を余儀なくされる。アレクシオスはオスマン軍がピンドス山脈を越え、イピロスのアルバニア人と戦うにあたり同道し、プレリュボヴィチの後継者エザウ・ブオンデルモンティと共にアドリアノポリスのオスマン宮廷に伺候した(1389年10月)。アレクシオスのその後の足跡については断片的な情報しかないが、アドリアノポリスからの帰国後間も亡くなったものと思われる。

家族

妻マリア・ラドスラヴァ(Μαρία Αγγελίνα Ραδοσθλάβα; Maria Radoslava; セルビア語表記: Марија Радослава)はセルビア皇帝ドゥシャンの姪。2子が生まれたが、名前が知られているのは1人。

(本項目の表記は中世ギリシア語の発音に依拠した。古典式慣例表記については各リンク先の項目を参照。またイピロスの国号については「専制公国」、セサリアの国号については「君主国」とした)

先代:
ヨヴァン・ウロシュ・パレオロゴス
セサリアテッサリア君主国)君主
1381-1389
次代:
マヌイル・アンゲロス・フィランソロピノス



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アレクシオス・アンゲロス・フィランソロピノス」の関連用語

アレクシオス・アンゲロス・フィランソロピノスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アレクシオス・アンゲロス・フィランソロピノスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアレクシオス・アンゲロス・フィランソロピノス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS