アルギニン負荷試験とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > アルギニン負荷試験の意味・解説 

アルギニン負荷試験

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/14 09:52 UTC 版)

アルギニン負荷試験(アルギニンふかしけん)とは、下垂体機能および膵臓内分泌機能を調べる検査のこと。

概説

アルギニンは、成長ホルモン(GH)、インスリングルカゴンの分泌を刺激する。人為的にアルギニンを投与し、負荷前後に成長ホルモン、インスリン、グルカゴン、血糖値C-ペプチドを測定する[1]

下垂体からの成長ホルモン分泌不全(小人症[2])や、膵臓からのインスリン分泌予備能評価[3]インスリノーマの補助診断などに用いられる。

方法

早朝空腹時に塩化アルギニン製剤を体重1kg当り0.5g(最大30gまで)を静脈注射あるいは経口にて30分間で投与し、経時的に採血する[4]。採血タイミングは、与終了直後(=30分)、60分、90分、120分である[2]

健常人ではインスリン、グルカゴンはアルギニン投与開始 5分と30分に二相性に分泌され、成長ホルモンは45~60分に7ng/mLを超える増加反応を示す。

高血糖クランプ、GLP-1負荷とアルギニン負荷を組み合わせ、詳細に膵内分泌動態を検査する手法も報告されている[5][6]

脚注

  1. ^ 三家登喜夫, 曽和亮一, 英肇, 森田一, 田畑宏道, 久保一紀, 近藤渓, 南條輝志男, 宮村敬「グルカゴン負荷時の血しょうCペプチド低反応者について グルカゴンおよびアルギニン負荷時の血しょうCペプチド反応よりみた糖尿病の多様性」『糖尿病』第30巻第9号、日本糖尿病学会、1987年、795-802頁、doi:10.11213/tonyobyo1958.30.795ISSN 0021-437X 
  2. ^ a b 成長ホルモン分泌不全性低身長症 日本内分泌学会
  3. ^ 楢林ゆり子, 石川真由美, 坂本健太郎, 森瀬敦之, 廣井直樹, 久保木幸司, 芳野原, 柴輝男「早朝空腹時低血糖を示す成人成長ホルモン分泌不全に併発する糖尿病の1例」『糖尿病』第55巻第2号、日本糖尿病学会、2012年、110-115頁、doi:10.11213/tonyobyo.55.110ISSN 0021437X 
  4. ^ 川村智行: アルギニン負荷試験. 小児内科 38(8): 1304-1306, 2006
  5. ^ Fritsche A, et al: A novel hyperglycaemic clamp for characterization of islet function in humans: assessment of three different secretagogues, maximal insulin response and reproducibility. Eur J Clin Invest 30: 411-418, 2000
  6. ^ Stumvoll M, et al: Clinical characterization of insulin secretion as the basis for genetic analyses. Diabetes 51(Suppl 1): S122-129, 2002



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アルギニン負荷試験」の関連用語

アルギニン負荷試験のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アルギニン負荷試験のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアルギニン負荷試験 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS