IRA (アメリカ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/07 19:21 UTC 版)
Roth IRA
1997年にデラウェア州の上院議員William Rothの主導により実現したためその名を讃えた制度。通常IRAとの大きな違いは以下のとおり。
- 拠出は課税後所得から(拠出金は常に所得税から控除できない)
- 高額所得者は課税所得(Adjusted Gross Income, AGI、総所得から基礎控除、扶養控除、401(k)などの課税繰延分、健康保険料、州税や資産税、投資損失などを控除した残り)が一定額(独身者は112,000ドル、夫婦合算は178,000ドル)を超えると拠出限度額が漸次減少し、さらに一定額(独身者は127,000ドル、夫婦合算は188,000ドル、いずれも2014年現在)を超えるとまったく拠出できない。
- 拠出元金は年齢に関わらずいつでも非課税で引き出し可能(課税後所得からの拠出であるから当然)。ただし通常IRAからの転換(下記)した資金は転換後5年の待機期間を置かなければならない
- 配偶者拠出あり
- 運用益は運用中は常に非課税
- 運用益はそれを産んだ資金が拠出後5年間の待機期間を満たしていて59歳半を超えていれば非課税で引き出し可。更に居住用住居の購入のためなら年齢に関わらず生涯で1万ドルまで運用益を非課税で引き出し可(ただしその前の24ヶ月間に住居を所有していないこと)
- 401(k)や403(b)のような課税繰延プランに加入していても拠出と課税に変化はない
- 拠出の年齢制限がない(限度内所得がある限り生涯拠出可能)
- MRDがない
夫婦の一方が死亡したときは、残った配偶者が死亡した配偶者のIRAを引き継ぐことができ、所得税非課税の特典は継続する。配偶者から相続したIRAは相続税の対象とならず新たな拠出もできるが、配偶者でない相続人にはこの特典はない。いずれの場合も、MRDがなく、待機期間経過後は引出しに関わる所得税は完全に非課税なので、本人死亡後の相続で有利とされる。
- ^ What Is a Backdoor Roth IRA? 2016年8月24日閲覧
- ^ Fed U.S. Federal Individual Income Tax Rates History, 1862-2013 2014年2月5日閲覧
- ^ Low-Minimum Funds Well-Suited as myRA Alternatives 2014年2月5日 2014年2月5日閲覧
- ^ All about the myRA 2014年2月11日 2014年2月21日閲覧
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