Halo: Combat Evolved ゲームシステム

Halo: Combat Evolved

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/11 14:07 UTC 版)

ゲームシステム

基本的なゲームシステムはごく一般的なファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)と大差は無いが、当時のFPSと比べて以下のような特徴がある。

プレイヤーの生命力が「体力+シールド」制度になっている
敵から銃撃を受ける際に最初に減るのは「シールド」であり、シールドがゼロになってはじめて体力にダメージが及ぶようになる。消耗したシールドはしばらくダメージを受けないでいると最大値まで回復するため、ダメージを受けたら一時的に身を隠せば文字通りノーダメージを貫き通すこともできる。ただしシールドはそれほど強固ではなく、多少の集中砲火や強烈な爆風には耐えられず、攻撃によってはそのまま即死となる。
こうした生命力に対する設定は、体力が減ったままで回復することはない物が多いFPSゲームの中でもかなり甘めである。しかしこの生命力に対する二重構造がアクションゲームの不慣れなプレイヤーに対する救済措置や、手慣れたプレイヤーでも戦略性の一つとして機能しているという側面もある。
火器の所持数を二つまでに限定
すでに火器を二つ持っている場合、どちらか片方を捨てないと新しい武器は拾えない。また、同じ種類の火器は一つしか持てない。これも他のFPSでは同時に何種類もの武器を同時携帯するのが一般的だが、二種類の制限によりコントローラーのボタンが少ないゲームでの武器の変更の簡略化と、ただ使いやすいだけのアイテムに固執せず、どの武器を持ち、どのように戦うかという取捨選択を迫る要素となっている。
本シリーズ独特のヘッドショットおよび弱点の概念
通常、家庭用ゲーム機等のFPSでは簡略化されがちな弱点の概念であるが、HALOでは正確に敵の弱点を攻撃しなければ無駄に大量の弾薬を消耗してしまう。人型の対象は主に頭部、大型の鎧を着た敵はその鎧の繋ぎ目を狙うといった具合で、弱点を狙えば一撃で倒せる敵も少なくない。
打撃攻撃が可能
武器の種類に関わらず、近くの敵を打撃で攻撃する事ができる。連打は効かないものの一発あたりの威力は高く、また背後から殴る事でどれだけ相手の体力が残っていても一撃で倒す事ができる。銃声がしないため周囲の敵にも気付かれにくい。本作ではプレイヤーの使用できる接近打撃用武器は存在しない。
地球軍タイプとエイリアン(コヴナント)タイプの火器がある
詳しくは後述するが、地球軍向けの武器はミッションの最初から保持しており、味方が持っていた対応する火器の弾薬や武器そのものを拾う事で上限はあるものの手持ちの弾薬を増やす事ができる。敵対勢力であるコヴナント軍の火器はコヴナントを倒した際に奪うことで使用可能。弾薬も同様に拾って補充することができる。
プレイヤー以外の仲間とも共闘が可能
キャンペーンモードではプレイヤー以外のAI兵士(海兵隊)と共にゲームを進むステージがいくつか存在する。彼らの大半は無敵ではなく、敵やプレイヤーの攻撃で死んでしまう。さらに、Halo 2、Halo 3にも出演する極めて重要な登場人物の一人も他の一般兵士同様に死んでしまうが、なぜかステージが進むと何事もなかったように復活している。

登場する武器

UNSC(地球軍)の武器

地球軍の武器は一発の破壊力が高いが、物理的な攻撃に対して高い緩和能力を持つエネルギーシールドを持つコヴナントに対して効果が薄く、常に劣勢を強いられる原因となっている。同種の銃器か対応する弾薬を拾うことで手持ちの弾薬を増やせる。大半の武器は、発砲とほぼ同時に着弾するため使い勝手が良い。また、ほとんどの銃器は発砲ボタンを押しっぱなしにする事で連射モードになるが、連射モードよりも一発ごとにボタンを押しなおした方が命中精度が高くなる。

M6D ハンドガン(M6D Pistol, M6D Personal Defense Weapon System)
UNSC全体の基本兵装。スコープを使用することで、遠距離を精密射撃できる。威力・連射力はそこそこで、前述のスコープを併用することであらゆる距離に対応する応用力を持つ。キャンペーンモードでは敵の頭部(エリートの場合は敵のシールドをダウンさせたうえで)に命中させると一発で倒せる。特に高難易度でこの技術が重要になってくる。また、ハンターの腹部に当てる事が出来れば、数発で倒す事ができる。対戦モードでも強力で、ハンドガンの弾を頭部に二発命中させるとシールドをゼロにする事が出来、シールドが無い状態でさらにもう一発頭部に銃弾を撃ち込むと一撃で殺傷する事が出来る。技術力が高ければ事実上の最強武器となる。装弾数12、予備弾数120。
MA5B アサルトライフル(MA5B Assault Rifle, MA5B Individual Combat Weapon System)
UNSC全体の基本兵装。一発の威力は低いが高い連射能力を持つ。弾のばらつきが激しいため距離が遠くなるほど威力が低くなりがちだが、接近して発砲すればダメージ効率が高くなる。装弾数60、予備弾数600。
M90 ショットガン(M90 Shotgun, M90 Close Assault Weapon System)
連射はできないが一度に多数の弾薬を発砲する。散弾一発の威力はアサルトライフル並みの威力しかないが、同時に大量に発射するため、密着状態で命中させるとほとんどの相手を一撃で殺傷できる。なおフラッドに対して絶大な威力を誇るため、後半で重宝する。装弾数12、予備弾数60。
S2 AM スナイパーライフル(SRS99C-S2 AM Sniper Rifle, Sniper Rifle System 99C-S2 Anti-Matériel)
シールド着用のコヴナントでさえ数発で殺傷できる強力な対物狙撃ライフル。高い貫通力を持ち、一発で複数の敵を撃ち抜ける。可変倍率(2x、8x)のスコープ付きで、スコープには暗視装置も搭載。しかし、発砲後に弾丸の軌跡がしばらく残ってしまうため、居場所がばれてしまう最大の弱点がある。近接攻撃も動作が遅いため、一定距離を保つほうがいい。装弾数4、予備弾数24(ステージ3開始時のみ予備弾64所持)。
M19 SSM ロケットランチャー(M19 SSM Rocket Launcher, M19 Surface-to-Surface Missile)
二連発式のロケットランチャー。爆風の範囲が広く、きれいに命中させなくても壁や床に当てることで大半の敵を一撃で倒すことができる上、直撃すればバンシーやファントム(戦車)をも容易に破壊できる。ただし、自らも爆風に巻き込まれる危険があるので近接戦では使用できない。弾の速度は早くないので、回避は容易。説明書では可変倍率スコープ付きとされているが、実際には2倍率固定となっている。装弾数2、予備弾数8。
M41 LAAG - 軽対空機関銃(M41 Light Anti-Aircraft Gun)
車両「ワートホグ」に備え付けられた機関銃。一撃の威力が高く、凄まじい連射力を持つ。弾薬は無限で、リロードもないが、精度が荒いため、遠距離での扱いには不利である。
ロケットランチャーワートホグ
Windows版マルチプレイヤーモードにのみ登場する黒色のワートホグ。扱いは難しいが、無制限にロケットランチャーを発射する事ができる。三発ごとにリロードの必要がある。
火炎放射器
Windows版のマルチプレイヤーモードにのみ出現。飛距離は短いが、非常に威力の高い火炎を放射することで一瞬で範囲内の敵に大ダメージを与える事が出来る。火炎は少々の間残るので、牽制と目くらましの効果も狙う事が出来る。
M9 HE-DP グレネード(M9 High-Explosive Dual-Purpose grenade)
地球軍が使う一般的な手榴弾。時限式ではなく、地面に落ちて安定した後に爆発する仕組み。

コヴナントの武器

コヴナントの武器は生身の相手に対して高い威力は期待できないが、コヴナントの兵士が使うエネルギーシールドに対しては高い攻撃力を持つ。原則的に弾薬がバッテリー式で、落ちている同種の武器からエネルギーを回復させることはできず、エネルギーが無くなったら、落ちている物と交換することしかできない。また、発砲から着弾まで時間がかかるため、扱いが難しい。フラッドに対しては威力が劣るため、オススメは出来ないが、センチネルに対しては効果が高く最終面で重宝する。

プラズマガン(Plasma Pistol, Type-25 Directed Energy Pistol)
セミオートのエネルギーハンドガン。若干の追尾性能を持つチャージショットを放てる。フルチャージを命中させると、シールドを着用したコヴナントのシールドを一撃ではがす事が出来る。また、接近戦を行うジャッカルがもつビームシールドを破壊する事が可能。フルチャージショットを発射するか過剰に連射すると一時的にオーバーヒートしてしまう。前述のように、エネルギーシールドに対して高い効果を期待できるが、シールドを破壊した後や、元から生身の相手には威力が減少する、
プラズマライフル(Plasma Rifle, Type-25 Directed Energy Rifle)
アサルトライフルに相当する、連射力の高いエネルギー銃。プラズマガンとは異なり、瞬間な破壊力は期待できないが、うまく利用できれば短時間にエネルギーシールドを破壊する事ができる。
ニードラー(Needler, Type-33 Guided Munitions Launcher)
紫色のニードルを発射する。敵を追尾し、7発同時に刺さると爆発して大ダメージになる。コヴナントの武器の中で唯一、バッテリー式ではなくカートリッジ式の武器。弾が反射するので、弾幕を張ることも出来る。装弾数20、予備弾数80。
燃料ロッドガン(Fuel Rod Gun, Type-33 Light Anti-Armor Weapon)
エネルギー式のロケットランチャー。弧を描いて飛ぶ。XBOX版では一部のコヴナント専用の武器だったが、Windows版のマルチプレイヤーで使用可能になった。連射するとオーバーヒートしてしばらく発砲不能になる。
プラズマグレネード(Plasma Grenade, Type-1 Antipersonnel Grenade)
青い球状の爆弾。敵や乗り物にくっつけることができ、プレイヤーも含めたほとんどの対象を一撃で殺傷できる。使用時は青い光を発し続け、爆発までに時間がかかり、範囲もさほど広くない。

車両・戦闘兵器等

ゲーム中にプレイヤーが操作可能な物。いずれも操縦席部に乗っているパイロットを攻撃すれば大きなダメージを与えられるが、素早く動くためそれ以外の箇所に命中するとあまり大きなダメージは期待できない。しかしエイリアンの持つプラズマ系の武器を使えば正確に運転者を狙わずとも適当な場所に命中させてエネルギーシールドに対して大きな効力を発揮させることが可能である。

また、キャンペーンモードではコヴナント側の乗り物に耐久力が設定されており、攻撃を受けるごとに破損して最終的には乗組員を巻き込んで爆発してしまうが、マルチプレイヤーモードでは乗り物が破壊されることは無い。加えて、敵が乗っている乗物にしがみ付いて奪い取るシステムは『Halo 2』以降に追加されたものであるため、乗物に乗っている相手を近接格闘だけで倒すことは不可能である。

ワートホグ(Warthog, M12 Force Application Vehicle)
地球軍の基本的な車両。後部に三砲身のガトリング型の機関銃が付いており、最大3人まで搭乗できる。四輪駆動四輪操舵により、見た目以上の高い加速性と、小回りを持つ。キャンペーンモードでは銃座や助手席にNPCが乗り込むことで自動的に攻撃してくれるが、運転はしてくれない。相手を轢き殺すという使い方もできるが、意外と癖が強く、転倒しやすい。銃座にはプレイヤーが乗り込む事もできるので、移動式の砲台としても利用できる。また、Windows版のマルチモードではロケットランチャーを装備した別型を操縦する事ができる。
耐久力の概念は無くワートホグ自体が破壊される事は無いが、車体に対してのダメージは(ある程度軽減されるが)直接搭乗者へと伝わる。
スコーピオン(Scorpion, M808B Main Battle Tank)
地球軍の持つ強力な戦車。ほとんどの敵を一撃で倒す主砲と、近づく敵に対して攻撃する機関銃を備え、絶大な攻撃力を持つ。また、仲間をキャタピラ上部に(前後左右4人まで)乗せることで周囲に攻撃してくれる(操縦席へのダメージも緩和できる)。非常に強力な反面、小回りが利かず、操縦席をピンポイントで射撃されると脆い。
ゴースト(Ghost, Type-32 Rapid Assault Vehicle)
バイクのような、コヴナントの一人乗り兵器。浮いているが高度を上げる事はできず、あくまで地上用である。先端に二つのプラズマキャノンを装備している。非常に素早く小回りが利くが、操縦席が無防備。ワートホグと異なり耐久力の概念があり、破壊されると乗員も死んでしまう。
バンシー(Banshee, Type-26 Ground Support Aircraft)
コヴナントの飛行戦闘機。二つのプラズマキャノンに燃料ロッドガンを装備しているが、ロッドガンは連射が利かない。あまり速くは飛べないが、非常に小回りが利き、上空からの連続射撃の他にも直接体当たりによる攻撃など、その戦法は多岐にわたる。一方でかなり大型の乗り物のためダメージを受けやすく、機体自体の耐久力もゴーストより脆いため破壊されやすい。
XBOX版ではキャンペーン専用の乗り物だが、Windows版ではマルチプレイヤーでも利用可能。
ガンプラント(Shade Turret, Type-29 Anti-Infantry Stationary Gun)
コヴナントの固定式銃座。移動はできず、連射性能もあまり良くはないが同時に三発の高威力エネルギー弾を連射できる。ドッシリとした見た目と反して意外と軽いらしく、爆風ですぐに吹き飛ぶ。
銃手はもっぱらグラント(小型のコヴナント)だが、エリート(シールドを着用したコヴナント)が使用する事もある。
ワートホグ同様に耐久力の概念が無いので破壊する事は出来ない。
ペリカン(Pelican, Dropship 77-Troop Carrier)
地球軍の輸送用戦闘機。これ自体に攻撃力は持たないが、10+1名が乗り込んで移動することが可能。劇中ではワートホグやスコーピオンも輸送してきた。ゲームデータの改変を行わない限り乗り込むことはできない。
ファントム(Wraith, Type-26 Assault Gun Carriage)
コヴナント軍の戦車。エリートが使用する。巨大なエネルギー迫撃砲を発射してくるが、弾速が非常に遅いため命中精度は高くない。『Halo 2』からはレイスという名前で登場する(内部データ上の名称は『Halo 2』同様のレイスではある)。なお『Halo 2』からはファントムという名前はコヴナント兵の降下艇の通称として使用。
ゲームデータの改変を行わない限り乗り込むことはできない。
スピリット(Spirit, Type-25 Troop Carrier)
コヴナント軍の輸送機。側面のデッキから歩兵部隊を降ろしてくる。定員は10+1名。下部にはガンプラントと同様の三連プラズマ砲を装備している。ゲームデータの改変を行わない限り乗り込むことはできない。

アイテム類

レッドオーブ
エネルギーシールドの容量が300%にアップする。ただし、上乗せ分は回復しない
また、マルチプレイヤーモードでは上乗せ分が徐々に減って行く。
ブルーオーブ
一定時間、体が透明になり敵に認識されなくなる。
Xbox版ではガラスのように光沢感と屈折のある透明になるが、Windows版では表現が変更になっており、Geforce系グラフィックボードでは単純に半透明になり、Radeon系のグラフィックボードを搭載したパソコンではXbox版と同等の表現になる。
ライフパック
白い箱に赤いマークが付けられている。
取得すると体力が完全回復するが、一定時間画面全体が真っ白になってしまうため大きな隙も発生する。

そのほか

ピラー・オブ・オータム(UNSC Pillar of Autumn, Halcyon-class light cruiser)
戦艦オータムのこと。日本語版では「オータム」としか呼称されなかった。ゲーム冒頭のムービーで船首がアップされる際、はっきりと艦名を読み取ることが出来る。
船首にはコイルキャノンの一種である「マック(Magnetic Accelerator Cannonの略)・ガン」(劇中ではたんに「キャノン砲」)を装備し、要所要所にはポイント ディフェンス ガンやアーチャー・ミサイル(Archer missile)発射ポッドを備える戦闘艦である。火器管制官は日系のアキ・ヒカワ中尉(『Halo: The Fall of Reach』と『Halo: The Flood』に登場)。
他のUNSC艦船同様、スリップスペース用のショウ・フジカワ光速エンジン(Shaw-Fujikawa Translight Engine)を搭載している。なお、説明書によると オータムは地球軍の中でも最も小型の駆逐艦と表記されていたが、実際のところは「ハルシオン級巡洋艦」だとのこと。
ピラー・オブ・オータムを日本語に直訳すると、「秋の柱」となる。
ロングソード戦闘機(Longsword, GA-TL1 Longsword-class Interceptor)
戦艦オータムに搭載されている複座型戦闘機。ゲーム冒頭のムービーでは、数機がオータムに随伴して飛行している。
宇宙空間、大気圏内のどちらでも運用が可能。






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