BGM (YMOのアルバム)
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ツアー
本作リリース後にはツアーは行われず、次作『テクノデリック』(1981年)リリース後に『YMO-WINTER-LIVE-1981』が行われる事となる。
批評
専門評論家によるレビュー | |
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レビュー・スコア | |
出典 | 評価 |
オールミュージック | [17] |
Stereo Review | 肯定的[18] |
コンパクトYMO | 肯定的[19] |
CDジャーナル | 肯定的[20][21][22] |
- 音楽本『コンパクトYMO』にてライターの吉村栄一は、リリース当時の状況として「『暗い』『地味』とさんざんに酷評された」と指摘しているが、YMOが熱狂的なファンを獲得している事の背景として、「本作と続く『テクノデリック』の存在を抜きにしては理解できない」と本作を位置付けた[19]。また、『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』のような作品を期待していたファンを裏切った作風に関し、「耳になじみよいポップさや、人目を魅くわかりやすい装飾はここにはない」と理解が困難な作品である事を示唆しているが、「全体的に抑制はきいていながらも甘美なメロディ、快楽的なくっきりとしたリズム、そして遊び心が本作には満ちている。なにより、聴き手の精神と肉体に直接作用するかのような、重低音をはじめとした音響効果」と音楽性、音質面やバラエティ性に関して肯定的に評価し、「時代も、音楽の流行が変わっても、いつまでも色褪せない傑作」と絶賛した[19]。
- 音楽情報サイト『CDジャーナル』では、「YMO史上、もっともダークで、もっともハイ・クオリティなアルバム[22]」と本作を位置付けており、「軽やかな“テクノ・ポップ”というよりも、シリアスで重たい感じの曲が中心。このアルバムで彼らは、自身にまとわりつくイメージに1回リセットをかけた[20]」と当時の周囲の期待から逸れた作品であった事を指摘しているが、「テクノ・ミュージックの可能性を追いはじめ、テクノロジーがさらに進歩した80年代初頭の先鋭的な表現を残した名盤[21]」、「“世界初のアンビニエント・テクノ”として、永遠に聴き継がれるべき作品といえる[22]」と革新性に関して肯定的に評価している。
チャート成績
オリコンチャートではLPで最高位2位、CTで最高位4位を獲得、LPは登場回数19回、CTは登場回数21回となり、売り上げ枚数はLPで17.5万枚、CTで10万枚、累計では27.5万枚となった。
- ^ 『オリコン・チャートブック LP編 昭和45年 - 平成1年』オリジナル・コンフィデンス、1990年、74頁。ISBN 4871310256。
- ^ a b c ソニー・ミュージックハウス版ブックレットより
- ^ 出典:『加藤和彦 あの素晴しい音をもう一度』 文藝別冊 (編) 2010年
- ^ a b c 『テクノ・バイブル』ブックレットより
- ^ 「コンパクトYMO」より。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah 「YMOクロニクル」『コンパクト YMO』徳間書店、1998年4月20日、63-110頁。ISBN 9784198608316。
- ^ 出典:『月刊 ロッキンf』 1981年5月号
- ^ a b c d e アスペクト刊「Yellow Magic Orchestra」より。
- ^ a b c d “YMOハイレゾ第4弾インタヴュー! ブロードキャスター、ピーター・バラカンが語るYMOの歌詞作り”. ONKYO. 2022年11月22日閲覧。
- ^ “YMOの名作10タイトルがBlu-spec CD化” (日本語). TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード (2010年9月28日). 2019年6月1日閲覧。
- ^ “YMOオリジナル10作品が高品質Blu-spec CDで一挙復刻”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2010年7月29日). 2019年6月1日閲覧。
- ^ “YMOの名作10タイトルがBlu-spec CD+紙ジャケ化”. CDジャーナル. 音楽出版 (2010年8月5日). 2019年6月1日閲覧。
- ^ “YMOのオリジナル・アルバム10タイトルが高品質CDで復活”. OKMusic. ジャパンミュージックネットワーク (2010年7月30日). 2019年6月1日閲覧。
- ^ “YMO結成40周年記念リマスタリング再発第3弾!『BGM』『Technodelic』5月29日発売” (日本語). TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード (2019年2月25日). 2019年6月23日閲覧。
- ^ a b 「NICE AGE YMOとその時代」より。
- ^ 出典:『ジャケット・デザイン・イン・ジャパン』備酒元一郎 (編) 2004年
- ^ a b “BGM - Yellow Magic Orchestra”. オールミュージック. All Media Network. 2019年6月23日閲覧。
- ^ “Yellow Magic Orchestra: BGM”. Stereo Review (CBS Magazines) 46: 38. (1981) 2011年6月1日閲覧。.
- ^ a b c 吉村栄一「コンプリート・ディスコグラフィー オリジナル・アルバム」『コンパクト YMO』徳間書店、1998年4月20日、116-126頁。ISBN 9784198608316。
- ^ a b “YMO / BGM [紙ジャケット仕様][限定][廃盤]”. CDジャーナル. 音楽出版. 2019年6月16日閲覧。
- ^ a b “YMO / BGM [再発][廃盤]”. CDジャーナル. 音楽出版. 2019年6月23日閲覧。
- ^ a b c “YMO / BGM [紙ジャケット仕様][廃盤]”. CDジャーナル. 音楽出版. 2019年6月23日閲覧。
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