魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸
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魔神
魔神(マシン)とは、「ワタルシリーズ」の世界で普及しているロボットの総称。製作や操縦方法などはおおむね他作品のロボット兵器と同様であるが、魔術・呪術的な処置を施された機体や、龍神丸のように魂と自我をもつ特殊な機体も存在している。
龍魔神
龍魔神(りゅうマシン)とは、砕かれた龍神丸の魂に金龍以外の神部七龍神の力が合わさり生まれた7体の魔神。それぞれが過去作の龍神丸の強化形態や、味方の魔神たちに似た意匠と能力をもつ[17]。逆さ創界山の各世界にある「龍神丸の欠片」を手に入れることで召喚できるが、各龍魔神は欠片を手に入れた世界でしか召喚できないため、新たな世界に行くたびに別の欠片を手に入れる必要がある[注 9]。煌龍丸以外の龍魔神は、龍神丸と違って召喚時の雄叫びはなく、戦闘中も終始無言のままである。
- 龍蒼丸(りゅうそうまる)
- アニメ第3話より登場。青龍の力をもつ蒼き龍魔神。外見は通常の龍神丸に似ている。両肩の翼を展開することで飛行形態になる。武器は蒼い柄と金色の刀身をもつ蒼龍剣(そうりゅうけん)、龍神丸の龍牙拳と同じく肩の爪を投擲する蒼穹龍牙拳(そうきゅうりゅうがけん)。
- 龍戦丸(りゅうせんまる)
- アニメ第4話より登場。赤龍の力をもつ赤き龍魔神。外見は戦神丸に似ている。武器は二刀流で使用される紅龍剣壱式と紅龍剣弐式[17]。必殺・紅龍剣は野牛シバラク流×の字斬りを彷彿させる必殺技。
- 幻龍丸(げんりゅうまる)
- ビジュアルストーリー第2回より登場し、アニメでは第9話に登場。緑龍の力をもつ緑色の龍魔神。外見は幻神丸に似ている。無音の高速移動で敵に接近して仕留める戦法を得意とする。武器は、背中の翼を連結させて使用する幻龍大手裏剣(げんりゅうだいしゅりけん)、逆手もちで振るう短刀・碧龍剣(へきりゅうけん)、足裏に内蔵された隠し刀・幻雷刀(げんらいとう)。必殺・碧龍剣は超高速で敵の胴を真一文字に斬り裂く。また、投擲した幻龍大手裏剣の回転で巨大な竜巻を発生させる「幻龍大手裏剣・大旋風」という技をもつ[13]。幻龍大手裏剣は前方に展開することで盾にもなる。
- 龍激丸(りゅうげきまる)
- ビジュアルストーリー第4回より登場し、アニメでは第9話に登場。激龍(ファイヤードラゴン)の力をもつ天翔ける炎の龍魔神。新星龍神丸や龍星丸のような巨大な翼と大爪をもつ。背中の翼を広げ飛行形態になる。武器は二刀流の炎龍剣[17]、炎龍剣を両肩の鞘に収めた状態で使用する龍激砲(りゅうげきほう)。必殺・炎龍剣は2本の剣に炎を纏わせ一刀両断する。
- 聖龍丸(せいりゅうまる)
- アニメ第6話より登場。紫龍の力をもつ紫の龍魔神。聖騎士パラディンのようなスリット状の頭部バイザーが特徴で、聖龍飛翔形態に変化(チェンジ)する。武器は両刃の大剣・聖龍剣[17]。
- 龍虎丸(りゅうこまる)
- アニメ第8話より登場。白龍の力をもつ猛き龍魔神。龍と虎の意匠を持つ。外見は邪虎丸に似ている。龍虎形態に変化する。武器は組み合わせることで二つの武器形態に変形可能な龍虎盾と虎龍剣[17]。必殺技は、後述の白虎丸との連携で繰り出される龍と虎をかたどったエネルギー波「猛虎超龍波(もうこちょうりゅうは)」。
- 煌龍丸(こうりゅうまる)
- 声 - 玄田哲章
- アニメ第9話に登場。すべての龍神丸の欠片に宿った神部七龍神の力が合わさり誕生する金色の龍魔神で、本作での龍神丸の最終形態でもある。龍神丸自身が変化するのが他の龍魔神との決定的な違いで、ドバズダーを配下の魔神ごと消滅させるほどの強さをもつ。また、搭乗したワタルの衣装も専用のものに変化する。煌龍飛翔形態に変化する。武器は七龍剣[17]。
丸魔神
丸魔神(まるマシン)とは、ワタルやその仲間たちが搭乗する魔神。ほかの魔神とは一線を画す性能や機能をもち、機体名に「丸」が付くことから丸魔神と呼ばれる。
- 龍神丸(りゅうじんまる)
- 声 - 玄田哲章
- 神部七龍神の一柱・金龍(映画では正体は緑龍であるかのように描かれた)の魂を宿したワタルの魔神。ワタルとは強い絆で結ばれており、戦いで弱気になったワタルを叱咤激励する。作中冒頭でドバズダーに取り込まれそうになった影響で体が消滅し、魂は六つの欠片となって逆さ創界山の各世界に飛ばされる。しかし、同胞の神部七龍神の助力によって意識は欠片のなかに存在しており、龍魔神の召喚時にワタルに語り掛けてくる。
- 龍神丸 -黒闇-(りゅうじんまる こくあん)[18]
- 第7世界にて、すべての欠片を取り戻した七魂の剣によって復活を果たした姿。ドバズダーに敗れ捕虜となり、(映画版の追加シーンで)自分がいないせいでワタルが苦戦している姿を映像を介して見せられ「自分にもっと力があれば」と願った龍神丸にドバズダー自身が取り付き、その願いを負の感情でゆがめられたことで、漆黒に染まった邪悪な姿となる。ワタルの必死の説得にも耳を貸さず仲間全員の魔神を圧倒するが、龍魔神全員の総攻撃によってドバズダーが追い出されたことで正気を取り戻す。
- 戦神丸(せんじんまる)
- シバラクの魔神。二刀流剣術を駆使する接近戦型の機体。シバラクからは「戦ちゃん」の愛称で呼ばれたりする。龍神丸と同じく自我をもつが、作中で声を発する場面はない。シバラク側の事情で連絡できなかったり、風邪を引くなどなんらかの不都合で出動を断ることもある。
- 幻神丸(げんじんまる)
- ヒミコの魔神。巨大手裏剣や短刀を装備した忍者風の機体。本来は父である幻龍斎の魔神であり、『ワタル1』では幻龍斎とヒミコの二人乗りだったが、本作では幻龍斎が不在のためにヒミコがひとりで操縦している。なお、幻龍斎の席には猿姿の本人のぬいぐるみが飾ってある。
- 邪虎丸(じゃこまる)
- 虎王の魔神。猛虎形態への変形機構と高速飛行能力をもつ高性能機。第7話で大破したのちに後述の白虎丸に変化し、第9話ではもとの姿で復活する。
- 白虎丸(びゃっこまる)
- 虚閃角に破壊された邪虎丸に白虎の力が宿り新生した魔神。白龍の力が宿った龍虎丸と対をなす機体で、ほぼ同一の構造をもつ白虎形態へと変形する。武装は、双頭の槍「タイガーランス」に合体可能な「ホワイトタイガーソード」と「ホワイトタイガーシールド」。
- 空神丸(くうじんまる)
- ビジュアルストーリー第3回に登場、アニメでは第9話に登場。鳳凰の魂を宿したクラマの魔神。創界山随一の飛行性能を有する鳥型魔神で、味方の魔神をけん引できるほどの出力を発揮する。
- 夏鬼丸(げきまる)
- 海火子の魔神。雷の力を利用した高威力の技を駆使する。
敵魔神
基本的に過去作に登場する敵魔神の同型機、あるいはその発展型が登場する。
- ガッタイダー
- 『ワタル1』に登場するザン三兄弟の合体魔神。ドバズダーによって黒い幻のような姿で現れ、幻神丸と対峙する。
- 漫画版ではドバズダーの黒い霧がクラマを取り込んだ姿として出現する。
- 邪戦角(じゃせんかく)
- 『ワタル2』に登場する魔界シバラク(ドワルダー軍に洗脳されて敵となったシバラク)の魔神。ドバズダーによって黒い幻のような姿で現れ、戦神丸と対峙する。
- 漫画版と小説版では未登場。
- セカンドガンII(セカンド)[注 3]
- ワーイ=ファーイの魔神。『ワタル1』に登場する第一界層ボス魔神 「セカンドガン」の同型機で、全身が赤く塗られている。腕にガトリングガンを装備。
- ヘルコプター改[21]
- ワーイ=ファーイの部下の魔神。『ワタル1』に登場する「ヘルコプター」の同型機で、一部が藍色に塗られている。機体下部にガトリングガンを装備。劇中では2機登場。
- ギューテンカク
- ベンケーの魔神。『ワタル2』に登場する第三星界ボス魔神「シュテンカク」の同型機で、両肩の装飾が鯱から牛角状に変化している。武装は2本の薙刀。『ワタル2』の機体と同様に仮面を出すことで、口から竜巻「ベンケータイフーン」を放つ。
- アストロナイト
- オリスカンの魔神。『ワタル2』に登場する宇宙界の魔神「アストロジェッター」の同型機で、バトル大会敗退後に地下施設で機体を溶かされ、ゴーストン復活のエネルギーにされる。厳密には敵魔神ではない。
- コミック版では決勝戦まで勝ち進み、夏鬼丸と共闘してゴーストンと交戦する。
- ゴーストン
- 『ワタル1』に登場する第六階層の巨大合体魔神。過去に戦ったワタルからは「二度と会いたくなかった」と言わしめるほどの強敵。ブリキン城の地下に封印され、バトル大会で敗退した魔神のパワーを注がれ復活しつつあったが、ドレッド王の不注意で制御に使っていた「制御の杖」が壊れ暴走状態となる。頭部(スケルバット)の右目にある赤い宝玉の力によって無限の再生能力を有し、シバラク・虎王・海火子を苦戦させるが、ワタルの手で宝玉を破壊されたことで再生能力を失い、そこに封じられていた龍神丸の欠片から呼び出された聖龍丸に破壊される。
- ファイヤージャック
- 『ワタル1』に登場する「ファイヤージャック」の同型機。バトル大会出場の魔神で、アストロナイトと同じくゴーストン復活のエネルギーにされる。
- モーガン、サソリアンナイト、ボクボクサー
- それぞれ『ワタル2』に登場する敵魔神の同型機。バトル大会出場の魔神で、いずれもゴーストン復活のエネルギーにされる。
- 虚閃角(きょせんかく)[22][23]
- オトヒメの魔神。『ワタル2』に登場する魔界三兄弟の合体魔神「黒龍角」の派生機で、オトヒメが奏でるハープの音色で遠隔操作する。武装は肩アーマーに懸架されている二振りの大剣と、収束射撃と拡散射撃を使い分け可能な額の高出力エネルギー砲。不意打ちとはいえ邪虎丸をほぼ一方的に破壊し、復活した龍虎丸と白虎丸の2機とも単独で渡り合うが、猛虎超龍波と虎龍剣の連撃を受け倒される。
小説版の敵魔神
- バトルゴリラ100(ワンハンドレッド)
- シュワルビネガーの魔神。以前よりパワーアップしており、100発自動発射できるスペシャルマグナム10連発を放つ。
- ゲゲゲッペルン
- タンクーガーの戦車型魔神。ファイヤータックルで突進し、ミサイルファイヤーを放つ。
- ドバズダーの黒い魔神たち
- ドバズダーの黒い霧が作り出した黒い魔神。その中にはアイスホッケー選手のような魔神(ファイヤーパック)、頭にネジの刺さったフランケンシュタインのような魔神(フランケンシュタイン)、ツタンカーメンのような魔神(ツインカーメン)もいる。
ビジュアルストーリーの敵魔神
- スケルバット14K(イチヨンケー)
- ビジュアルストーリー第1回に登場。ドロロンパの魔神。『ワタル1』に登場する第二界層ボス魔神「スケルバット」の改修機で、全身が金色に塗装されている。改修前と同じ機体の上下分割機構に加えて、機体を透明化するステルス機能を備えている[注 9]。
- マスク・ド・スケルバット
- ビジュアルストーリー第2回に登場。スケルバット14Kの改造機。その名のとおり頭部に赤いマスクを装着し、翼には接近戦用のかぎ爪と突起が追加されている。武装は、口から発射される超音波砲「ビックリ砲」。さらに自機の幻影を大量に生み出す「百鬼夜行モード」という切り札をもち、この状態でビックリ砲を一斉発射する「スペシャルビックリ砲」は、単機発射の100倍のパワーを発揮する[13]。
- コミック版では14Kは登場せずマスク・ド・スケルバットのみ登場。
- ブルコンボス
- ビジュアルストーリー第3回に登場。ボンクラーラの魔神。『ワタル1』に登場する第五界層ボス魔神「コンボス」の改修機で、黒を基調に塗装されている。武器は、先端をミサイルとして射出できるピコピコハンマー状の「ブルハンマー」[11]。
- コミック版では登場せず。
- マッハブルコンボス
- ビジュアルストーリー第4回に登場。カバチョの魔神。両肩に4基のドケドケミサイルに、ブルブルハンマーを搭載。背中のブースターで空も飛び、素早くタックルするマッハ攻撃をしかける。
- エレファンモス
- ビジュアルストーリー第5回に登場。オサムーンの魔神。『ワタル1』に登場する「エレファントム」の改修機で、ゾウの外見にふさわしい圧倒的パワーと、左腕に装着された鎖付き鉄球「イケイケアイアンボール」を駆使した広範囲攻撃が特長。モチーフとなっているのは『魔動王グランゾート』のジャンモス1号。
コミック版の敵魔神
- ブルッキー、アイアンドリル
- いずれも『ワタル1』に登場する敵魔神の同型機。龍激丸編でドケドケ建設が使用する整地作業用の魔神として登場。
- ^ 第1話で聖龍妃が『ワタル2』の海火子について言及する場面があるためで、のちに海火子は第5話から登場した。
- ^ a b c d 第1話スタッフコメンタリーより。
- ^ a b c 第2話スタッフコメンタリーより。
- ^ ネクスエッジスタイル 龍蒼丸『またまた帰ってきた救世主!キャンペーン』特典、創界新聞より。
- ^ ビジュアルストーリー版はドラゴンタワーの屋上
- ^ 第1作、『ワタル2』では、胸紋は●、背紋は第1作では(し)、『ワタル2』では手のひらのマーク。『超魔神』では胸紋・背紋ともにトランプのハートマーク。
- ^ 小説版第1回では、フィーチャーフォン(ガラケー)からの機種変更手続き中であったため、電話が手元になく戦神丸を呼び出せない描写がある。
- ^ ワタル1最終回など翔龍子の姿でも虎王の性格と口調が出ることがある。本作の虎王について神志那監督は『魔神英雄伝ワタル 戦部ワタル&虎王×ぴあ』のインタビューで「虎王も過去作から成長していると思う」との考えから、旧作の無鉄砲な言動が鳴りを潜めたワタルの女房役として描いている。
- ^ a b c ビジュアルストーリー第1話より。ホビージャパン2020年7月号
- ^ 小説では「勇者の剣」と記載されているが、アニメでは「王者の剣」の形状のまま。
- ^ 粘土に亀裂が入っており、六つの勾玉も失われている。
- ^ タイトルコールでは「龍蒼丸、空中決戦!」(読点表記)、アップロード表記は「龍蒼丸・空中決戦!」(中黒表記)。
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