総合診療科
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/09 02:17 UTC 版)
歴史
アメリカ合衆国やイギリスでは、総合診療医(GP:General practitioner)と呼ばれる初期診療を行う分野がある。かつての日本において該当する診療科は存在しなかった。厚生省・文部省の後押しもあり、1978年佐賀医科大学(現 佐賀大学医学部)に最初の総合診療部が創設された。内科・外科といった主だった科のみならず、精神科・皮膚科・小児科など幅広い領域での初期診療を行うことが特徴であった。
日本では世界におけるGPのように、産婦人科にまで広げた診療は事実上困難であるため、内科関連疾患を中心とする総合診療科が主体となっている。全国各地の大学病院や市中病院で相次いで創設されているが、開設時はそれまで他の診療科であった医師が創設メンバーとなることが多く、それに伴って診療内容、方向性は施設によりかなり差異がある。また、全ての大学にある訳ではない。
日本は1人当たりの病院の受診回数が英米の3倍、コンピュータ断層撮影(CT)検査の回数も欧米より多く、こうした過剰検査の抑制から総合科が期待されている[2]。専門的な診療を必要とする病気は実際にはそれほど多くないため、個々の臓器別に診療するのではなく、総合的に診断することで、95%までが検査なしに疾病診断ができるため、過剰検査を抑制する要だとされている[2]。
2007年に厚生労働省は、総合科と認定医の検討を報告した[3][1]。
2010年に放映された日本のテレビドラマ『GM〜踊れドクター』は、総合診療科を舞台にしている。
2018年度より開始された日本専門医機構が認定する「新専門医制度」において、総合診療専門医が新設されることとなった。
- ^ a b 第4回医道審議会医道分科会診療科名標榜部会「総合科の新設について(案)」厚生労働省、2007年12月7日。
- ^ a b c 田中秀一 (2011年1月9日). “総合診療危機打破のカギ”. 読売新聞: p. 23面. オリジナルの2011年11月12日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「「総合科」「認定医」案に医師会反発」熊本日日新聞、2007年6月6日朝刊。
- ^ “総合診療科 - 東京医科歯科大学医学部附属病院”. www.tmd.ac.jp. 2018年8月25日閲覧。
- ^ 総合診療科一覧[リンク切れ]
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