私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/23 09:17 UTC 版)
申告制度
申告制度は45条に規定がある。
何人も、公正取引委員会に対し、この法律に違反している事実があると思料するときは、その事実を報告し適当な措置を求めることができ(1項)、公正取引委員会規則が定めるところにより、書面で具体的な事実を摘示したものであるときは、速やかにその結果を報告した者に対し通知しなければならない(3項)。
4項は職権調査についての規定である。
行政調査
行政調査は47条に規定がある。
- 事件関係人等に出頭を命じて審尋し,又は報告聴取すること
- 鑑定人に出頭を命じて鑑定させること
- 帳簿等を提出させ留め置くこと
- 事件関係人の営業所に立ち入ること
いずれも間接強制(罰則はあるが、直接強制はできない)。もっとも、1号の審尋はめったに使われず、大概任意の事情聴取という形が取られているようである(すなわち拒否する自由があるということである)。
審判手続
審判手続は、独占的状態に対する措置に関するものを除いて、審判請求があってから開始する。原則として、委員会が指定する審判官による公開の審判手続きを経て、委員会による審決が出される。
審決取消訴訟は東京高裁の専属管轄で、事実認定に関して実質的な証拠がある場合は裁判所も拘束される。
立法論としては審判制度を廃止して、最初から裁判所で争えるようにすべきだとの意見もある。
審判制度は,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律(平成25年法律第100号)の施行(平成27年4月1日)により廃止された。ただし,同改正法附則第2条の規定により,平成27年3月31日までに排除措置命令及び課徴金納付命令に係る事前通知が行われた事件については,なお従前の例によることとされている[3]。
犯則調査
国税の犯則調査と類似の制度が設けられた。犯則調査の際は黙秘権が存在する(もっとも黙秘権告知義務無し)。
- ^ 日本法令外国語訳データベースシステム; 日本法令外国語訳推進会議 (2015年9月10日). “日本法令外国語訳データベースシステム-私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律” [Act on Prohibition of Private Monopolization and Maintenance of Fair Trade]. 法務省. p. 1. 2017年6月17日閲覧。
- ^ いわゆる主婦連ジュース事件に関する最高裁昭和53年3月14日判決民集32巻2号211頁を参照。
- ^ “審判官:公正取引委員会”. www.jftc.go.jp. 2022年6月6日閲覧。
固有名詞の分類
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