福島第一原子力発電所事故 裁判

福島第一原子力発電所事故

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/07 10:07 UTC 版)

裁判

市民団体に業務上過失致死傷等容疑で告発された東電旧経営陣、菅氏ら当時の閣僚、既に廃止された原子力安全委員会の班目春樹元委員長ら原子力行政担当者ら計42人について、検察当局は1年以上に及び地震や津波の専門家からも意見を求めて捜査を行ったが、2013年9月9日、不起訴とした。その理由として「個人の明確な過失を示す新証拠は見つからなかった。その結果、「津波15.7メートル」の数字は東電内部での試算に過ぎず、事故を関係者が予見していたとは言い切れない」等と、「リスクは予見可能」との見解を否定し不起訴処分とした[315][316]

しかし2014年7月、東京第5検察審査会が、東電の元会長・元副社長2人の計3人について「電力会社の取締役は極めて高度な注意義務を負う」として起訴相当と議決[317]。これを受けた東京地方検察庁は2015年1月22日、震災前に今回ほどの巨大津波が来るという知見はなく、事故の予測は困難だったとして、再び不起訴処分とした[317]

しかし検察審査会が2015年7月に再び起訴相当と議決したため、強制起訴されることになり、2016年2月29日に東電元幹部3人が業務上過失致死傷容疑で起訴されたが[318]、2019年に東京地方裁判所永渕健一裁判長)により、「津波による事故を予見可能だったとはいえない」として、いずれも無罪判決が言い渡された[319]。検察官役の指定弁護士は判決を不服として控訴したが、2023年1月、東京高等裁判所(細田啓介裁判長)は1審判決を支持し控訴を棄却した[320]。指定弁護士は判決を不服として上告した[321]







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