演奏記号 省略記号

演奏記号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/14 05:33 UTC 版)

省略記号

表記 読み 意味 備考
8 オッターヴァ アルタ 記音の1オクターヴ上を弾く 音や和音のみに単独で付ける場合には、音符の上や下に記号を記入し、一連の楽句に付ける場合には、上や下に点線でその範囲を囲む。88vaとだけしか記されていない場合には、音符の上や下のどちらに書かれているかと、点線の終わりの鍵の向きだけで、オクターヴ上か下かを判読しなければならないことになる。
元の記音に戻す場合に誤解を防ぐため、特に現代音楽の複雑な楽譜においては、locoと書き添えられることもある。

音域を広く活用する現代音楽において、2オクターヴ移高する記号が流行しはじめた頃は、見やすさの点で15ではなく16が使われることもよくあった。次第に15を使う人が増え、現在では殆どの作曲家が15を2オクターヴとして正確に表記している。

8va alta
8 オッターヴァ バッサ 記音の1オクターヴ下を弾く
8va
8va b
8va bassa
クィンディチェジマ アルタ 記音の2オクターヴ上を弾く
15ma alta
クィンディチェジマ バッサ 記音の2オクターヴ下を弾く
15ma bassa
  前のと同じ  
シミレ 前の小節と同じ
  斜線の数に相当するはたの数の音符で刻む(同音(和音)反復する) 例の場合は4分音符を32分(はた3つ)で刻む。8個の32分音符になる。親音符が8分音符以下の場合にはそのはたの数を合わせたはたの数の音符で刻む。たとえば、8分音符(はた1つ)に斜線が2本付いたら32分(はた3つ)で刻む。楽譜に表すとの様に演奏することとなる。
 トレモロ 斜線の数に相当するはたの数の音符で2音(和音)間を往復する のように書かれる。この場合は2分音符を16分(はた2つ)で刻む。8個の16分音符で4回往復することになる。また、親音符が4分音符の場合には(4分音符を32分でバッテリー)のようにぼうから離して書かれるのが本式である。この場合は4分音符を16分(はた2つ)で刻む。4個の16分音符で2往復することになる。黒音符の場合には、ぼうに接している斜線は親音符のはたと見なすのが本式であるが、接する斜線があっても親音符を4分音符ととらえるべき楽譜も多い。
tremolo (trem.) トレモロ なるべく早く刻む 上2項に伴って用いられる。はたの数にこだわらず、なるべく速く反復する。この指示がなくても、不可能なほど速い刻みを求められた場合は、なるべく速くの意味にとっていい。

注釈

  1. ^
    演奏記号は、#速度記号#発想記号#強弱記号、唱法や演奏法上の記号、#省略記号に大別される[1]

出典

  1. ^ 黒坂俊昭; 日本大百科全書(小学館ニッポニカ). “演奏記号とは”. コトバンク. 2021年8月20日閲覧。
  2. ^ 遠藤 2009, p. 87.
  3. ^ a b 遠藤 2009, p. 102.
  4. ^ a b 遠藤 2009, p. 10.
  5. ^ 遠藤 2009, p. 105.
  6. ^ a b 遠藤 2009, p. 20.
  7. ^ 遠藤 2009, p. 117.
  8. ^ a b c 遠藤 2009, p. 17.
  9. ^ 遠藤 2009, p. 21.
  10. ^ 遠藤 2009, p. 190.
  11. ^ 遠藤 2009, p. 191.
  12. ^ a b 遠藤 2009, p. 138.
  13. ^ a b c 遠藤 2009, p. 173.
  14. ^ 遠藤 2009, p. 133.
  15. ^ 遠藤 2009, p. 114.
  16. ^ a b 遠藤 2009, p. 146.
  17. ^ 遠藤 2009, p. 141.
  18. ^ 遠藤 2009, p. 8.






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