怪獣8号 怪獣

怪獣8号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/11 14:50 UTC 版)

怪獣

古来より突如現れ、世界各地を襲う巨大生命体。メインで現れる怪獣を「本獣」といい、続いてそれに随伴する形で小型中型の「余獣」と呼ばれる個体が現れることがある。サイズは100m超から人間と同程度、数十cmのものまで様々。ユニ器官と呼ばれる怪獣ごとの特性を発揮する器官を持ち、特性によって「菌類系怪獣」「翼竜系怪獣」などに分類される。

基本的に、出現後は速やかに防衛隊の手で討伐されるため特定の名称を付けて呼ばれることはない。一方、強大な怪獣や討伐が難航した怪獣は識別怪獣として「怪獣◯号」とコードネームが付けられる。物語開始までに計7体の大怪獣に付けられていたが、怪獣8号は防衛隊発足以来初の未討伐個体となった。

現実世界の地震と同じく災害として扱われており、地震の規模を示すマグニチュードと同様に「フォルティチュード(ft.)」という規模を示す独自の指数が存在する。数値の詳しい計測方法は不明だが6.0以上あれば『本獣』クラス(本獣の強さはピンキリなので、5.0台以下も多いと思われる)、更に8.0以上であれば『大怪獣』クラス、9.0以上で歴史に残る大怪獣『識別』クラス、9.5以上に至って『特識』クラスといった計測内容での数値で表示・分類がされ、数値が高いほど「強度」及び脅威度が増していく。

これらの怪獣から得られた素材は防衛隊の兵器のパーツとして使用される。特に識別クラス以上のパーツは極めて強力で「識別怪獣兵器(ナンバーズ)」と呼ばれる(後述)。

識別怪獣

怪獣8号
カフカが怪獣に変身した姿。人型の体格に2本の角が生えた骸骨のような顔に、黒い筋肉で覆われている身体を持つ。
怪獣への変身はある程度自由に行えるが、少し力んだだけで部分的に変身してしまうなどコントロールは不安定だった。フォルティチュードは9.8を記録し、パンチ一撃で怪獣を粉々にするなど保科いわく「歴史に残る大怪獣」と評されるほどの力を持つ。変身時もカフカの理性は保たれているが、本能的に鳥などの生物を捕食してしまったり排尿することがある。
防衛隊発足以来初の未討伐事件となり、「怪獣8号」のコードネームをつけられ日本中の防衛隊員から追われる身となってしまう。10号による立川基地襲撃の際にカフカが人前で変身した事から正体が露見し、本部に拘束されるが、功の判断により処分保留となり、怪獣兵器として運用される事となる。
怪獣9号
人型の怪獣。
知性と人語を有し、捕食した人間に擬態する、指から光線を発射する、通信機器を遮断するフィールドを張るなど既存の怪獣とは異なる特性を有している特異な個体。むき出しになった歯の付いた菌類のような頭部が特徴。伊丹からは「ウイルスのような怪獣」と評され、高い学習能力を持ち、戦うたびに進化していく肉体的にも頑強である。最も恐れられている能力は、「識別怪獣クラスの怪獣を創り出す」能力である。
入隊試験に乱入し、試験用の怪獣を蘇生させキコルを負傷させるなど混乱に陥れる。後にモンスタースイーパーの作業員に変装し、相模原討伐戦にも出現。レノと伊春を重傷に追い込み、怪獣8号と交戦。後に8号に続く未討伐個体として「怪獣9号」の呼称が与えられるが、新たな顔を得て潜伏。
その後、蟻型の余獣を引き連れ、品川に3度目の出現。α、β、γの3体に分裂し、2体で陽動を行うなど高い知性を見せており、知略・洞察・心理的攻撃などの搦手すら利用し、功と彼に備わっていた怪獣2号の力を取り込み、8号と鳴海の攻撃すら退けて去っていった。
都度何らかの目的を持って、自体を引き起こす活動している様子がうかがえるがその詳細は不明。
怪獣10号
西洋の全身甲冑のような姿をした人型怪獣。眼は顔面中央にあり、十字傷のような瞼に覆われており、瞼の内部には余獣に指令を下す器官が付随する。口は二重で、肉食動物のような乱杭歯の奥に草食動物のような臼歯が生えている。
主な攻撃は打撃技のみだが、その筋力はデコピンの風圧だけで遥か遠方の建物の壁にひびを入れるほどで、本気の拳は風圧一線で建物に大穴を開ける。更に本人の高い戦闘技術により目にも止まらぬ連撃を放ち、保科からは『隕石』とまで称された。また、巨大化能力を持ち、その際は頭部にはカブトムシのような角が生え、瞼と顎が一体化した姿となり、筋力が大幅に上がったことに加え、特徴的な目は全身に形成することが可能で死角が無くなる。
本来は単独行動しか行わないフォルティチュード6.0以上の翼竜型怪獣すら従え、特攻すら辞させないほどのカリスマ性を有する。人間や怪獣問わず強者との戦いを好んでおり、どれほどの窮地に追い込まれようが常に冷静に相手の攻撃を見抜き、真っ向からの勝負に挑む武人的な性格。実は9号によって作られた試作品の怪獣であり、試作品でありながらフォルティチュードは人型時には8.3、巨大化時は9.0を記録している。
防衛隊第3部隊の本拠地である立川基地を、翼竜系怪獣の編隊と共に空から襲撃、迎撃に向かった保科を即座に敵中最強と見抜き、翼竜系怪獣に指示を出しつつ自身は保科と対峙、激戦の末に全身をバラバラに切り裂かれてしまうが、核は残っていた為高圧の蒸気を噴出しながら巨大化、翼竜系怪獣を自爆させるなどの奇策により保科を圧倒し、駆動限界を迎えた保科を追い詰めたが、保科の命がけの時間稼ぎが功を為し、駆け付けたミナの砲撃で体に大穴を開けられ、更に保科とキコルにより体制を崩されたところでミナの直撃弾を受け、核を半壊され敗北した。それでも残存していた核のかけらが付随していた首部分だけで、残った翼竜系怪獣を全て結集させて巨大な爆弾に変え、自分諸共立川基地そのものを爆破しようと試みたが、自分の正体が露見するのも厭わずに怪獣8号に変身したカフカの渾身の拳で爆弾が上空に打ち上がり、間一髪で地上での爆発を回避されてしまった為に失敗、第3部隊により回収され拘束された。
その後、「識別型怪獣兵器10号」へと兵器化されたが、プロトタイプの段階では自らの意思を残しており、「史上初の意志を持った怪獣兵器」となった。

過去の識別怪獣

怪獣1号
最古の識別怪獣。功が体験ではなく記録から情報を引用している事から、相当古い時代に出現した怪獣である事が窺える。生物が脳から発する信号を視覚化する未来視の能力を持ち、回避不能な攻撃を放った。
怪獣2号
1972年に札幌を襲撃し壊滅寸前にまで陥れた大型怪獣。強力な指向性エネルギー攻撃を備えていた。副長官の伊丹曰く「凄まじい破壊力と息絶える寸前まで屈しない気位の高さを持つ大怪獣」だったとのこと。防衛隊に討伐され、スーツとアームの素材にされるが、使いこなせるのは四ノ宮功ただ一人しかいない。
怪獣6号
物語の10年前に群発災害を引き起こした怪獣で9号登場以前の「怪獣の王」と呼ばれた怪獣。災害によって隊員200人と隊長3人が犠牲になった。討伐後は兵器化されるが、適合者不在で封印された。

その他

小型の怪獣
声 - TARAKO
カフカを怪獣化させた元凶の怪獣。外見は4つの細い羽根がついた、トカゲのような怪獣。第1話にて、入院のカフカの前に突如出現、「ミツケタ」と人語を話した直後、直ぐ様カフカの口から体内に侵入し、彼を怪獣化させた。その後しばらくはカフカの体内で大人しくしていたが、功との戦闘時に彼が持つ怪獣2号の兵器に反応したのか、「カイジュウコロス」と殺意を露にし、カフカを強制的に怪獣化・暴走させた。
明暦の大怪獣
1657年に江戸に出現したと言われる怪獣。古文書によれば土竜67型に近い外見。当時はまだ刀剣や石火矢・火縄銃などしか無かったため、歴史上最も多くの死者を出した怪獣とされる。
エリマキトカゲ型の怪獣
小説版の回想で登場。保科副隊長が第3部隊配属となるきっかけを作った怪獣。数年前に青梅市に出現した爬虫類系怪獣。本獣は体高30mほど。きわめて獰猛な肉食獣であり、胃液を吐いて弱らせた生物を捕食する習性を有し、余獣含めて人間を十数名食い殺している。
フィリノソマ
冒頭で横浜市に出現したトカゲ型の怪獣。柳田理科雄氏曰く「100mを超える体長」であったが、出てきて1ページで亜白ミナの砲撃で瞬殺。図体の割にフォルティチュードが6とそこまで甚大ではないのは、こういう単にでかいだけで動きも遅く火も光線も吐かないタイプの怪獣はミナのような高火力型には弱く被害が甚大になる前に駆除できると思われる。その後、四つん這いの人間のような形状のものや亀のような形状のものなど余獣が複数体登場し、前者のうち1体は怪獣8号となったカフカに倒されることとなる。
牛鬼型の怪獣
物語開始の1年前、八王子市に出現した怪獣。16人の犠牲者を出したが、防衛隊に捕獲され、演習場で飼育されていた。防衛隊選抜二次試験で受験者たちにより全滅に追い込まれたが、怪獣9号によりゾンビ化されて暴れ回る。
菌類系怪獣
相模原市に出現した怪獣。本獣のサイズは150m。凄まじい生命力により余獣からも自己増殖可能。カフカら第3分隊新入りの初任務の相手。

トリコネフィラ

蜘蛛の胴体から甲殻に覆われた人間の腕と顔が生えたような外見の蜘蛛型怪獣。全長10m。作中では地中から2体出現し、最初の個体はフィリノソマの解体作業をしていたカフカとレノに襲いかかり重傷を負わせるも、寸前で駆けつけたミナによって全身を蜂の巣にされあえなく轟沈。住宅街に現れた2体目は、家を破壊し中の母娘を食い殺そうとするも、8号の察知能力で駆けつけたカフカに寸前で妨害される。その後、怪獣として初めて本気を出したカフカの一撃によって粉砕された。

プリミジニウス

甲殻類系怪獣
小説版に登場。伊勢原市に出現した蟹型の怪獣。全身が強固な甲殻に包まれ、巨大な鋏で攻撃する。背中のユニ器官から水飴状の粘液を分泌し、土砂やコンクリートなどを体に纏う習性があるので、ただでさえ頑丈な装甲が更に強化されている。
魚類系怪獣
小説版に登場。冒頭で小型のものが死体として登場したほか、第4章で河口湖に大量に出現した。死体は予想通り物凄く臭い。基本的には水棲だが、成長すると四肢を生やし上陸して暴れる。本獣はクジラさえも丸のみにしそうなサイズで、テッポウウオのように口から数十tに及ぶ水を噴射する。

  1. ^ 本作以前には『SPY×FAMILY』が看板作品であったとされている[11]
  2. ^ 彼以外の同期は基本的にミナを目標にしているキャラが多い。
  3. ^ 第102話時点で88%。
  4. ^ 移動用の車両は配備されている。





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