建築学 その他

建築学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/27 07:18 UTC 版)

その他

以下のほか、建築教育研究、住宅学住居学、文化財修復などの分野や、防災(耐震補強・気象予測・震災火災等予防・避難経路の選定、研究)、海洋学農村計画分野、近年では環境工学(計画原論)や情報システム工学の面からも研究が行われている。

住居学

不動産科学

建築情報学

建築分野にもデジタル・ファブリケーションを利活用するなど情報技術の導入は古くから存在し、建築学の各分野を横断して実戦と学術研究開発が進められている。2021年には建築という概念を情報学的視点から既存の建築学の体系を再編、再構成することを共通の出発点にした学際として、建築情報学会が発足している。

建築経済学

建築経済学、建築経済(building economy)とは、建築工業の内部にみられる生産関係、およびこれを基盤にして成り立つ流通上の社会的な諸関係をさし示す概念である。このような経済を研究するもので建築経済を研究対象とし、建築経済現象にみられる一般性共通性から、そこでの諸概念を確定し、これらの現象相互間の規則性を明らかにして諸法則を求め、それらの諸概念・諸法則を総合して理論体系を打ち立て、そこから建築経済の機構・運動を明らかにするものである。このようにして建築経済学は、建築学の基礎学科の一つに属している。なお、建築経済研究に際し基本的に重要な事項は、建築労働(建築工業部門に新たな価値をもたらす)、建築生産機構(建築工業部門、諸企業への価値配分のメカニズム)、建築生産手段(建設資材価格の動向の影響)などである.

建築生産学

建築生産"という用語が初めて登場したのは当時京都大学に在籍中の西山夘三らによる「DEZAM 7号」(1932年(昭和7年))掲載の「建築と建築生産」で、ここでは建築の工業化・合理化をテーマとして生産の後進性が指摘されている。戦後からある時期までの建築生産研究は、日本建築学会の建築経済委員会に属する研究者達によって支えられ方法論的・実証的研究に向けての研究活動を開始した。同研究会の設立の目的は (1) 建築生産に関する方法論的研究、(2) 建築生産の性格(生産関係)に関する研究、(3) 建築生産の生産力に関する研究、(4) 建築生産における施工能力、施工技術に関する経済的分析の4点であった[6]。しかし「当時においては、建築生産という考え方は未だ一般的ではなく、研究活動形式においても模索することが多かったと思われる」と「建築学会関東支部30年史」は述べている。その後1965年(昭和40年)に徳永勇雄により「建築経済と建築生産論の発展」が発表され、ここでは生産論が建設産業論として捉えられる。このような事情を経て、1966年(昭和41年)建築経済委員会に建築生産部会が創設され(主査:古川修のちに岩下秀男に交替)、2年後に部会討論の結果を取りまとめて「建築生産論の提起」(代表執筆:巽和夫)を発表、当面の研究課題の連関関係概念図および建築生産論の研究テーマが示された。そこでは「建築研究の中に建築生産論と呼ぶべき総合的研究の必要性を提起したつもりである」と結ばれている[6]。1975年(昭和50年)に同部会がまとめた「日本の建築生産・研究の現状その2・建築生産文献解題」では「建築生産論が従来いわゆる施工だけを意味するのではなく、設計も材料・構造・設備・経済等々を含んで建築を作る行為全体を一貫的に捉えようとするもの」と述べられている。

建築施工学

建築の施工に関しての学科目として、建築施工学との名称で、大学で講義が開講されているほかに、大学によっては専門とする研究室も開設されている。工業高等学校建築科などでは高等学校学習指導要領 第3章 専門教育に関する各教科 第2節 工業 で、第2款 各科目 第31 建築施工[7][8]と、定められる。


  1. ^ n.a. 著、建築用語辞典編集委員会 編『建築用語辞典』技報堂、1965年7月10日、369頁。 
  2. ^ 建築学”. コトバンク. 2020年2月5日閲覧。
  3. ^ 論文・作品の募集にあたって”. 日本建築学会. 2020年2月5日閲覧。
  4. ^ a b 専攻紹介 建築学専攻”. 東京大学大学院工学系研究科. 2020年2月5日閲覧。
  5. ^ “計画系・構造系・環境系” 多岐にわたる京大建築について”. 京大建築式. 京都大学. 2020年2月5日閲覧。
  6. ^ a b 日本の建築生産 組織の発生・体系の合理化を解明する 彰国社 1977
  7. ^ [1]文部科学省ウェブサイト
  8. ^ 教育用の教科書は、例えば工業376建築施工 (実教出版の場合)
  9. ^ 江口知秀「"建築"と いう熟 語 の成立 ~」 建設産業図書館通信vo1.22『EAST TIMES』、東日本建設業保証株式会社
  10. ^ 菊池重郎「17 文部省における「百科全書」刊行の経緯について : 文部省刊行の百科全書「建築学」に関する研究・その1」『日本建築学会論文報告集』第61巻、日本建築学会、1959年、112-119頁、doi:10.3130/aijsaxx.61.0_112ISSN 0387-1185NAID 110005052473 
  11. ^ 菊池重郎「5035 近世に於けるARCHITECTUREの訳語について(意匠・歴史)」『日本建築学会論文報告集』第60巻、日本建築学会、1958年、661-664頁、doi:10.3130/aijsaxx.60.2.0_661ISSN 0387-1185NAID 110005052452 
  12. ^ 造家学”. コトバンク. 2020年2月5日閲覧。


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