仮面ライダーBLACK (キャラクター)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/23 06:38 UTC 版)
南光太郎
『仮面ライダーBLACK』と続編『仮面ライダーBLACK RX』の主人公であり、仮面ライダーシリーズでは異例の主役続投を果たしている[121][123]。
『仮面ライダーBLACK』
主人公。秋月信彦と同じく19年前の皆既日食の日の同時刻に生まれた。家族構成は父・正人、母・友子。3歳の時に両親と死別し[注釈 34]、父の学者仲間だった信彦の父・総一郎の養子となる。東星大学人文学部2年生で、信彦と共にサッカー部に所属。頭脳明晰でもあり、コンピューター理論や機械工学にも精通する[124]。
19歳の誕生日パーティの最中に起こった不可思議な現象に疑惑を抱き、主催した総一郎の真意を突き止めるべく家に戻ろうとしたところを信彦共々三神官に連れ去られ、生体改造手術を経て世紀王ブラックサンとされたが、脳改造される直前に総一郎の手引きで脱出。以後、仮面ライダーBLACKを名乗り、ゴルゴムの陰謀に立ち向かうことになる。
改造人間として、変身せずとも驚異的な筋力のほかに高い治癒能力や解毒能力[注釈 35]を与えられており、五感も赤外視、無指向性聴覚などが強化されている。一定の変身ポーズをとると、緑色のエネルギーを全身から放出し、バッタ男の姿を経てBLACKに変身する。
本作品が「仮面ライダー0号」として企画されたこともあり、事あるたびに「自らが改造人間にされたことへの苦悩」や「自らと同じ境遇ながら、自我をなくした信彦と戦う苦悩」などにさいなまれるシーンが描かれた。
性格は正義感の強い熱血漢と言える。上記の通り「BLACK」劇中では、仮面ライダーとして一人ゴルゴムから人々を守り信彦を救い出さねばならないという重圧や孤独感から、事件を追っている際は重苦しくもの悲しい表情や描写が多いが、改造される前の回想を見るに本来は明るく快活な青年であることがうかがえ、杏子や克美の前では素の自分を見せることも多い。また女優である月影ゆかりのファンだったり、大井裕子の小悪魔的魅力を評価するなどのミーハーな面やサボテンに水をやりすぎる(しかし、それはサボテン怪人を倒すきっかけとなった)などがさつな面もある[注釈 36]。
一人称は平時は「僕」が多いが、ゴルゴムとの戦闘時はしばしば「俺」になる。
光太郎は些細な事件(マグロ泥棒など)であっても、「ゴルゴムの仕業か!」の台詞と共に調査を開始することがよくあり、「ゴルゴムの仕業だ!」は雑誌『ファンロード』誌上で流行語になった[125]。ほとんどの怪人はゴルゴムと呼んでいるが、一部の怪人(人語を喋る怪人)、三神官(三大怪人)、剣聖ビルゲニア、シャドームーン、創世王に対しては名前で呼ぶ。東映公認のカードゲーム『レンジャーズストライク』や『仮面ライダーバトル ガンバライド』でも「ゴルゴムの仕業」というカードが登場している。
シャドームーンとの戦いで敗れ一度死亡するが、クジラ怪人が用いた命のエキスで復活し、ゴルゴムを壊滅させる。しかし、当初の目的だった信彦救出には失敗し、杏子と克美は戦火を逃れて渡米後に連絡が取れず消息不明となり、戦友のバトルホッパーも喪うなど勝利の代償はあまりにも重かった。第51話予告では、BLACKが崩壊するゴルゴム神殿からシャドームーンを守るシーンが放送されたが、本編ではこのシーンはカットされた。最終決戦後は活動拠点としていた喫茶店「キャピトラ」に立ち寄りそこでかつての仲間たちの写真と楽しかった日々を回想し過去に別れを告げるとバイクに乗り人知れず旅立っていった。
『仮面ライダーBLACK RX』
前作より引き続き主人公として登場する。20歳。暗黒結社ゴルゴムを滅ぼして日本に平和を取り戻した後、叔父である俊吉の元にやってきた。俊吉によると当時は何かに打ちのめされたようにボロボロな[注釈 37]状態だったようで、佐原家で茂やひとみと暮らすうちに次第に明るくなっていき、「充実した人生を送って欲しいから」と願う俊吉の勧めで、ヘリ操縦士の免許を取得し、佐原航空の専属パイロット[127]として新しい生活を送り始めた。光太郎は俊吉をおじさんと呼んでいるが、実際は光太郎と俊吉の親族関係は定かではない[127][128]。
新たなる侵略者であるクライシス帝国の襲撃を知りBLACKに変身しようとしたところを妨害されて捕えられ、クライシス帝国の地球侵略に協力するよう強要され、それを拒否したことでBLACKへの変身機能を破壊され宇宙空間へ放出されてしまうが、地球の影によって発生した太陽光線による日食の光を直接浴びたことによるエネルギーのオーバーロードとキングストーンの力により新たなる姿仮面ライダーBLACK RXへと変身する能力を得る。
居候の身とはいえ家族を得て、新しい生活の中で本来の明るく陽気な性格を取り戻している[121]。ゴルゴムとの戦い、特に兄弟同然の秋月信彦(=シャドームーン)との戦いで負った心の傷が決して浅くないことを覗かせたり[注釈 38]、孤独になるということを極端に恐れたりすることがある。しかし、平和を守る強い決意と仲間たちの支えの下、果敢にもクライシス帝国に戦いを挑む。策略を用いてクライシス帝国を翻弄するというBLACK時代にはなかった一面も見せた。
改造人間ゆえに変身前でも常人を上回る身体能力を有し、本作品では落下する自動車に下敷きになる振り[注釈 39]をしたり、5分間呼吸を停止することも可能であることが描写されている。
『BLACK』時代は一人称に「僕」を用いることが多かったが、本作品では基本的に「俺」になっている。ただし年長者との会話では「僕」も用いる。
口癖は「冗談じゃないぜ!」。また前作同様に、玲子から預かったサボテンに水をやり過ぎてダメにしてしまうなど、花の栽培が苦手なところは全く変わっていない[注釈 40]。クライシス帝国壊滅後、「人間が地球を汚すことで新たな脅威が生まれる」という言葉を胸に秘め、己を鍛える旅に出た。
BLACKの時は、ゴルゴムの怪人のほとんどを「ゴルゴム」と呼んでいたが、RXの時は、クライシス帝国の怪人をクライシスと呼ぶこともあるが、ほとんど名前(ゲドリアン、ガテゾーン、ボスガン、マリバロン、ジャーク将軍、ダスマダー大佐、クライシス皇帝含む)で呼んでいる。
『仮面ライダーBLACK SUN』での南光太郎
1963年、幼少期に科学者で父の南光三とその親友の秋月総一郎によって次期創世王候補として改造手術を受け、キングストーンを体内に埋め込まれてブラックサンとなる[129][130][75]。年齢は70歳で、ヒートヘブンの接種を拒んでいるため、年齢が刻まれた外見となっている[129]。
1972年、差別と戦って怪人の権利を獲得するために五流護六に属していたが、親友の信彦やダロムたちとは50年前に決別し、それ以降は全ての希望を失って表舞台から姿を消して万屋として暗殺や借金の取り立てを請け負って日銭を稼ぐ荒んだ日々を送っていたが、暗殺を請け負った14歳の中学生の少女・葵と出会ったことで再び戦う決意をする[出典 13]。
その中で、信彦とも再会し、ゴルゴムにキングストーンを持つ葵が狙われていることを知るが、彼女がビルゲニアによってカマキリ怪人に改造されたことを知ると、BLACK SUNへと変身する[130]。
だが、信彦がゴルゴム党の新たなリーダーとなったことで、彼と戦うが、彼に敗北して絶命する[130]。
その後、クジラ怪人によって怪人を蘇らせる術の処置を受け、復活し、信彦との再戦で勝利し、キングストーンを手に入れ、新創世王となる[130]。
だが、ビシュムによってヒートヘブンや新たな怪人を生み出すエキスを抽出する装置に繋がれ、光太郎としての意識が失われていたが、意識がわずかに残っており、殺してくれと葵に懇願したことで、葵によってサタンサーベルで貫かれて塵と化した[85][86]。
注釈
- ^ 劇中ではフルネームや「(仮面)ライダー」と呼ばれるが、「BLACK」単体での名称は本編では未呼称。
- ^ 初めて人前で戦ったのは第3話。しかしその際BLACKに救出された子供が、既に名前と存在を知っていた。第18話では、杏子と克美がその存在を周知の事実であるかのように語る場面が存在し、その時点で完全に人々に認知されていることが窺える。
- ^ 復活の報は、アメリカへ渡った杏子と克美にも届いた。
- ^ 文献によってはバッタ人間[5][6]と称している場合もある。バッタ人間はデザイン検討中に石ノ森が描いた変身プロセスのイメージイラストが元となっている[7]。また、仮面ライダー図鑑ではバッタ怪人と称されている[8]。
- ^ その時、主要関節部から変身に使われた余剰エネルギーが蒸気のように放出する[2]。
- ^ 第13話から。威力の上昇と共に、手足先から発する閃光はより激しくなる。だが第1話からすでにバイタルチャージらしき動作を行っており、その際は赤い光がキングストーンから放出されている。
- ^ 書籍によっては強化後を新ライダーキックと表記される[13]。
- ^ ビルゲニアはヘルシューターのコンピューターが狂った直後に危機を察して離れ、難を逃れた。
- ^ 第1話のクモ怪人(全5体のうち4体)、第18話のクロネコ怪人、第28話のコガネムシ怪人(ただしクロネコ怪人については、パンチの直後にビルゲニアが放ったビルセイバーの遠隔攻撃で体を貫かれたことが最終的な致命傷となった)。
- ^ 書籍によっては強化後を新ライダーパンチと表記される[13]。
- ^ 劇中で初めて人前に姿を見せたのは第3話だが、この時は居合わせた玲子や茂たちは気絶していた。第5話にて玲子によって初めてその姿を目撃されるが、その時点ですでに名前と存在は周知の事実となっていた。
- ^ 第2話、第5話、第29話、挿入歌「戦場のライダーRX」、明治製菓のCMなど。
- ^ この動作について、岡元は初披露がアクロバッターに乗りながらのものであったことから、左手で抜いて右手に持ち替えるものになったといい、それがちょっとしたアクセントになったという[38]。
- ^ 後年の客演ではサンライザーの右側で生成され、直接右手で引き抜くことが多い。
- ^ テレビ本編でもリボルケインの刀身が光っていないシーンがわずかだが存在する(第3話、第22話、第30話など)。またスチール写真などでは、光学合成前の光っていないリボルケインであることがほとんどである。
- ^ ただし、本作品の海外版である『マスクド・ライダー』ではとどめを刺すときに光弾を発射している。
- ^ 『ディケイド』への客演時や『オールライダー対大ショッカー』でも敵に突き立てるシーンはあるが、いずれもリボルクラッシュではない。
- ^ 呼称しないまま使用したことも何度かある。
- ^ 書籍『仮面ライダー画報』では、40メートルと記述している[52]。
- ^ 書籍『仮面ライダー画報』では、90分と記述している[52]。
- ^ 実はRXを陥れるための替え玉だった。
- ^ 第15話 - 第17話、第19話、第20話、第22話、第25話 - 第27話、第31話、第34話、第38話、第40話、第41話、第43話、第45話 - 第47話。
- ^ 初期は胸のあたりに両手を持ってくることで、出現させていた[56]。
- ^ 第17話、第18話、第20話 - 第22話、第26話、第29話、第32話、第33話、第35話 - 第37話、第39話、第40話、第41話、第43話、第45話 - 第47話。
- ^ 技名の呼称は第22話のみ。
- ^ a b c d 資料によってはcm表記[87][88]。
- ^ 第21話で、タマムシ怪人のクローン虫に乗っ取られ暴走しているバトルホッパーの代わりに、BLACKはロードセクターで砂利の斜面を登ろうとするが、悪路走破性の悪さから登れなかった。
- ^ 第12話、第21話、劇場版2の計3回。
- ^ 第13話では、アンテナのセンサーを駆使して、フラーミグラーミが実体化する位置とタイミングをRXに伝達した。
- ^ a b 第11話では、手負いの状態で戦いに向かおうとする光太郎を止める際、彼を憂うる感情から、周囲の機械に影響を及ぼす念波を発していた。
- ^ 最終回(第47話)ラストでは光太郎がRXになると同時にアクロバッターに変化している。
- ^ 起動直後はRXに「おまえの同志」と宣言し、第15話で光太郎の呼び出しに応じ怪魔界にやって来たときには、「RXあるところ、ライドロンとアクロバッターあり」と告げた。
- ^ 書籍『仮面ライダー画報』ではRX-7(二代目、FC3S)と記載している[93]。
- ^ 光太郎の父は暗黒結社ゴルゴムのメンバーに入ることを断るなどゴルゴムに反したことから。
- ^ コロコロコミック版では身体強度も桁外れであり、別種の生物との合成による再改造を施された際には合成されようとしたイグアナだけが破裂して死亡し、BLACKは無事だった。
- ^ 小説『仮面ライダーBLACK MADソルジャー計画』ではインテリな雰囲気が苦手であるという描写もなされた。
- ^ 第2話の劇中で俊吉は「見るも無残なくらい疲れていた」と語っている。
- ^ 死んだと思っていたシャドームーンを前にした時には敵対していたと分かっていながらも我を失い夢遊病者のように迂闊に接近したり、戦闘中にいつもなら取れる受身すら取れないほど動揺していた。
- ^ この時点での変身機能はまだBLACKのまま。
- ^ その時もバレないように、人の所有物であるサボテンを盗まれたことにして、あろうことかゴミ箱に捨ててしまおうとする図々しくもしたたかな一面まで見せた。
- ^ a b c 作中、明確に別人物とされる描写は無いが、『クライマックスヒーローズ』のように同一の声優を起用している作品から『仮面ライダー大戦』のように別の声優を起用している作品まで存在する。
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出典(リンク)
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