ロッキー・ホラー・ショー (ミュージカル)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/24 10:03 UTC 版)
あらすじ
第1幕
荒廃した映画館で働くアシュレット(トリクシー)は、バック・ヴォーカルである仮面をしたファントムたちと共に今夜の「映画」を紹介する(Science Fiction/Double Feature )。
高校時代からの親友ラルフ・ハプシャットとベティ・マンローの結婚式の帰り、ブラッド・メジャーズはベティの友人ジャネット・ワイズに愛を告白し(Dammit Janet )、2人は婚約する。 ナレーターが登場し、ブラッドとジャネットは婚約の報告のためにデントンを経ち、科学講師のもとに向かっている途中に暴風雨に遭うと解説する。道中2人の車はタイヤがパンクし、電話を探しに雨の中歩いて行くと古城にたどり着く(Over at the Frankenstein Place )。
ナレーターは、ブラッドとジャネットが不安ではあるが、全てを受け入れなければならないと解説する。ブラッドとジャネットが到着すると、せむしの雑役夫で住み込み執事のリフ・ラフが彼らに挨拶していると、彼の姉妹でメイドのマジェンダが登場する。リフ・ラフ、マジェンダ、そしてグルーピーのコロンビアが、配達員エディが配達に失敗したため不幸な境遇に陥れられたと語る(The Time Warp 注1)。ブラッドとジャネットは逃げようとするが、全性愛、異性装、マッドサイエンティストのフランク・N・フルターがやってきて止められる。彼は「トランシルヴァニアのトランセクシャル出身のスウィートなトランスヴェスタイト(異性装)」と自己紹介し、ブラッドとジャネットを自分の研究所に招待する(Sweet Transvestite )。彼が退室すると、ブラッドとジャネットは乾かすために服を脱がされる。
ブラッドとジャネットが研究所に行くと、フランクは2人に白衣を与える。フランクは生きること、それ自身の秘密を発見したと告げる。彼は生を与えられた金髪で体格の良い人造人間ロッキー・ホラーを公表する。包帯を取り除くと、ロッキーは自身の窮地を恐れる(The Sword of Damocles )。フランクは筋肉を称える歌によってロッキーの体格を称賛する(Charles Atlas Song /I Can Make You a Man 注2)。研究所のコカ・コーラ冷蔵庫が開いて、フランクとコロンビアの元彼氏で手術の縫い目の残るバイク乗りのエディが登場する。エディは脳にダメージのあるゾンビで、コロンビアを救い出そうとしてフランクの研究所を荒らして逃げる。エディは過去に生きていた頃の記憶を一部取り戻す(Hot Patootie – Bless My Soul )。フランクはパニックになり、エディを冷蔵庫に戻そうとするが、斧を振り回して殺そうとする。フランクはエディの脳を半分与えたロッキーに、エディよりもロッキーを気に入っていると語る(Charles Atlas Song (Reprise) /I Can Make You a Man (Reprise) 注2)。かつてフランクとエディは精神的に強く繋がっていたが、エディは筋肉がないため捨てられたのである。ブラッドとジャネットはゾンビとなったエディの殺害現場を目撃して混乱し、別々の寝室に案内される。
第2幕
ナレーターはブラッドとジャネットが危険にさらされていると語る。ジャネットの暗い寝室で、ジャネットはブラッドとの一夜を楽しんでいるつもりであったが、それはブラッドに変装していたフランクであった。フランクはジャネットに、喜びは罪ではないと納得させ、ジャネットはフランクに、ブラッドには内緒にしていてほしいと頼み、続行する。一方その後ブラッドの暗い寝室で、ブラッドはジャネットとの一夜を楽しんでいるつもりであったが、それはジャネットに変装していたフランクであった。フランクはジャネットに内緒にすると約束するが、続行した途端にリフ・ラフがテレビ画面に登場して中断し、ロッキーが逃げたと伝える。ジャネットは研究所でブラッドを探していると、ロッキーが隠れているのを見つける。テレビ画面を見ると、ジャネットはブラッドがフランクとベッドを共にしているのが見え、ジャネットはロッキーを誘惑する(Touch-a, Touch-a, Touch-a, Touch Me )。ブラッドがロッキーを探すためにテレビを動かしていると、他の者たちがジャネットとロッキーがベッドを共にしているのを目撃し、ブラッドは怒り傷付く(Once in a While )。リフ・ラフはフランクに城に別の訪問者が来ていることを伝える。ブラッドとジャネットが訪ねようとしていた対麻痺の科学講師エヴレット・スコット博士であった。
スコット博士はコロンビアに促され研究室に押し入るとフランクに非難され、城を探索しようとしていたブラッドはスコット博士とFBIとの繋がりを知る。スコット博士はエディを甥と明かし、エディを探しに来たのだと告げる(Eddie's Teddy )。フランクはエディの死体を皆に見せ、ブラッド、ジャネット、スコット博士の3名の客と反抗的なロッキーを拘束するため機器を使用する(Planet Schmanet Janet )。城の住人たちはフランクに連れてこられた宇宙人であることが明かされる。彼らは地球人に深くかかわってしまったために当初のミッションを放棄し、人造人間ロッキー開発に取り組んでいたのである。マジェンダは故郷の星に戻ると語るがフランクはこれを拒否し、フロア・ショーをさせる。
フランクの影響によりコロンビア、ロッキー、ブラッド、ジャネットは下着姿で歌い踊る(Rose Tint My World (Floor Show) )。その後フランクは彼らの抑圧を取り除くようそそのかし、本能のまま動くように仕向けると乱痴気騒ぎとなる(Don't Dream It – Be It )。フランクは皆を最後の熱い曲でフロア・ショーをさせる(Wild and Untamed Thing )。宇宙服を着て熱線銃を持ったリフ・ラフとマジェンタが入ってきてショーは中断する。リフ・ラフはフランクの地位を奪い、星に連れ帰ると宣言する(Transit Beam )。フランクはリフ・ラフから同情を買い、残りの人生を地球人とベッドを共にして生きていきたいという熱意を理解させようとする(I'm Going Home )。リフ・ラフは意に介さず、コロンビア、フランク、ロッキーを銃で撃ち、ブラッド、ジャネット、スコット博士に出て行かせる。
3名が城から逃げると、リフ・ラフとマジェンタは故郷に帰る喜びを語り、仲間のトランシルヴァニアンたちと共に再びタイム・ワープする(Spaceship )。ブラッドとジャネットは城が宇宙に向けて発射するのを見届け、これまでのことは何だったのかと混乱する(Super Heroes )。ナレーターは「星の表面を這う者を虫たちは人類と呼ぶ。時間、空間、意味に惑う」と語る。アシュレットが再登場し、この一夜のできごとを思い返す(Science Fiction/Double Feature (Reprise) )。
- 注1: オリジナル・ロンドンおよびロサンゼルス・ブロダクションでは『Sweet Transvestite 』は『Time Warp 』の前であった。映画版で変更され、1990年のウエスト・エンド再演でオブライアンが脚本を改訂して以降舞台版でも曲順が変わった。
- 注2: 映画版において『Charles Atlas Song 』はこれを改訂した『I Can Make You a Man 』と置き換えられた。1990年の脚本改訂版では2曲を合わせて『I Can Make You a Man 』とした。1999年の再改定版では映画版と同様に戻され、以降メジャーなプロダクションで使用されている。リプライズでは題名以外は変更はない。
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- ^ “ロッキー・ホラー・ショー”. PARCO STAGE -パルコステージ-. 2021年12月1日閲覧。
- ^ http://stage.parco-enta.com/fs/parcostage/PLS0311
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