リバティ L-12 採用

リバティ L-12

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/19 08:48 UTC 版)

採用

航空機

第一次世界大戦時にフランスで飛行中のエアコー DH.4

リバティは主に航空機に搭載された。

フランスの飛行船、RN-1にも採用された。

自動車

ホワイト・トリプレックス

航空機エンジンはパワーウェイトレシオに優れており、最高速度記録を狙う車両にはうってつけであった。

リバティ L-12は以下の2台の最高速度トライアル車両に搭載された。

  • ベイブス: L-12を1基搭載
  • ホワイト・トリプレックス: L-12を3基搭載し、タンデム動作

どちらも新記録を達成したが、さらなる挑戦を行っているうちにクラッシュし、ドライバーは死亡している。

戦車

第一次世界大戦のマークVIII戦車

1917年には、早くもリバティを戦車に搭載する検討が始まり、1917年から1918年にかけてマーク VIII 戦車が設計された。アメリカではリバティ重戦車として導入され、シリンダーを鋼鉄製ではなく鋳鉄製とした300 馬力(220 kW)のリバティ V-12エンジンが採用された。リバティ重戦車は1919年から1920年にかけてロックアイランド兵器廠で100両が製造されたが、第一次世界大戦には間に合わなかった。最終的には2両の保存車を残してすべてカナダに訓練用として売却された。

戦間期には、アメリカではT1E1中戦車に搭載された他、ジョン・W・クリスティーが航空機エンジンと新型サスペンションを組み合わせた高速かつ機動性の高い戦車を着想した。クリスティーの着想に基づき、ソビエトではリバティのコピー品を搭載したBT-2およびBT-5が製作された (少なくとも1基のリバティが再調整のうえBT-5に搭載されたとみられている)。 BT戦車のデモ走行はイギリスの知るところとなり、イギリスではクリスティーの設計がライセンスされてA13戦車 (後の巡航戦車 Mk.III) の仕様が形作られた。

第二次世界大戦時のセントー巡航戦車。ナッフィールド・リバティの最終型が搭載された。

第二次世界大戦が始まると、ナッフィールドはイギリス軍の巡航戦車の生産を担当することになり、巡航戦車 Mk.III以降の各車に搭載するためにライセンスを取得して改設計を行った。後には重装甲化による車重増に対応するため大出力エンジンが求められたことから、航空機エンジンのロールス・ロイス マーリンを転用したロールス・ロイス ミーティアが採用された。

ナッフィールド・リバティーを使用した戦車には、以下のものがある。

船舶


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