ミサ・ブレヴィス (ハイドン) ミサ・ブレヴィス (ハイドン)の概要

ミサ・ブレヴィス (ハイドン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/01 14:30 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

なお、ハイドンにはもう1曲『ミサ・ブレヴィス』という変ロ長調の曲があるが(Hob.XXII:7)、そちらは『小オルガン・ミサ』の通称で呼ばれることが多い。

概要

ラールセンとランドンは1749年から1750年にかけて、ガイリンガーは1750年代のはじめのものと推定している[1]。ハイドンがまだウィーンシュテファン大聖堂の少年合唱団員であったか、合唱団を解雇されて間もないころの作品ということになる。

なおアロイス・フックスによれば、『ロラーテ・ミサ』(Rorate coeli desuper, Hob.XXII:3)がハイドンの最初のミサ曲である。『ロラーテ・ミサ』は長年失われていたが、1957年にランドンが再発見した。しかし失われた『ロラーテ・ミサ』と発見された曲が同一かどうかには疑問が出されている[2]

ハイドンは最晩年の1805年になってパート譜を入手し、そこからスコアを作成して、1749年という年を記した。また新しく管楽器を書き加えた第2版を1806年2月に完成したが、この版は出版されなかった[2]。ただしこの編曲はハイドン本人ではなくヨーゼフ・ハイデンライヒによるかともいう[3]

単純でほぼホモフォニックな音楽であり、器楽部分も簡単である。シュテファン大聖堂の楽長であったゲオルク・ロイター2世の影響が見られるという[4]

編成

1806年版ではフルートクラリネット2、ファゴット2、トランペット2、ティンパニを追加[5]

曲の構成

Kyrie

アレグロ。キリエ、クリステ、キリエ(2回目)それぞれが合唱で始まり、二重唱が後を続ける。明るく単純な曲である。

Gloria

アンダンテ。後のハイドンのミサ曲のように部分に分かれず、一気に歌われる。

Credo

アレグロ。全体に速い曲だが、「et incarnatus est」から「et sepultus est」のキリストの生涯の部分はアダージョで短調の音楽になり、合唱のみで歌われる。

Sanctus

「Sanctus」はアダージョで歌われるが、「Pleni sunt」以下はアレグロになる。

Benedictus

アンダンテのゆったりした音楽で、器楽による序奏につづけて、二重唱によって歌われる。ホザンナはアレグロの合唱で歌われるが、すぐに終わる。

Agnus Dei

アダージョ。静かな短調の曲で、合唱のみによって歌われる。「dona nobis pacem」で長調に転じ、二重唱が加わってアレグロで歌われる。


  1. ^ 大宮(1981) pp.33-34
  2. ^ a b 大宮(1981) p.218
  3. ^ Larsen (1982) p.123
  4. ^ Larsen (1982) p.86
  5. ^ 大宮(1981) 表p.39


「ミサ・ブレヴィス (ハイドン)」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ミサ・ブレヴィス (ハイドン)」の関連用語

ミサ・ブレヴィス (ハイドン)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ミサ・ブレヴィス (ハイドン)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのミサ・ブレヴィス (ハイドン) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS