ポルバース ポセイドーンの子

ポルバース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/18 05:48 UTC 版)

ポセイドーンの子

このポルバースは、アカルナーニアー地方出身の人物で、海神ポセイドーンの子。エウモルポスアテーナイエレクテウスと戦争をしたとき、エウモルポスの軍に加わってアテーナイと戦った[23]

ヘーリオスの子

このポルバースは、太陽神ヘーリオスの息子で、娘アムブラキアーの父。アムブラキアーはエーペイロス地方の都市アムブラキアーの名祖[24][25]

メーティオーンの子

このポルバースは、ヌビア地方のシュエーネーの人メーティオーンの子で、ピーネウスの部下。英雄ペルセウスエティオピア王女アンドロメダと結婚したとき、ピーネウスに従って王宮を襲撃したが、同僚のアムピメドーンとともに床の血で足を滑らせて倒れたところをペルセウスに討たれた[26]

ラーイオスの羊飼い

このポルバースは、テーバイの王ラーイオスに仕える羊飼いである[27]。幼児オイディプースを捨てるべくキタイローン山にやって来たとき、家畜を放牧するために山を訪れていた男と出会い、赤子を与えた。さらに男はコリントスの王妃メロペーに赤子を献じた[28]。後にポルバースはテーバイの王となったオイディプースの命で王宮に出頭し、かつてイオカステーが生んだ赤子の運命について証言した[29]

レスボス島の王

このポルバースは、レスボス島の王である。ディオメーデーという娘がいたが[30][31]トロイア戦争の初期にアキレウスの攻撃を受けて殺され、多くの財宝とともに娘を略奪された[31]。その後、娘ディオメーデーはアキレウスの戦利品として分配され[32]、奴隷として仕えた[33]

イーリオネウスの父

このポルバースは、トロイアー人イーリオネウスの父である。ポルバースはヘルメース神の寵に恵まれた人物で、豊かな家畜と財産の持ち主であった。しかしポルバースの唯一の子供であった息子イーリオネウスはトロイア戦争ペーネレオースに討たれた[34]。あるいは小アイアースに討たれた[35]


  1. ^ a b シケリアのディオドロス、4巻69・2。
  2. ^ シケリアのディオドロス、5巻61・3。
  3. ^ a b c パウサニアース、5巻1・11。
  4. ^ アポロドーロス、2巻5・5。
  5. ^ a b シケリアのディオドロス、4巻69・3。
  6. ^ ヒュギーヌス、14話。
  7. ^ ヒュギーヌス、18話。
  8. ^ a b 『ホメーロス風讃歌』第3歌「アポローン讃歌」211行。
  9. ^ a b パウサニアース、7巻26・12。
  10. ^ a b c ヒュギーヌス『天文譜』2巻14”. ToposText. 2022年5月4日閲覧。
  11. ^ ビューザンティオンのステパノス英語版「Triopion」の項。
  12. ^ アポロドーロス、1巻7・4。
  13. ^ シケリアのディオドーロス、5巻58・4。
  14. ^ シケリアのディオドーロス、5巻58・5。
  15. ^ a b パウサニアース、2巻16・1。
  16. ^ パウサニアース、2巻25・8。
  17. ^ パウサニアース、2巻26・2。
  18. ^ アポロドーロス、2巻1・2。
  19. ^ ヒュギーヌス、145話。
  20. ^ エウセビオス『年代記』64”. ToposText. 2022年5月4日閲覧。
  21. ^ タティアノス『ギリシア人への言葉』39”. ToposText. 2022年5月4日閲覧。
  22. ^ アウグスティヌス『神の国』18巻8”. ToposText. 2022年5月4日閲覧。
  23. ^ スーダ』「Phorbanteion」の項。
  24. ^ ビューザンティオンのステパノス「Ambrakia」の項。
  25. ^ ビューザンティオンのステパノス「Dexamenai」の項。
  26. ^ オウィディウス『変身物語』5巻74行以下。
  27. ^ セネカ『オイディプース』838行-846行。
  28. ^ セネカ『オイディプース』802行-810行。
  29. ^ セネカ『オイディプース』843行以下。
  30. ^ 『イーリアス』9巻665行。
  31. ^ a b クレータのディクテュス、2巻16。
  32. ^ クレータのディクテュス、2巻19。
  33. ^ 『イーリアス』9巻665行-668行。
  34. ^ 『イーリアス』14巻489行-507行。
  35. ^ クレータのディクテュス、4巻7。
  36. ^ プルタルコス「ロームルス伝」2。
  37. ^ ノンノス『ディオニューソス譚』14巻94行以下。
  38. ^ アレクサンドリアのヘーシュキオス「ポルバース」の項。
  39. ^ 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p.268b。
  40. ^ オウィディウス『変身物語』12巻322行。
  41. ^ プトレマイオス・ヘパイスティオン”. Tertullian Project. 2022年5月4日閲覧。
  42. ^ スタティウステーバイス』7巻253行。


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