ペーパー・ムーン スタッフ

ペーパー・ムーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/13 06:00 UTC 版)

スタッフ

主な受賞歴

トリビア

  • 演技の経験も少なかったテータム・オニールは、当時わずか10歳でアカデミー助演女優賞を手にした。この最年少受賞記録は未だに破られていない。後に監督は、テータムが受賞したのはその努力の賜物だと証言している。
  • モーゼとアディを演じたライアン・オニールとテータム・オニールが実の親子ということもあってか、映画の中でも2人は本当の親子かもしれないとも解釈できるところがミソである(アディの母親は、少なくとも3人の男性と関係があったという設定になっており、3分の1以上の確率で本当の父親である可能性がある)。
  • 原作小説の題名は『アディ・プレイ』だったが、監督は「ヘビのようだ」と気に入らなかった。会社に変更を求めたが、10万冊以上売れている原作だったため容易に聞き入れてはくれなかった。監督は困り果て、友人であるオーソン・ウェルズに『ペーパー・ムーン』という題名ではどうかと相談すると、「良いタイトルだ、表題だけで売れる」と絶賛され、劇中のカーニバルの写真屋で「紙製の月」の上にアディが乗りたがるシーンを追加したことで、現在の題名が許可された。やがて、映画が公開されると、原作の題名も『ペーパー・ムーン』と変更になった。
  • タイトルの『ペーパー・ムーン』は、劇中挿入歌として使われている1935年の流行歌『It's Only a Paper Moon』(『イッツ・オンリー・ペーパー・ムーン』、歌:ビリー・ローズ、イップ・ハーバーグ、ハロルド・アーレン)から拝借したものである。ただし、ビデオ版では歌が異なっている。
  • 原作では舞台がアメリカ南部であるが、当時は南部を舞台とした映画が多かったため、映画では中西部に変更されている。この他にも、原作に大幅に手が加えられており、エンディングも撮影中にはまだ決まっていなかった(ラストシーンは、スタッフが未舗装の道に迷い込んだ時に、偶然見つけた場所から発想されている)。
  • 当時はすでにカラー映画がメインになっていたが、あえてモノクローム作品として制作されたのは、主演の2人が恐慌という時代設定に合わない金髪で青い目をしていたのを隠すためである。
  • モノクロのもうひとつの理由は、監督によれば「白黒の方が映画として表現力が増して見えるからだ」という。また手法として、カット割り無しで一気にシーンを撮影する場面が多く見られる。これは、観客を自然に引き込ませる意図を狙ってのことだが、演技する側にとっては難題であり、直線のドライブシーンは36回も撮り直された。この手法は、後半のカーアクションでも効果的に使用されている。
  • 劇中で自動車を駐車する際、モーゼは縦列でなく斜めに車を駐車している。これは、当時の駐車方法を再現したものである。
  • 撮影のラズロ・コヴァックスは、オーソン・ウェルズからのアドバイスでコントラストが引き立つ赤色フィルターを使用した。
  • 当時はまだ無名だったランディ・クエイドが、モーゼと車を交換するため一緒に取っ組み合いをする男役で顔を出している。
  • 出演する俳優・女優のほとんどが、『ラスト・ショー』などから監督作によく登場していた顔ぶれである。
  • 密売人と警察官の俳優は同一人物であり、体重の増減を行うことで体型に変化を見せ、2週間あけて撮影された。
  • 映画のヒットを受けてテレビシリーズ化(1974年9月ABCテレビにて放映)もされた。当時まだ子役だったジョディ・フォスターがアディに扮したが、人気は振るわず、1975年1月に放送は終了した。
  • 同年製作・公開のドイツ映画『都会のアリス』と設定が類似している。そのため、『都会のアリス』監督のヴィム・ヴェンダースは、本作の試写を観て一時製作中止も考えたという。しかし、ヴェンダースは「2人の関係が最後まで変わっていない」ことを不満に思い、脚本の後半部分を書き直して映画を完成させた。
  • 劇中のアディは「It don't〜」や「I ain't〜」など、崩れた英文法やスラングで喋る演出がなされている(通常は「It doesn't〜」「I'm not〜」)。

  1. ^ Photos in 5 Minutes: 39 Bogdanovich, Clifford, Terry. Chicago Tribune (1963-Current file) [Chicago, Ill] 07 Jan 1973: i39.
  2. ^ Paper Moon, Box Office Information”. The Numbers. 2012年1月17日閲覧。


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ペーパームーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/15 06:36 UTC 版)

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