ブライス (人形) 概要

ブライス (人形)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/29 17:59 UTC 版)

概要

1972年、アメリカのケナー社(オハイオ州シンシナティ)に所属していたアリソン・キャツマンによりデザインされ、同社より発売された着せ替え人形である。

大きな頭(三頭身でグレープフルーツ大)が特徴で、頭の後ろから出ているひもを引っ張ると瞳の色が4色(グリーン・ピンク・ブルー・オレンジ)へと変わる、他には見られないギミックが組み込まれている。本格的な可動式人形ではないが、膝にはクリックする関節があり座ったポーズを取らせることともできる。

子供が親しみやすい幼児体型を意識してデザインされたが大きな人気を獲得するには至らず、ドレスセットやウィッグなども合わせて発売されたものの数年で生産は終了された。ただ当時のケナー社では5年を超えて継続される商品は稀で、ブライスの販売が特に短期で終了されたというわけでもない。しかしこの後ブライスが店頭から消え、やがて忘れ去られたのは事実であろう。

時を経て2000年、写真家のジーナ・ガラン(Gina Garan)によるブライスの写真集が出版されて話題となり、これに目をつけたパルコのキャンペーンビジュアルにブライスが使用されたことから日本での人気に火が着いた。そして2001年からクロス・ワールド・コネクションズ(以下CWC)のプロデュースのもと、株式会社タカラ(現:株式会社タカラトミー)がレプリカのネオブライス(2001年6月パルコ限定「パルコリミテッド」/2001年6月一般販売 第一弾:BL1 モンドリアン)が販売された。その後もつぎつぎと新しいモデルが発売されブライスの人気が定着していった。日本のみならず各国で注目され、米国のアシュトンドレイクからもネオブライスとは違う復刻版が販売された。

ファッションドールという位置付けからファッションブランドやアーティストとのコラボレーションも多く、定価も1万前後に設定され主に大人向けの商品として販売されている。この他に小さなサイズで価格設定が低い「プチブライス」や、ヘアまでプラスチックで作られた食玩の「ブライスベル」も販売されている。

タカラトミーから専用のドレスやシューズのセットなどが販売されているが、ボディは基本的にリカちゃんとほぼ同じサイズであるため、リカちゃん用に販売されるドレスも一部流用できる。本体の加工が比較的容易なこともあり、手作り愛好家らによるカスタマイズや自作服の紹介・販売サイトが存在し、ヤフーオークションでの売買も盛んである。また昨今では母親の年代(アイアイちゃんで遊んだ世代等)に受け入れられていることもあり、親子で愛好している低年齢のファンも増えている。

この人形が復刻されて以降、プーリップやブラッツのように、1/6スケールでありながら体に対して頭の大きいドールが発売されるようになった。また2005年頃にバービーのヘッドサイズが数mm大きくなったのはブライスの影響といわれている。


  1. ^ a b 「ブライス」製造および製品流通についてグッドスマイルカンパニー 2021年12月3日
  2. ^ a b ブライスドールの発売元変更のお知らせ クロスワールドコネクションズ、2021年4月6日





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