コンクリートポンプ車 コンクリートポンプ車の種類

コンクリートポンプ車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/18 00:01 UTC 版)

コンクリートポンプ車の種類

ブーム車

ブームを備えたトラックミキサ

ブーム車とは、フレッシュコンクリートを離れた場所に圧送するために輸送管のついた折りたたみ式のブームを架装したタイプのコンクリートポンプ車のことである。ブームの最大作業高さは2t車で11m、3t車で14~17m、4t車で16~18m、8t車で21~26m、GVW22t車で33m、GVW25t車で36m程度である。世界的には、トラックミキサの車体にコンクリートポンプも装備した機種や、ブームの作業高さが60mを上回る大型機種も実用化されている。現在の主流は折りたたみ式4段ブームである。このブームの存在により、高所等、配管を使ったフレッシュコンクリートの輸送が難しい場所への圧送が比較的容易に可能となる。車両の安定を保つ目的でアウトリガーと呼ばれる張り出し脚を使用するため、設置に必要な面積が広いというデメリットもある。またフレッシュコンクリートの移動・ブームや車体の動揺・風の影響などによって負荷が常に変動し、操作時の応答性(鋭敏過ぎるとスムーズに操作しづらく、遅過ぎると作業性が悪い)やブーム自体の軽量化(軽過ぎるとしなりやすく、丈夫過ぎると車重が増す)も考慮に入れねばならないため、作業時のブーム先端のブレをいかに抑制するかが設計上の要点となる。

配管車

配管車とは、ブームを持たないポンプから直接配管を敷設し、フレッシュコンクリートを圧送するタイプのコンクリートポンプ車のことである。自走式・トレーラー式・定置式の各種があり、いずれも設置に場所を取らないというメリットがある。また、ブームを架装していない分車高が低いため、高さに制限がある場所への進入が可能であるというメリットもあり、ブーム車が主流となっている中でも稼働の場所は残されている。最近は都会の超高層建築物や山奥の砂防堰堤、鉄塔基礎などの現場で超高圧仕様の配管車も使われている。


注釈

  1. ^ 中国の新興企業で、2014年現在で同社製品の最大有効ブーム長86mはギネス記録に採録されている。

出典

  1. ^ a b 三浦満雄「生コンクリートのポンプによる施工」『コンクリート工学』第15巻第6号、日本コンクリート工学協会、1977年6月、81-84頁、doi:10.3151/coj1975.15.6_81 
  2. ^ 原発への生コン圧送車遅れた背景に岡田幹事長の政治的駆引き”. 週刊ポスト2011年4月15日号. 小学館 (2011年4月5日). 2011年4月6日閲覧。
  3. ^ コンクリートポンプ車特別教育”. 一般社団法人全国コンクリート圧送事業団体連合会. 2020年2月20日閲覧。
  4. ^ コンクリートポンプ車特別教育に係る関係法令”. 一般社団法人全国コンクリート圧送事業団体連合会. 2020年2月20日閲覧。
  5. ^ 有資格者の育成”. 一般社団法人全国コンクリート圧送事業団体連合会. 2020年2月20日閲覧。


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