アロステリック効果 協奏モデル

アロステリック効果

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/11 23:45 UTC 版)

協奏モデル

アロステリックに関する協奏モデルは対称モデルともモノー・ワイマン・シャンジュー (MWC) モデルとも呼ばれるが、一つのサブユニットの構造変化が他のサブユニットに影響を与えると仮定している。つまり、全てのサブユニットが同じコンフォメーションを取る。このモデルはリガンドがなくても成り立ち、T状態とR状態のコンフォメーションが均衡を保っている。一個のリガンド(もしくはアロステリックエフェクター)がアロステリック部位に結合すると、均衡はR状態もしくはT状態に移行する。

逐次モデル

アロステリック制御の逐次モデルでは、一つのサブユニットのコンフォメーション変化が他のサブユニットに同様の変化を引き起こすとは考えない。つまり全てのサブユニットが同じコンフォメーションをとっている必要はない。さらに逐次モデルでは、基質分子が誘導適合モデルによって結合するとしている。一般的には、サブユニットがランダムに基質分子と衝突した時、活性中心が基質を包み込まなければならない。この誘導適合はサブユニットをT状態からR状態に移行させるが、近接サブユニットの構造を変化させることはない。その代わり、一つのサブユニットに基質が結合すると他のサブユニットの結合部位も基質に結合しやすいように徐々に構造を変えていく。要約すると、

  • サブユニットは同じコンフォメーションを取っている必要はない。
  • 基質分子は誘導適合モデルで結合する。
  • コンフォメーション変化は全てのサブユニットに伝播することはない。
  • 基質結合は近接サブユニットの基質親和性を高める。

アロステリック促進

酸素分子がヘモグロビンに結合する時のように、アロステリック促進はリガンドの結合が基質分子と他の結合サイトの反応性を高める現象である。ヘモグロビンの例では、酸素は基質であると同時にエフェクターとして、効率的に働いている。アロステリックサイトは、隣のサブユニットの結合部位である。一つのサブユニットに酸素が結合すると、構造が変化し、残りの結合部位の酸素親和性を高める。

アロステリック抑制

アロステリック抑制は、リガンドの結合によって結合部位の基質親和性が低下する現象である。例としては、2,3-ビスホスホグリセリン酸がヘモグロビンのアロステリック部位に結合すると、他の全てのサブユニットの酸素への親和性が低下する。

代謝系の生産物が、その系の中間反応を触媒する酵素の活性を抑制する場合、負のフィードバック制御の生体内における例であるとみなせるため、フィードバック阻害と呼ばれる。








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