アオスゲ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/27 00:06 UTC 版)
近縁種
アオスゲによく似て、はっきり別種であるものも数多い。先に挙げた主たる特徴から、アオスゲではないのであるが、一般的には同じに見える。果胞を見れば区別できるものが多い。アオスゲのように、毛がはえているものは少ない。クサスゲとヌカスゲあたりが特に似ている。
- ヌカスゲ(C. mitrata Franch.)は、アオスゲに似ているが、雄小穂が線形で、淡い褐色を帯びること、また雌小穂の鱗片に芒がないこと、根元が長い褐色のさやに包まれるのが特徴。ただし、鱗片に芒があるノゲヌカスゲ(var. aristata Ohwi)という変種もある。比較的大株になりやすい。こちらは山間部で多く見られる。
- クサスゲ(C. rugata Ohwi)は、細長めの小型のスゲで、小穂は花茎の先端に集まるが、下の方に離れてつくものが出る。果胞と果実の中ほどがくびれるというのが特徴。また、乾燥させると黒っぽくなる。
- マメスゲ(C. pudica Honda)は、やや硬めの葉をもつ種で、雌小穂は株の根元近くに生じ、そこから長く茎を伸ばして先端に雄小穂をつける。穂が出ていないと気づきにくく実穂の状態であっても気がつきにくいので、クサスゲとともに記録が出にくいようだ。
- モエギスゲ(C. tristachya Thunb.)は、小穂雄雌とも棒状で、それが花茎の先端に集まる。小穂の鱗片の先端が丸く、特に雄小穂の鱗片が茎を抱くように巻き付く。またヒメモエギスゲ(C. pocilliformis Boott)は、これによく似て、雄小穂の鱗片が両側融合してコップ状となるので、その姿からコップモエギスゲの名がある。ただし、ヒメモエギスゲをモエギスゲの変種とするとの扱いもある。
- アオスゲとモエギスゲはいずれも小型のスゲの中ではごく普通種なので、この区別がつくようになると、スゲの見分けがかなり容易くなる。
- シバスゲ(C. nervata Franch.)は、よく匍匐枝を出し、株立ちにならない。花茎の先端に小穂が集まる。先端に突き出す雄小穂の鱗片は褐色。日当たりのよい、背の低い草地にはえる。地表に這いつくばるようにして生えているが、時にやや背の高い草の間で伸びているものがあるとややこしい。なお、タカネシバスゲというスゲもあるがこれはシバスゲとは関係がない。
- シバスゲに似たものにカミカワスゲ、ツルカミカワスゲ、チャシバスゲなどがあり、ミヤケスゲ以降のこれらの種は穂の色、基部の様子、匍匐枝の出る出ないなどをチェックポイントとするようだ。
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