うたわれるもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/18 01:28 UTC 版)
コンシューマー版追加要素
- PS2版
- 登場人物のフルボイス化(ハクオロのみ、音声ON、OFFの切り替えが可能)
- PS2移植に伴い、18禁シナリオ・CGの削除、および新シナリオ(カムチャタール編)と新CGの追加
- 新キャラクターの導入(カムチャタール一味)
- 自由に経験値稼ぎができる演習(フリーマップ)の実装
- 複数のキャラで同時攻撃ができる「協撃」の追加
- 装備と道具システムの実装(2周目に引き継ぎ可能)
- その他、戦闘システムで細かい変更点が多数有
- PSP版
- 難易度に「高難度」の追加、それに伴い「高難度」クリア時の特典CG追加
- アドベンチャーパートのCG縦横比を4:3と16:9(スクロール可)から選べる
- HDリメイク版(PS4、PS Vita、Steam)
- 本作は、「偽りの仮面」・「二人の白皇」と同様のシステムに変更
- 複数の追加キャラの実装(ダウンロードコンテンツ扱い)[注 3]
- シミュレーションパートのキャラクターやマップなどがすべて2Dから3Dに変更
- 連撃や必殺技と協撃の演出も強化
- イベントCGやバストアップビジュアルなどは高解像度なものにリファイン
- 2D背景はすべて新規に描き下ろし、オープニングムービーも高画質化
- オリジナルのBGMを全曲リアレンジ
- 新しい解釈でドラマを盛り上げる「スペシャルエクステンデッドモード」を追加[注 4]
- ダウンロードコンテンツ機能の実装及びシーズンパスの販売
企画の経緯
「うたわれるもの」という企画の発端は、まずシミュレーションRPGを作ろうという話があり、それと同時に企画・シナリオ担当の菅宗光が獣耳が出てくるゲームが作りたいということから、この二つをあわせて企画が生まれた[15]。また、和風の話を書きたかった菅によればアイヌ文化をモチーフにさせてもらったとのこと[1]。 ただ、市場的に獣耳という部分を特化させるのはどうかということから、獣耳を主張した菅宗光以外のスタッフからは「なんで獣耳?」との声も上がっていた。しかし、やがてシナリオが固まってくると、獣耳なしでは成り立たないストーリーになっていたので、いつしか反対の声も聞こえなくなっていった[16]。また原画・キャラクターデザイン担当の甘露樹も以前は獣耳の特化傾向に抵抗があったとのことだが、今はそんな違和感もなく普通に書いているとのこと[17]。 本作に章などの概念が無いことについて、ディレクターの鷲見努はシナリオ重視の作品だったからとインタビューで答えている。詳しくいえば、菅の書いたシナリオに、その他の部分を当てはめていく作業ですべてを作ったからとのこと[18]。
また制作当時、アイヌ文化の資料が少なくて苦労したとのエピソードが笑いをまじえて語られている。甘露・菅曰く、いざ制作となると資料が少なく、買うにしても数が少なくて高価なものが多かったため、資料を経費で購入することはできないかと考えるも、制作当時はあまり期待されていなかったためか経費を出してもらうことはできなかった。そこで、図書館で十冊くらい借り、二週間後に返し、またすぐに借りるというのを繰り返して制作していったとのこと。また、馬の役割を担うウォプタルという二足歩行の爬虫類は、登場するキャラクター達が動物のような耳をしているゆえ一線を画すために、甘露樹の機転によって生まれた。そうしたウォプタルや獣耳を描くために恐竜図鑑や動物図鑑なども借りて勉強したとのこと[1]。
あらすじ
ここではないどこか、今ではないいつか。
時は戦国時代。國は分かれ争い、民草が飢え苦しむ時代。ある山奥ののどかな辺境の村に、瀕死の怪我を負った男が運び込まれた。
彼は村人に助けられる以前の全ての記憶を失っており、さらに自分が顔につけている仮面はどうやっても外す事の出来ない不可思議で不気味な代物であり、彼の混乱に拍車をかけた。彼は村人達に獣のような耳や尻尾がある事や、製鉄や化学肥料などの高度な知識が自分にあることを疑問に思い、自分自身と目覚めた世界の微妙な齟齬を訝しみつつも、おおらかで穏やかな村人たちの雰囲気に村の暮らしを徐々に受け入れつつあった。
新たに『ハクオロ』という名を村長から授かった彼は、村の生活を豊かに発展させ、村を襲った災厄を退け、村人達の信頼を勝ち取ってゆき、既にこの村の無くてはならない家族となっていた。しかし戦乱と貧困の風は、この平和な山村にまで吹き付け、人道に反する重い税を押し付けた藩主に反発したことが原因で、村人に強く信頼されていた村長が殺害されてしまう。
ハクオロの中に生まれた、深く静かな怒り。多くの者が死ぬと知りながら、取り返しがつかぬと知りながら、彼はその怒りを解き放った。ハクオロは指導者として謀反を起こし、暴虐の限りを尽くした圧制国家を打ち崩して、新たな国トゥスクルを建国する。
戦いは終わったかに見えたが、まるで何らかの作為が働いているかの如く、次々とトゥスクルとハクオロの元に戦の業火が降りかかる。大きく拡大していく戦の火。ただ平和だけを望む自分の存在や行動が、結果的に戦渦を広げている事に苦悩するハクオロ。しかし、もはや彼に逃げ道は何処にもない。人の身には余る知識と知略、積み重なっていく重責と不条理な現実。そしていまだ深い霞に隠されたままの自分自身の正体。多くの苦悩を抱えつつも、ハクオロはトゥスクルの『皇』として、いまだ終わる兆しの見えない戦争の日々に身を投じる事となる…。
美しい自然に彩られた、幽玄の世界。そこで「彼」は目覚めた。それは人の想い全てを呑み込む、大いなる戦いの始まりだった。さまざまな者たちが、さまざまな思いを響かせ合い、一つの歌を奏で始める。
それは、散りゆく者への子守唄
注釈
- ^ 2006年に発売されたPS2版では同じセーブデータを使う場合、3周目以降に回避可能な重大なバグ有り。対象ロット等不明? 詳しくは外部リンク PS2版うたわれるもの 2018年6月22日閲覧。
- ^ インターネットラジオステーション音泉#沿革2006年参照。
- ^ 2018年5月現在では続編キャラより「ハク、クオン、ネコネ、ルルティエ、ウコン、オシュトル(ハク)」の実装が発表されており、ウコンに関してはシリーズで初めて操作可能キャラとして登場する。
- ^ BGMが続編の偽りの仮面/二人の白皇仕様となる
- ^ ただし、アルルゥやクーヤなど一部の者はハクオロを見たかのような(または気配を感じた)発言をしている。続編の『二人の白皇』にて、大神ウィツァルネミテアの化身として現世に帰還していたことが正式に明かされ、物語の重要な鍵を握る人物として登場し、その後はハクが大神ウィツァルネミテアの力を引き継いだことにより、人間として正式にトゥスクルへ帰還することとなった。
- ^ ドラマCDやラジオドラマなどではその部分が強調されている。
- ^ つける場所はどこでも良く、エルルゥは髪飾りにしている。
- ^ トゥスクルは次女だが、姉が死んだので受け継いだ。
- ^ 死亡したのではなく、あくまで封印なので契約状態であっても何も影響がない可能性もある。
- ^ 成長したムックルを見てハクオロやエルルゥが驚愕する場面がある。
- ^ ムックル担当の下山曰く「突然出てきてアルルゥの愛を奪っていく憎いやつ(笑)」とある[28]。
- ^ HDリメイク版とそれ以前では若干仕様が変更されており、HD版以前では必殺連撃がミスとなりダメージも増加していなかったがHD版からは演出上のみで失敗となるがダメージは加算される扱いとなった。ガチャタラ加入前は無属性ダメージだが加入後は属性ダメージへと変更される
- ^ ゲーム版のみ。
- ^ ゲーム版のみ。
- ^ 国家予算で購入した薬を与えてもらっている[26]。
- ^ ゲームの収録時、これを知ったエルルゥ役の柚木は、メインヒロインであるはずのエルルゥではなくユズハと子供を作ったことをなぜかハクオロ役の小山に激怒した[32]。
- ^ しかし、女性用の耳飾りに興味を示したり、オボロと衆道関係にある描写もあった。
- ^ ゲーム中のイベントCGから。
- ^ アニメ版ではウー、ヤー、ターの3人も。
- ^ ここでは物語の主人公を「ハクオロ」、エルルゥ達の父親を「ハクオロ(故人)」と区別する。
- ^ 恋慕うことの意。
- ^ しもおんな、げじょ。身分の低い女性の意。
- ^ ちゃくし。跡継ぎ、跡取りの意。
- ^ ようせつ。早くに亡くなってしまうことの意。
- ^ 作中でのエルルゥの発言より。
- ^ 最終回で、普通に働いているヌワンギの絵を入れようという話がスタッフの間であったが、「原作と違うヌワンギの結末は絶対に不可」であると原作者から釘を刺されたとのこと[39]。
- ^ アニメ版24話より、脇腹の継ぎ目とある。
- ^ クーヤを案じるシーンにて「私は幸せだ、良い者逹に囲まれて」という作中でのハクオロの発言より。
- ^ 2023年2月15日に飯塚昭三が逝去した為、イベント【夢想の果てに】から谷昌樹が引き続き起用されている
- ^ 黒手帳(恨み手帳)[44]。
- ^ アニメ版では秋元羊介は監督から「東野英治郎が演じる初代水戸黄門の笑い方をイメージしてくれ」という指導を受けたと語っている。
- ^ 作中の台詞から。
- ^ 結びつき、繋がりなどの意[34]。
- ^ ウイツァルネミテア監修。
出典
- ^ a b c d e f 公式ガイドブック、p183。
- ^ 2006年ゲーム総合部門売り上げランキング(2007年9月29日時点のアーカイブ) 2013年1月17日閲覧。
- ^ 「メモリアルブック」での座談会における望月雄太郎アクアプラスアニメーション部プロデューサー談。
- ^ “セガゲームス、他社開発の家庭用ゲームソフト 7タイトルのアジアでの販売ライセンスを新たに獲得 〜自社の販売網・ノウハウを活用し、パートナー企業のアジア展開を支援〜”. セガゲームス (2018年1月29日). 2018年6月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月9日閲覧。
- ^ セガ、他社開発ゲーム7タイトルのアジアでの販売ライセンスを取得GAME Watch 2018年1月29日
- ^ “「うたわれるもの」シリーズ三部作のスマホアプリ版が無料で配信開始。物語・音声・楽曲を余すところなく楽しめる - 4Gamer.net”. 4Gamer.net. 2020年1月23日閲覧。
- ^ “新プロジェクト始動!”. アクアプラス. 2011年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月17日閲覧。
- ^ “『うたわれるもの2』、『ティアーズ・トゥ・ティアラ2』、完全新作『ジャスミン』を発表”. ファミ通.com. エンターブレイン (2011年1月27日). 2015年6月7日閲覧。
- ^ いずれも、『電撃G'sマガジン9月号』より。
- ^ アクアプラス20周年記念タイトル「うたわれるもの 偽りの仮面」
- ^ "「うたわれるもの ロストフラグ」の正式サービスが本日スタート。これまでのシリーズに登場したキャラも加わり,新たな物語を描く". 4Gamer.net. 2019年11月26日. 2020年10月1日閲覧。
- ^ “『ドカポン』と『うたわれるもの』のコラボタイトル『ドカポンUP! 夢幻のルーレット』が発売決定!【先出し週刊ファミ通】”. ファミ通. 2020年8月5日閲覧。
- ^ “ドカポンUP! 夢幻のルーレット”. アクアプラス. 2020年8月7日閲覧。
- ^ “モノクロームメビウス 刻ノ代贖”. アクアプラス. 2022年9月10日閲覧。
- ^ 公式ガイドブック、p181。
- ^ 公式ガイドブック、p186。
- ^ ゲーマガ2011年4月号 114ページ
- ^ a b 公式ガイドブック、p182。
- ^ a b c d e f g h i j k l 『月刊ニュータイプ 2006年8月号』 角川書店、2006年8月1日、184頁、ASIN B000GGRUZQ
- ^ a b c 公式ガイドブック、p184。
- ^ DVD特典ブックレット、p13。
- ^ 戦闘フェイズ「エヴェンクルガの女」より
- ^ a b PS2版収録用語辞典。
- ^ PS2版作中でのクロウの台詞から。
- ^ アニメ版23話のウルトリィの発言より。
- ^ a b c 公式ガイドブック、p185。
- ^ 公式ガイドブック、p191。
- ^ 公式ファンブック、p85。
- ^ DVD特典ブックレット、p2。
- ^ a b c 公式ガイドブック、p187。
- ^ a b 公式ガイドブック、p188。
- ^ DVD特典キャストインタビューVOL7より。
- ^ 日めくりCD トラック37 「ウルトリィとカルラ」より。
- ^ a b c うたわれるもの オリジナルサウンドトラックより。
- ^ DVD特典ショートエピソード第二話より。
- ^ 公式ファンブック、p107。
- ^ DVD特典キャストインタビューVOL5より。
- ^ ゲームに収録された人物図鑑の記述より。
- ^ 公式ファンブック、p95。
- ^ 公式ファンブック、p111。
- ^ うたわれるもの ロストフラグの2022年5月10日のツイート、2022年5月10日閲覧。
- ^ DVD特典キャストインタビューVOL6より。
- ^ 公式ガイドブック、p186。
- ^ ゲーム版の蒐集品説明より。
- ^ DVD特典ブックレット、p11。
- ^ 公式ファンブック、p47。
- ^ DVD特典ブックレット、p7。
- ^ 公式ガイドブック、p189。
- ^ 公式ファンブック、p65。
- ^ 公式ファンブック、p64。
固有名詞の分類
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