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E-B対応とE-H対応

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/11/01 13:37 UTC 版)

電場E は、電荷から発する場として自然に定義されるが、磁場に関しては歴史的経緯から二種類の流派があり、現在でも両方が使われている。それがE-B 対応とE-H 対応である。

E-B 対応は、全ての磁場は電流から発するとし、基本公式を

\boldsymbol{\mathit{F}}=Id\boldsymbol{\mathit{l}}\times\boldsymbol{\mathit{B}}

とする。つまり、磁束密度Bを電流素片Id lがうけるとして定義するわけである。このとき磁場Hは,磁性体が存在する場において磁化電流を考えずにアンペールの法則が成立するように便宜的に導入される。

一方のE-H 対応は、磁場にもその源になる磁荷が存在し、

\boldsymbol{F} =\frac{q_{m1}q_{m2}}{4\pi\mu_0}\frac{1}{r^2}\boldsymbol{\hat{r}}=
q_{m1}\boldsymbol{\mathit{H(r)}}
\hat{\boldsymbol{r}}=\frac{\boldsymbol{r}}{r}

というクーロンの法則が成立するということを出発点とする。このとき、単位の大きさの磁荷が発する場が磁場Hとなり、以降の理論展開は電場と全く同じになる。これは、電流の磁場作用が発見される前から、「磁石」という磁場を発する物体が存在したために自然に現れた概念である。

この場合、静電気学で誘電体が存在する場にガウスの法則を成立させるために電束密度D を導入したのと同じ考えで、磁性体の存在する場にBが導入される。

現代の古典電磁気学では、単極磁荷は存在せず全ての磁場は電流から生じる、としている。磁石が発する磁場の正体は磁石を構成する原子の電子スピンで、すなわち古典的には電流と見なせる。そのため現代の電磁気学教育においては、物理的な描写が正しいE-B 対応が主流を占めている。しかし、現在でもE-H対応を前提とする電磁気学の教科書はあることから、いま読んでいる本がE-B 対応とE-H 対応のどちらで書かれているかを意識することは必要と思われる。




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