10式装弾筒付翼安定徹甲弾
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「10式戦車砲」の記事における「10式装弾筒付翼安定徹甲弾」の解説
10式120mm装弾筒付翼安定徹甲弾は、10式戦車砲専用に開発された徹甲弾(APFSDS)である。試作時の計画名は徹甲弾III型であり、設計および発射体の製造はダイキン工業、発射薬の製造は旭化成ケミカルズ、火工品作業および最終組立は中国化薬が担当していた。 同弾では、弾心材料の高強度化と弾心形状の高L/D化を図ることで、威力向上を達成している。しかし高L/Dの飛翔体は一般的に命中精度が悪化する傾向があり、貫徹威力と命中精度の両面を満足させることは非常に困難であることから、同弾の設計にあたっては、飛翔体の空力設計を綿密に検討するとともに、射撃時の砲身の挙動を考慮して砲内での弾丸の挙動を安定させるための設計が実施された。また装弾筒の軽量化による弾心の初速アップも図られている。 これらの施策により、射距離2キロでの貫徹力はRHA換算で548ミリに達しているものと推算されている(弾芯長を主とした推算であり、下限値に近いものであることには留意が必要)。なお、90式で使用されるAPFSDS弾であるJM33のオリジナルにあたるDM33の貫徹力は、同条件で448ミリとされる。
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